ニュースリリース - 2024年1月16日

シノプシス、アンシスを買収
シリコンtoシステム設計ソリューションのリーディング・カンパニーへ

概要

  • 半導体設計テクノロジとシミュレーション/解析のリーディング・カンパニーを統合し、AIを活用したエレクトロニクスと物理学の融合という顧客ニーズに対応

  • シノプシスのEDA分野と、隣接する新たな成長市場でのシリコンtoシステム戦略を強化/加速

  • シノプシスが対応可能な市場規模(TAM)を1.5倍の約280億ドルに拡大、年平均成長率11%*1で成長

  • 高成長、高収益、経常収益を実現、買収後初年度のNon-GAAPベースの営業利益率は最大125ベーシス・ポイント、フリー・キャッシュフロー・マージンは最大75ベーシス・ポイント拡大する見込み

  • 買収完了後2年目の通期でnon-GAAPベースの1株当たり純利益が増加し、その後も更に大幅な増加が見込まれる*2

*1  2023年度から2028年度までの年平均成長率。

*2  買収完了後2年目の通期ではコスト・シナジーのみ、それ以降はコストと収益のシナジーを含めて大幅な増収が見込まれる。

 

2024年1月16日 カリフォルニア州サニーベールおよびピッツバーグ発 - シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)とアンシス(Ansys, Inc.、NASDAQ: Nasdaq上場コード:ANSS)は本日、シノプシスがアンシスを買収することで最終契約を締結したと発表した。本契約に基づき、アンシスの株主はアンシス株式1株につき現金197.00ドルとシノプシス普通株式0.345株を受け取ることになる。2023年12月21日*3のシノプシス普通株式の終値に基づき、企業価値約350億ドルで、シノプシスはアンシスを買収することになる。シノプシスが業界に先駆けて提供している半導体電子設計自動化(EDA)ソリューションと、アンシスの幅広いシミュレーション/解析ソリューションを組み合わせることで、シリコンからシステムまでの設計ソリューションのリーディング・カンパニーが誕生することになる。

*3 本件に関するメディアの憶測が出る前の最後の取引日。

 

シノプシス 社長兼CEO  Sassine Ghaziは次のように述べている。「AI、シリコンの普及、ソフトウェア制御によるシステムといったメガトレンドにより、システム全体の複雑性が増加する中で、より高い演算性能と効率性が要求されるようになっています。シノプシスが業界をリードするEDAソリューションと、アンシスの世界トップクラスのシミュレーション/解析能力を組み合わせることで、シリコンtoシステム・アプローチをシームレスに統合した総合的でパワフルなイノベーションを実現し、幅広い業界のテクノロジ研究開発チームの能力を最大限に引き出すことができます。今回の合意は、7年間にわたるアンシス社との良好なパートナーシップを次のステップに進めるものです。Ajei氏ならびに有能なアンシス・チームと緊密に協力し、両社の統合がお客様/株主/従業員にとってのメリットを実現することを楽しみにしています」

 

シノプシス 執行会長兼創業者 Aart de Geusは、次のように述べている。「37年前の創業以来、シノプシスはイノベーションのパイオニアとして、コンピューティング、ネットワーキング、モビリティの分野で世界を変える半導体の進歩の中心的存在であり、現在は“パーベイシブ・インテリジェンス”の新時代の実現をリードしています。長年のパートナーシップで親密なアンシス社との今回の合意は、シノプシスがいかに最先端を走り続けているかを示す最新の事例です。当社の取締役会と経営陣は、急成長するエレクトロニクスとシステム設計の新しい潮流をリードし、勝ち抜くための戦略オプションを慎重に検討しました。テクノロジの幅を広げるアンシス社との融合は、当社、株主、そして当社がサービスを提供している革新的なお客様にとって理想的であり、価値を高める一歩です」

 

アンシス 社長兼CEO Ajei Gopalは、次のように述べている。「50年以上にわたり、アンシスは想像力によってのみ制限される最先端の製品をお客様が設計/開発/提供可能にしてきました。シノプシス社と手を組むことで、お客様のイノベーションを新たなレベルに進めていくための共同の取り組みをさらに強化することができます。業界に変化をもたらす今回の融合により、両社の補完性の高い機能が統合され、今日のエンジニアの進化するニーズに対応し、製品の性能に関するこれまでにない洞察が得られるようになります。年間契約額の第四4半期の速報値が報告書の上限を上回る見込みであることからも分かるように、アンシスは強固な基盤を有しており、シノプシス社との協業の強化によって、お客様/パートナー各社/株主の皆様にさらに大きな価値をお届けできるものと確信しています。統合後は、共同ポートフォリオの開発を加速し、より高度なイノベーションを実現することで、アンシスの既存のお客様にも利益をもたらすことができるでしょう。私は、アンシスとお客様の成功のために社員が日々努力していることを誇りに思うと同時に、統合会社がこの次の章においてさらなる高みを目指すことを楽しみにしています」

 

確たる論理的根拠と大きな価値創造

  • お客様の要求に応えるための最先端機能の融合

今日の複雑なインテリジェント・システムには、半導体の設計とシミュレーション/解析を統合し、相互接続されたソリューションが実環境で適切に機能することが求められている。シノプシスのEDAテクノロジとアンシスの実績豊富なシミュレーション/解析機能を組み合わせることで、お客様に包括的で強力な、システムにフォーカスしたイノベーションの実現手段を提供することができる。半導体業界以外のお客様も含め、アンシスのすべてのお客様は、イノベーションを促進する包括的な製品/テクノロジ・ポートフォリオを利用できるというメリットを享受できる。

  • 意義深い隣接事業領域での戦略と成長を加速

シノプシスとアンシスは、補完性の高い事業と大きな成長機会を有している。両社の統合により、シノプシスのシリコンtoシステム戦略は、中核となるEDA分野だけでなく、アンシスが存在感を持ち市場開拓経験が豊富な自動車/航空宇宙/産業などの成長余地の大きな隣接分野においても強化される。

  • 相補的な適合

シノプシスとアンシスは、2017年以来パートナーシップを成功裏に拡大しており、誠実さ、卓越した実行力、お客様のエンパワーメントを基盤とする企業文化を共有している。両社の補完性の高いソリューションを組み合わせることで、より広範で深く統合されたソフトウェア・ツール群をお客様に提供し、最も困難な設計課題を解決するとともに、複雑なシステムのモデルベース解析を通じて貴重な知見を得ることができるようになる。

  • 対応可能な総市場を大幅に拡大

シノプシスの対応可能な市場規模(TAM)は、1.5倍の約280億ドルに拡大する見込みである。エレクトロニクスと物理学の融合の必要性を加速させるメガトレンドにより、このTAMの合計は年平均成長率*4約11%で成長する見込みである。

  • シノプシスの強固な財務状況と業績見通しを強化

統合によりシノプシスの財務基盤は強化される。統合後のシノプシスは、業界をリードする2桁成長を継続し、これはTAMの成長を上回ることが期待される。統合後の初年度は、シノプシスのnon-GAAP営業利益率が約125ベーシス・ポイント、フリー・キャッシュフロー・マージンは約75ベーシス・ポイント拡大する見込みである。両社の統合により、買収後2年目にはnon-GAAPベースの1株当たり純利益が上昇し、その後も大幅な上昇を見込んでいる。

  • 迅速なレバレッジ解消を支える強固なバランスシート

統合会社は、大幅かつ持続的なフリー・キャッシュ・フローを創出し、合併後2年以内に調整後EBITDAに対する有利子負債を2倍未満、長期レバレッジ目標を1倍未満まで下げ、急速に債務圧縮(レバレッジ解消)させることができる。シノプシスは、旺盛なキャッシュ・フロー創出と迅速なレバレッジ解消へのコミットメントにより、投資適格格付の維持を見込んでいる。

  • コストと収益のシナジー効果

統合会社は、買収後3年目までに約4億ドルのランレート・コスト・シナジー、買収後4年目までに約4億ドルのランレート収益シナジーを達成し、長期的には年間約10億ドル以上のシナジー効果を見込んでいる。

*4  2023年度から2028年度までの年平均成長率。

 

取引条件

2023年12月21日時点のシノプシス普通株式の終値$559.96に基づく1株当たり想定対価390.19ドルは、2023年12月21日*5のアンシス株価の終値に対して約29%、同日までの60日間の出来高加重平均株価に対して約35%のプレミアムとなる。本契約に基づき、アンシスの株主は統合会社の株式を資産ベースで約16.5%保有することになる。

シノプシスは、190億ドル*6の現金対価を手元資金と借入金を組み合わせて調達する予定である。残り160億ドルに関しては、フル・コミットメントによる資金調達済みである。

この買収は、アンシスの株主による承認、必要な規制当局の承認、その他慣習的な買収完了条件に従い、2025年前半に完了する予定である。

*5 本件に関するメディアの憶測が出る前の最後の取引日。
*6 アンシスの既存債務の借り換えおよび取引費用を含む。

 

アドバイザー

Evercoreがシノプシスの財務アドバイザーを、Cleary Gottlieb Steen & Hamilton LLPが法務アドバイザーを務めている。Qatalyst Partners LPがアンシスの財務アドバイザーを、Skadden, Arps, Slate, Meagher & Flom LLPとGoodwin Procter LLPが法務アドバイザーを務めている。

 

コンファレンス・コール

両社は、2024年1月16日午前8時30分(米国東部時間)より、共同でカンファレンス・コールを開催し、今回の発表について説明する。800-245-3047(国内)または203-518-9765(国際)にダイヤルし、カンファレンスIDとしてSYNOPSYSと入力すれば、カンファレンス・コールに参加できる。

ライブ・ウェブキャストは、https://join.eventcastplus.com/eventcastplus/Synopsys-Inc-Special-Event-Conference-Callより参加可能。コンファレンス・コールの再生も可能。

 

シノプシスについて

Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、業界で最も広範囲をカバーしたアプリケーション・セキュリティ・テスティング・ソリューションならびにサービスを提供しているS&P 500カンパニーである。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、よりセキュアでハイ・クオリティなコードを開発しているソフトウェア開発者に、革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。

詳細情報は、https://www.synopsys.com/ja-jpより入手可能。

 

アンシスについて

当社のミッション: 人類の進歩を促進するイノベーションに力を™

Ansysのシミュレーションは、ビジョナリーカンパニーが世界を変える革新的アイデアを、設計から現実のものにするために活用されています。50年以上にわたり、Ansysのソフトウェアは、様々な業界のイノベーターがシミュレーションの予測能力を活用して、限界を越えることを可能にしてきました。持続可能な輸送手段から高度な半導体まで、衛星システムから救命医療機器まで、Ansysは人類の進歩における次なる大きな飛躍の原動力となります。

Ansys、ならびにANSYS, Inc.のすべてのブランド名、製品名、サービス名、機能名、ロゴ、標語は、米国およびその他の国におけるANSYS, Inc.またはその子会社の商標または登録商標です。その他すべてのブランド名、製品名、サービス名、機能名、または商標は、それぞれの所有者に帰属します。

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Synopsysは、Synopsys, Inc.の登録商標または商標です。

その他の商標や登録商標は、それぞれの所有者の知的財産です。

 

<お問い合わせ先>

 

Synopsys Media Relations

Email:Corp-pr@synopsys.com

FGS Global (for Synopsys):synopsys@fgsglobal.com

 

Ansys Media Relations

Email:MaryKate.Joyce@ansys.com

Joele Frank, Wilkinson Brimmer Katcher (for Ansys):media-ansys@joelefrank.com

 

Synopsys Investor Relations

Trey Campbell:Synopsys-ir@synopsys.com

 

Ansys Investor Relations

Kelsey DeBriyn:kelsey.debriyn@ansys.com