ニュースリリース - 2018年12月10日

シノプシスとimec、革新的な相補型FETの高速モデリング技術を確立

3nm以降のプロセスでの寄生抵抗のばらつきを削減するために協業

 

概要

  • 強力なQuickCap® NXの3Dフィールドソルバー・インターフェイスにより、これまでより短期間で集中的な実証実験を実施

  • 寄生抵抗のばらつきが及ぼす遅延への影響をユーザー独自の目標値に則した精度でモデリングする、これまでに無い手法

  • 2nmプロセスの量産立ち上げに向けて協業を継続

     

2018年12月10日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、ナノ・エレクトロニクスならびにデジタル・テクノロジの世界的な研究機関でありイノベーション・ハブであるimecとの長年にわたる協業における新たな成果を発表した。今回、3nm以降のプロセスで発生する寄生抵抗ばらつきの包括的なモデリング、ならびに相補型FET(CFET:Complementary FET)アーキテクチャでの遅延感度の研究に世界に先駆けて成功した。CFETは、FinFET構造よりもデザイン面積を大幅に削減できるため、3nmプロセス以降のデザインでも面積効率を維持し続けるための理想的な選択肢となっている。

 

3nmや2nmプロセスでは、メタル配線上やビアでの大きな抵抗や表面散乱が発生するため、ばらつきの影響はメタル・レイヤのみならずMOL(Middle of Line)レイヤのパラメーターに非常に大きな影響を及ぼす。そのため、寄生抵抗のばらつきや、その感応度をモデリングすることは、CFETを量産向けプロセス・テクノロジとして実用化するにあたって非常に重要なファクターとなる。

 

プロセス開発の初期段階でこれらを予測することができれば、ファウンダリは、より強靭でばらつき耐性の高いトランジスタ、スタンダードセル、メタル配線技術を開発することができるようになる。シノプシスのR&D部門とimecの研究部門は、その緊密な共同研究の過程でQuickCap NXの3Dフィールドソルバーを活用することにより、様々なデバイス構造に対して寄生抵抗を短期間かつ正確にモデリングし、その影響の臨界点にあるデバイス寸法やその特性を解明することができた。これにより、消費電力と性能の最善のバランスに向けてCFETデバイスを最適化することが可能となった。抵抗/キャパシタンス/インダクタンスを2D/3D抽出するTCADツール Raphaelや最も大規模なSoCにも対応できる寄生抽出ツール StarRCをはじめとするツール・セットとQuickCap NXを活用することにより、プロセス開発者は、プロセス・パラメーターのばらつきによる回路性能への影響感度を効率的に判断することができ、基準となる参照値を確定することによりモデリング精度を向上させることができる。

 

Imec テクノロジ・ソリューションならびに実用化担当ディレクター  Anda Mocuta氏は次のように語っている。「今回の協業を通じ、CFETをはじめとする最先端のプロセスならびにデバイス構造におけるセルや配線で生じるばらつきを非常に高精度にモデル化して解析することができました。我々は、シノプシス社との協業を通じて、3nm以降の技術的ブレイクスルーの達成に向けた成果を蓄積し続けています。QuickCap NXをはじめとする同社のツールは、ばらつきに関する共同研究における基幹テクノロジです」

 

シノプシス CTO Antun Domicは次のように述べている。「imec様は、半導体技術の最前線で研究を重ねておられます。2nmプロセスに向けたばらつき考慮のソリューションを開発するための当社とimec様との協業は、半導体業界全体に恩恵をもたらすものとなるでしょう。柔軟性に富んだQuickCap NXの3D寄生抽出インターフェイスをご活用いただくことにより、開発者の皆様は、より高度な目標に向けて、プロセスばらつきに対する回路性能の最適化のために繰り返さなければならない試行の回数を削減し、回路に及ぼす影響を低減することができます。デバイス構造と回路の最適化にかかる時間を大幅に削減することができるのです」

 

シノプシスについて

Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、ソフトウェア品質/セキュリティ・ソリューションの分野でも業界をリードしており、世界第15位のソフトウェア・カンパニーとなっている。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、最高レベルの品質とセキュリティが要求されるアプリケーション・ソフトウェアの開発者に、高品質で信頼性の高い革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。

詳細情報は、https://www.synopsys.com/ja-jp より入手可能。

 

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日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充

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