ニュースリリース - 2018年8月27日

シノプシス、マシンラーニングを活用したブレイクスルー・テクノロジにより、フォーマル・プロパティ検証のパフォーマンスを10倍向上

VC FormalのRegression Mode Acceleratorにより、フォーマル検証の収束にかかる期間を短縮

 

2018年8月27日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 –シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、シノプシスのフォーマル検証ソリューション VC Formal®の機能として、最先端のAI技術を応用したリグレッション・テスト・アクセラレータ(RMA:Regression Mode Accelerator)を発表した。この新機能は、最先端のマシンラーニング技術を応用したものであり、設計/検証工程で実行されるフォーマル・プロパティ検証のスピードを10倍高速化することができる。この新機能による劇的なパフォーマンス向上により、フォーマル・プロパティ検証による(デザイン改変後の)二回目以降の形式的証明をより短期間で収束させることができる。またRMAにより、複雑なSoCデザインの検証工程で夜間実行するリグレッション・テストに必要なコンピューティング・リソースを削減できるため、これまでは実行困難だったケースでもフォーマル検証を実施することが可能となる。

 

STMicroelectronics社 R&Dデザイン・マネージャー David Vincenzoni氏は、次のように語っている。「当社は統合デバイス・メーカーとして、イノベーションの鍵を握るソリューションを提供し、スマート・ドライビング、IoT、スマート・インダストリーといった分野の最先端技術の更なる高度化をリードしていますが、当社にとって、業界最高水準のパフォーマンス、使い易さ、結果品質を提供してくれるフォーマル検証ソリューションは不可欠です。今回開発されたRMAにより、これまでに引き続きVC Formalは桁違いのパフォーマンス向上を実現し、デザイン・ブロック上の最も複雑なSystem Verilog Assertionで追加された未確定プロパティの収束を短期化させてくれます」

 

SoCは複雑化する一方で開発期間短縮の必要性は高まっており、フォーマル・プロパティ検証のパフォーマンスとスループットを向上させる技術革新へのニーズはますます大きくなっている。VC Formalは、フォーマル・プロパティ検証(FPV:Formal Property Verification)、シーケンシャル等価性検証(SEQ:Sequential Equivalence Checks)、フォーマル・レジスタ検証(FRV:Formal Register Verification)、フォーマル・カバレッジ解析(FCA:Formal Coverage Analyzer)、コネクティビティ・チェック(CC:Connectivity Checking)、プロパティ自動抽出(AEP:Automatic Extraction of Properties)といった各種のフォーマル検証エンジンを包括的に搭載しており、STMicroelectronics社における多岐に渡るユースケースに対応してより短期間でのプロパティ検証収束を実現した。VC Formalとシノプシスの機能検証ソリューションVCS®ならびにデバッグ自動化ソリューション Verdi®とのネイティブ統合環境により、設計/検証エンジニアは、フォーマル検証テクノロジを容易に活用し、結果に対するルートコーズ解析を自動化することができる。またVC Formalには、VCSの堅牢なカバレッジ解析エンジンがネイティブに組み込まれているため、既存の検証環境にフォーマルな解析プロセスを簡単に組み入れることができる。

 

シノプシス ベリフィケーション・グループのシノプシス・フェロー Manish Pandeyは、次のように述べている。「マシンラーニングは、非常に複雑な最先端デザインの検証に対処するのに有効なパワフルなテクノロジとして台頭してきています。当社は、最先端SoCの開発に必要な検証ソリューションを包括的に提供し続けるために、STMicroelectronics様のような業界のリーディング・カンパニーと長年にわたって協業を重ねてきました。こうした協業の中で当社は、開発期間短縮を実現すべく、検証フローへAIベースのテクノロジを組み込んでいくための投資を拡大させています」

 

提供可能時期

Regression Mode Acceleratorを搭載したVC Formal 2018.09バージョンは2018年9月の提供開始を予定している。

 

シノプシスについて

Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、ソフトウェア品質/セキュリティ・ソリューションの分野でも業界をリードしており、世界第15位のソフトウェア・カンパニーとなっている。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、最高レベルの品質とセキュリティが要求されるアプリケーション・ソフトウェアの開発者に、高品質で信頼性の高い革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。

詳細情報は、https://www.synopsys.com/ja-jp より入手可能。

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日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充

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