ニュースリリース - 2020年2月13日

シノプシス、ワイヤレス・ナローバンドIoTデザイン向けにARC Communications IP Subsystemを提供開始

機器間接続、スマートシティ、製造自動化などのアプリケーション向けに効率的な3GPP Release 14準拠の通信機能を提供するハードウェアならびにソフトウェア・ソリューションを統合したIPサブシステム

 

概要

  • IoT機器で必要とされる低帯域通信に不可欠なRISCならびにDSP性能を提供する低消費電力なARC EM11Dプロセッサを組み込んだDesignWare ARC IoT Communications IP Subsystem

  • シリコン面積の増加を最小限に抑えつつアプリケーション固有のカーネルの性能を向上させるため、ハードウェア・アクセラレータを統合

  • RFワイヤレス・トランシーバとのインターフェイス構築を容易化するコンフィギュラブルなデジタル・フロントエンド

 

2020年2月13日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、DesignWare® ARC® IoT Communications IP Subsystemの提供開始を発表した。ARC IoT Communications IP Subsystemは、機器間接続を始めとする超低帯域ワイヤレスIoT(NB-IoT:Narrow Band-IoT)アプリケーションで必要となる高効率なDSP機能を提供するため、DSP機能が強化されたARC EM11Dプロセッサ、ハードウェア・アクセラレータ、専用ペリフェラル、RFインターフェイスなどを統合したハードウェア/ソフトウェア・ソリューションである。

 

このARC IP Subsystemには、RF制御のためのSPI(Serial Peripheral Interface)ならびにGPIO(General Purpose Input/Output)、ログ記録やホスト制御を行うUART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)が搭載されている。このデジタル・フロントエンドにより、Palma Ceia社のRelease 14準拠NB-IoTトランシーバなどのサードパーティーRFソリューションとのインターフェイスを柔軟に構築可能となる。また、このサブシステムには、ベースライン・ソフトウェア・コミュニケーション・ライブラリ、ペリフェラル・ドライバ、アプリケーション例も含まれている。ARC IP Subsystemは、スマートシティ、スマート・アグリカルチャー、製造自動化などの多岐に渡るIoTアプリケーションに不可欠な性能効率を提供する。

 

Palma Ceia SemiDesign社CEOのRoy E. Jewell氏は次のように語っている。「スマートIoT機器では、バッテリー駆動時間を延ばすための低消費電力動作と、堅牢かつ信頼性の高いデータ転送機能の両立が求められます。開発者の皆様は、当社のLTE Cat NB1/NB2 Release 14 RFトランシーバとシノプシス社のARC IoT Communications IP Subsystemの組み合わせが提供する高効率なフロントエンド・ソリューションを活用して、ワイヤレスNB-IoTアプリケーション向けデザインを短期間で開発可能となります」

 

このサブシステムに統合されている超低消費電力のARC EM11Dプロセッサには、急速に進展するワイヤレス規格に適応できる柔軟なアーキテクチャを提供するため、RISCならびにDSP機能が組み込まれている。EM11Dのゼロ・レイテンシXYメモリー・アーキテクチャには、電力効率の高いデータ処理を可能にするため、インストラクション・レベルの並列化とシングル・サイクル16+16 MACが実装されている。ビタビ・デコーディングと三角関数の実行を高速化するハードウェア・アクセラレータにより、プロセッサの動作周波数を最小限に抑えつつLTE NB IoTアルゴリズムの高速処理が可能となっている。消費電力を抑えたIoT通信の要となるパワー・マネージメントは、ボードに搭載されているマネージメント・ユニットが担っており、最大6つの個別のパワードメインと3つのパワーモードによって、LTE省電力モード(PSM:Power Saving Mode)ならびに低消費電力通信モード(eDRX:Extended Discontinuous Reception)に対応可能となっている。

 

ARC IoT Communications IP Subsystemのベースライン・コミュニケーション・ライブラリは、シンボル補間、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transformation)、変調ならびにデータ操作といったNB-IoT機能に不可欠なソフトウェア技術を提供する。またサブシステムに含まれているアプリケーション例は、典型的な直交周波数分割多重方式(OFDM:Orthogonal Frequency-Division Multiplexing)の処理でのユースケースを提示する。さらにDesignWare ARC MetaWare Toolkitが多岐に渡るDSPライブラリを提供しており、ソフトウェア開発者は、一般的なDSPビルディング・ブロックのアルゴリズムを短期間で実装することができる。

 

シノプシス IPマーケティング担当上級副社長 John Koeterは次のように述べている。「需要が急増しているNB-IoT機器は、急速に進展するワイヤレス規格に迅速に適応できる超低消費電力で低コストな実装が施されなければなりません。ARC IoT Communications IP SubsystemとPalma Ceia SemiDesign社のRFトランシーバの組み合わせは、開発者の皆様に完全なハードウェア/ソフトウェア・ソリューションを提供するものであり、これによって開発リスクと開発工数を大幅に削減しつつ、開発中のIoTデバイスにNB-IoT通信機能を効率的に組み込むことが可能となります」

 

提供可能時期ならびに関連情報

DesignWare ARC IoT Communications IP Subsystemは既に提供を開始している。

Palma Ceia SemiDesign社のLTE Cat NB1/NB2 Release 14 RFトランシーバは、同社が提供を開始している。詳細は、https://www.pcsemi.com/products/nb-iot/より入手可能

 

DesignWare IPについて

シノプシスは、システムオンチップ向けの高品質かつシリコン実証済みIPのリーディング・プロバイダである。シノプシスの多岐にわたるDesignWare IP群は、ロジック・ライブラリ、組込みメモリー、組込みテスト、アナログIP、有線・無線通信向けインターフェイス(業界標準プロトコル)IP、セキュリティIP、組込みプロセッサ・コアとそのサブシステムで構成されている。IPに関連するソフトウェア開発とハードウェア/ソフトウェア統合を容易にするため、シノプシスのIP Acceleratedイニシャティブは、IPプロトタイピング・キット、IP向けソフトウェアの開発キット、IPサブシステムを提供している。DesignWare IPは、信頼性の高い開発手法、品質確保のための巨額の投資の所産であるだけでなく、包括的な技術サポートとともに提供されているため、設計者は、IPのSoCへの統合リスクを最小化し、最終製品の市場投入までにかかる期間を短縮することができる。

詳細情報は https://www.synopsys.com/ja-jp/designware-ip.html  より入手可能。

 

シノプシスについて

Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、ソフトウェア品質/セキュリティ・ソリューションの分野でも業界をリードしており、世界第15位のソフトウェア・カンパニーとなっている。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、最高レベルの品質とセキュリティが要求されるアプリケーション・ソフトウェアの開発者に、高品質で信頼性の高い革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。

詳細情報は、https://www.synopsys.com/ja-jpより入手可能。

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Synopsysは、Synopsys, Inc.の登録商標または商標です。

その他の商標や登録商標は、それぞれの所有者の知的財産です。

 

<お問い合わせ先>

 

日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充

TEL: 03-6746-3940                  FAX: 03-6746-3941