ニュースリリース - 2019年9月16日

ニュースリリース - 2019年9月16日

シノプシスの新しいエンベデッド・ビジョン・プロセッサがAIベースSoCに業界最高水準の35TOPSの処理性能を提供

ディープ・ニューラルネットワーク・アクセラレータを搭載したDesignWare ARC EV7x Vision Processorsが高度なAI処理を実行するエッジ・アプリケーションで従来比4倍以上の処理性能向上を実現

 

概要

  • ベクターDSP、ベクター浮動小数点ユニット(FPU)、ニューラルネットワーク・アクセラレータを統合したヘテロジニアス・アーキテクチャが特長のDesignWare® ARC® EV7x Vision Processorsが、現在ならびに今後の幅広いAIアプリケーション向けに拡張性の高いソリューションを提供

  • 最大14,080ものMACを実装できるディープ・ニューラルネットワーク・アクセラレータが、インテリジェントな車載アプリケーションならびにコンシューマ・アプリケーションで必要とされる高い処理性能を実現

  • AES準拠の暗号方式のサポートにより、処理性能を犠牲にすることなく、トレーニング・データやセンサー・データといった付加価値の高いデータをセキュリティの脅威から保護

  • MetaWare EV Software Development ToolkitとEV7xプロセッサの組み合わせにより、フレームレートのスループットがEV6x比で最大65%向上

 

2019年9月16日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、マシンラーニングならびにAIベースのエッジ・アプリケーション向けにディープ・ニューラルネットワーク(DNN)アクセラレータを搭載した新しいDesignWare ARC EV7x Vision Processorファミリーを発表した。ARC EV7x Vision Processorsは、エンハンスメントが施されたベクター・プロセッシング・ユニット(VPU)を最大4つ、そして最大14,080のMACを実装できるDNNアクセラレータを統合することができ、16nm FinFETプロセスで標準実装した場合、最高で35TOPS(Tera Operation Per Second)の処理性能を発揮する。これはARC EV6xプロセッサの4倍に相当する。またEV7xプロセッサには、クロック/パワー・ゲーティング・テクノロジと消費電力削減のためのアーキテクチャ・エンハンスメントが実装されている。さらに、シノプシスのMetaWare EV Development Toolkitは、EV7xプロセッサ向けのアプリケーション・ソフトウェアの開発期間を短縮するため、OpenVXTMやOpenCLTM Cなどの一般的なエンベデッド・ビジョン標準ベースの包括的なソフトウェア・プログラミング環境を提供している。高性能なビジョン処理エンジンならびにDNNアクセラレータと、生産性の高いプログラミング・ツールで提供されるARC EV7x Embedded Vision Processorsは、先進運転支援システム(ADAS)やビデオ監視、スマートホーム、拡張/仮想現実(AR/VR)といった幅広いビジョン・アプリケーションに最適なソリューションである。

 

Kudan株式会社 代表取締役 大野智弘氏は次のように語っている。「新しいEV7x Vision Processorsでは、線形代数と行列演算の実行が最適化されているため、自己位置と地図の同時推定(SLAM:simultaneous localization and mapping)、AR/VRのリアルタイム・トラッキングや自動運転時の位置推定といった関連プロセスの処理を高速化することができ、かつ周囲状況の把握精度も向上します。シノプシス社と当社の協業を通じ、開発者の皆様は、他の実装方法と比べて消費電力やメモリーリソースを大幅に削減しつつ高い性能を達成できる高効率なSLAMソリューションを活用することができます」

 

ディープ・ニューラルネットワーク・アクセラレータを搭載した新しい高性能マルチコア・アーキテクチャ

DesignWare ARC EV7x Vision Processorsは、高性能VPUを最大4つ搭載可能なテロジニアス・マルチコア・アーキテクチャを特長としている。それぞれのプロセッサ・コアには、32ビットのスカラー・ユニットと512ビットのワイド・ベクターDSPが組み込まれており、8/16/32ビット動作にコンフィギュレーションすることができるため、異なるデータ・ストリームに対して乗累演算を並列実行することができる。オプションで搭載可能なDNNアクセラレータは、880~14,080 MACで処理性能を調整でき、他のニューラル・ネットワークIPよりも高速なメモリーアクセス、高い処理性能、低い消費電力を実現する特殊なアーキテクチャを搭載している。このDNNアクセラレータは、畳み込みニューラル・ネットワーク(CNN)のサポートに加えて、長・短記憶(LSTMs:Long Short-Term Memories)をバッチ処理できるため、感知した移動経路と歩行スピードに基づいて歩行者の位置を推定するなどの時間経過を考慮した結果が求められるようなアプリケーションにも最適である。EV7xのビジョン・エンジンとDNNアクセラレータは各種タスクを並列処理できるため、複数のカメラやビジョン・アルゴリズムが並列動作する自動運転システムやADASアプリケーションにとって特に効率的な処理性能を提供できる。

 

先進のセキュリティ/セーフティー機能

DesignWare ARC EV7x Vision Processorsは、オンチップ・メモリーからビジョン・エンジンやDNNアクセラレータへのデータ転送を保護するためのAES-XTS暗号エンジンをオプション搭載できる。このエンジンにより、トレーニング・データセットや、顔認証や網膜スキャンなどの個人生体情報といった重要なデータの不正利用を防止することができる。

ARC EV7xFSポートフォリオは、ASIL BならびにASIL Dに準拠したプロセッサとなっており、車載SoCのISO 26262認証取得にかかる期間を短縮できる。機能安全対応が強化されたこれらのプロセッサは、ハードウェア保護機能、セーフティー・モニター、ロックステップ機構を搭載しているため、開発者は、消費電力や性能に悪影響を及ぼすことなく、厳格な機能安全水準や故障カバレッジを達成することができる。また、今回追加された“ハイブリッド”オプションにより、システム・アーキテクトは必要に応じて、ソフトウェアと実チップの両面でASIL Dまでのセーフティー水準を選択できる。

 

生産性の高いソフトウェア・プログラミング環境のエンハンスメント

DesignWare ARC EV7x Vision ProcessorファミリーをサポートするMetaWare EV Development Toolkitは、OpenVXやOpenCL Cなどの一般的なエンベデッド・ビジョン標準ベースの包括的かつ効率的なソフトウェア・プログラミング環境である。このソフトウェア開発ツール群により、EV7xプロセッサのビジョン・エンジン向けの高性能コンピュータ・ビジョン・アプリケーション・ソフトウェアの開発を短期化でき、またDNNアクセラレータ上でのニューラル・ネットワーク・グラフの自動マッピング/最適化が可能になる。マッピング・ツールは、フレームワークのCaffe ならびにTensorflow、ニューラル・ネットワーク・交換フォーマットのONNXをサポートしている。

 

ULSee社 エンジニアリング担当副社長 Dr. Yi-Ta Wuは次のように語っている。「ARC EV7x Vision Processors上で動作する当社の顔認識アルゴリズムならびにコンピュータ・ビジョン・アルゴリズムをご活用いただく事により、お客様は、ADASやモバイルなどのエッジ・アプリケーション向けの高性能・低消費電力ソリューションを手にすることができます。ARC EV7x Vision Processorの多彩なコンフィギュレーション・オプションにより、開発者の皆様は、眠気検知向けの低消費電力SoCから周辺状況モニタリング向けのハイエンドSoCに至る幅広いデバイスに、同じプログラミング環境で対応できます。こうした多用途性により、開発工数を削減し開発期間を短縮できるため、市場競争力を大幅に強化することができます」

 

シノプシス IPマーケティング担当副社長 John Koeterは次のように述べている。「ほとんどのマーケットで進展しているインテリジェント・システムでは膨大なデータを扱うため、エッジ・サイドで高速なディープラーニング・プロセスを実行できるチップの必要性が高まっています。DNNアクセラレータを搭載した新しいARC EV7x Vision Processor IPとEV7x向けの包括的なソフトウェア開発環境により、開発者の皆様は、最先端の車載システム、コンシューマ製品、モバイル端末向けSoCの開発で最高水準の動作性能と消費電力効率を達成することが可能となります」

 

ARC Processor Summit 2019

EV7x Vision Processorsならびに各種ARCプロセッサについての詳細は、各地で開催されるARC Processor Summitでご確認いただけます。

  • カリフォルニア州サンタクララ:2019年9月19日  ARC Processor Summit Silicon Valley

  • 台湾 新竹市:2019年10月16日 AIoT Summit Taiwan

  • 中国 北京市:2019年11月13日 ARC Processor Summit China

  • 東京:2019年11月19日 ARC Processor Summit Japan

 

提供可能時期ならびに関連情報

ARC EV7x Embedded Vision Processors、14,080のMACを実装可能なDNNアクセラレータ・オプション、MetaWare EV Development Toolkitは、主要顧客向けに2020年の第一4半期に提供開始を予定している。3,520 MAC対応のDNNアクセラレータ・オプションは既に提供を開始している。

 

DesignWare IPについて

シノプシスは、システムオンチップ向けの高品質かつシリコン実証済みIPのリーディング・プロバイダである。シノプシスの多岐にわたるDesignWare IP群は、ロジック・ライブラリ、組込みメモリー、組込みテスト、アナログIP、有線・無線通信向けインターフェイス(業界標準プロトコル)IP、セキュリティIP、組込みプロセッサ・コアとそのサブシステムで構成されている。IPに関連するソフトウェア開発とハードウェア/ソフトウェア統合を容易にするため、シノプシスのIP Acceleratedイニシャティブは、IPプロトタイピング・キット、IP向けソフトウェアの開発キット、IPサブシステムを提供している。DesignWare IPは、信頼性の高い開発手法、品質確保のための巨額の投資の所産であるだけでなく、包括的な技術サポートとともに提供されているため、設計者は、IPのSoCへの統合リスクを最小化し、最終製品の市場投入までにかかる期間を短縮することができる。

詳細情報はhttps://www.synopsys.com/ja-jp/designware-ip.htmlより入手可能。

 

シノプシスについて

Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、ソフトウェア品質/セキュリティ・ソリューションの分野でも業界をリードしており、世界第15位のソフトウェア・カンパニーとなっている。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、最高レベルの品質とセキュリティが要求されるアプリケーション・ソフトウェアの開発者に、高品質で信頼性の高い革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。

詳細情報は、https://www.synopsys.com/ja-jpより入手可能。

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Synopsysは、Synopsys, Inc.の登録商標または商標です。

その他の商標や登録商標は、それぞれの所有者の知的財産です。

 

<お問い合わせ先>

 

日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充

TEL: 03-6746-3940                  FAX: 03-6746-3941