ニュースリリース - 2019年5月23日

シノプシス、従来比で1,000倍高速なソフトウェア・ドリブン・パワー解析ソリューションを提供開始

従来手法では実行できなかった数十億サイクルのソフトウェア・ワークロードに対応可能なエミュレーション・ベース・パワー解析を実現するZeBu Power Analyzer


概要

  • ZeBu® Power AnalyzerがZeBu Server 4の能力を拡張。比類なきマルチスレッディング・パワー解析エンジンでRTLならびにゲートレベルのパワー解析フローを実現

  • 数十億サイクルのアクティビティ・プロファイルをZeBu Server 4上で実行し、電力を大量消費する箇所を特定

  • 数百万サイクルの範囲のパワー解析のため、平均パワーならびにサイクルパワーの高精度な解析結果を、シミュレーション手法では数か月かかるのに対し数時間で提供

  • 複数のゲートレベル・インプリメンテーションに対してパワー解析を実施する際に、エミュレーション結果を再利用することによりエミュレーション効率を向上

  • シノプシスのパワーサインオフ・ソリューション PrimePowerとの統合により、システムレベルからサインオフ検証までの包括的なパワー解析ソリューションを提供

2019年5月23日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、これまでのシミュレーション・ベースの手法と比べて1,000倍高速にソフトウェア・ドリブンSoCパワー解析を実行するZeBu Power Analyzerソリューションを発表した。ZeBu Power Analyzerは、これまでにないマルチスレッディング・パワー解析エンジンにより、業界で最も高速なエミュレータ ZeBu Server 4をさらに高速化する。これにより、数十億サイクルに上る複雑なソフトウェア・アプリケーションを実行した際のハードウェアの電力消費をシステマティックに解析することが可能になる。設計者が想定したシナリオではなく実際のソフトウェア・ワークロードを用いて解析を実行するため、電力を大量消費する箇所を見逃すリスクを大幅に削減できる。また、シノプシスのPrimePowerによるパワーサインオフ・フローとも統合されているため、消費電力上の問題個所を効率的かつ高精度にピンポイントで特定し修正することができる。
 

MediaTek社 Computing and Artificial Intelligence Technology Group シニア・ディレクター Jerry Wang氏は次のように語っている。「当社は、モバイル・デバイス向けに消費電力と性能の最適なバランスを持った非常に高効率なSoCを提供するリーディング・カンパニーです。当社では5G向けデザインを手掛けているため、消費電力と性能の要求はこれまで以上に厳しいものとなっており、設計の早期段階でパワー解析を実行できるかどうかが非常に重大な課題となっています。ZeBu Power Analyzerのソフトウェア・ドリブン・パワー解析ソリューションにより、実際のソフトウェア・ワークロードを使って、GPUのような重要なコンポーネントを最適化することが可能となりました」


ZeBu Power Analyzerは、RTLからゲートレベルに渡って以下の3つのステップでパワー解析を実行する。

 1)    アクティビティ・モデルの生成

ZeBuによるエミュレーションで実行できるアクティビティ・モデルにより、数十億サイクルものソフトウェア・ワークロードの中で、OSのブートやアプリケーション・ソフトウェア実行時などの電力を大量消費する箇所を短時間で特定できる。

 2)    これまでにないマルチスレッディング・パワー解析エンジンを使用

波形生成と電力見積りを同時実行できるマルチスレッディング・パワー解析エンジンにより、95%以上の高い精度で電力を大量消費する箇所のパワー解析を実行できるため、様々なインプリメンテーションのトレードオフを設計段階の早期に実行することができる。

3)    サイクルパワーの高い区間を特定

これを受けてバックエンド設計者は、業界標準ツールであるPrimePowerを適用して、平均パワーとピークパワー近似値となるサイクルパワーの両方を高精度にサインオフ検証できる。
 

シノプシス エンジニアリング担当副社長 Yogesh Goelは次のように述べている。「次世代SoCでは高度に複雑なソフトウェアを実行しなければならないため、数十億サイクルのソフトウェア・ドリブン・パワー解析の必要性は、これまで以上に高まっています。ZeBuの主要カスタマーの多くでは、この高性能なZeBu Power Analyzerをさっそく適用いただいており、パワー解析プロセスを設計段階の早期に実行して、電力を大量消費する箇所を見逃すリスクを大幅に削減されています」
 

提供開始時期ならびに参考情報

ZeBu Power Analyzerは、既に提供を開始している。ZeBu Power Analyzerの詳細は下記より入手可能。

https://www.synopsys.com/verification/emulation/use-cases-fast-emulation.html
 

シノプシスについて

Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、ソフトウェア品質/セキュリティ・ソリューションの分野でも業界をリードしており、世界第15位のソフトウェア・カンパニーとなっている。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、最高レベルの品質とセキュリティが要求されるアプリケーション・ソフトウェアの開発者に、高品質で信頼性の高い革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。詳細な情報は、https://www.synopsys.com/ja-jpより入手可能。

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<お問い合わせ先>

日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充

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