シノプシス、ARM AMBAプロトコルベース・デザインの検証サポートを拡張 AMBA 4 AXI4向けPerformance Checkerの提供を開始
Discovery VIPにより、SoC全体の性能ボトルネックの特定とデバッグが可能に
2012年10月29日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - 半導体やエレクトロニクス・システムのイノベーションを加速させる開発用ソフトウェア、IP、技術サービスの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、ARM® AMBA® AXI4TMプロトコル向けのDiscovery Verification IP(VIP)の新機能、Performance Checkerを発表した。この機能を使用することにより、SoC検証チームは、システム・アーキテクチャ定義の段階で設定された測定指標に基づいたSoCの性能解析とバリデーションが行えるようになり、SoCの性能ボトルネックのデバック期間を短縮できる。
ARM社 Design Enablement担当ディレクター Joe Convey氏は次のように語っている。「SoCマーケットにおいては、高性能な製品を迅速かつ予定通りに開発できるかどうかが非常に重要なポイントとなります。複雑化したSoCは様々な機能ブロックをひとつに統合する必要があるため、デザイン上に性能ボトルネックが頻発するようになりました。これらは十分にテストした上で根絶しなければなりません。AMBA 4 AXI4向けDiscovery VIPが提供するPerformance Checkerは、システム・アーキテクチャの最適化段階で費やされた膨大な努力を基点とする革新的なアプローチでSoC検証を実現してくれます。これにより、検証工程全体の効率化が可能になります」
Performance Checkerは、Discovery VIPのデータ整合性チェック機能を活用し、AMBA 4 AXI4やACE TMインターコネクト上で発生するレイテンシのトラッキングを行う。シノプシスのPlatform Architect を用いたアーキテクチャ検討期間で設定された測定指標は、設計フローを通じてシステム性能の一貫性を維持するための制約条件と してDiscovery VIPに渡される。そしてDiscovery VIP は、Performance Checker機能を用いて、性能の障害となっている部分を特定しレポートを作成する。設計者は、そのレポートを用いて現実的なバス・トラフィック状況を多岐にわたって十二分にチェックし、デザインが最適な性能目標を満たせるかどうかの検証を行うことができる。また違反部分は、シノプシスのプロトコル考慮デバッグ環境であるProtocol Analyzer上でハイライト表示できるため、デバッグが容易になり、原因究明にかかる時間を短縮できる。
シノプシス ベリフィケーション・グループ R&D担当副社長 Debashis Chowdhuryは次のように述べている。「ARM AMBAプロトコルにより、マルチ・プロセッサ搭載SoCの性能は向上し続けています。今回のDiscovery VIPのPerformance Checker機能の提供もそうですが、当社はSoC検証の問題への取り組みに注力し続けていきます。そして、AMBAプロトコルを用いたデザインの設計チームの生産性向上とSoC性能目標達成を支援し続けてまいります」
シノプシスのDiscovery VIP Performance Checkerと、ARM Powered® SoCベースデザイン向けのシノプシス検証ソリューションとインプリメンテーション・ソリューションは、10月30日から11月1日までの3日間で開催されるARM TechCon Expo 2012にて公開される。シノプシスが講演する数々のコンファレンス・セッションの詳細は,、https://www.synopsys.com/community/partners/arm.htmlより入手可能。