ニュースリリース - 2018年5月31日

シノプシス、エンベデッド・ビジョン・システム向けアプリケーション・ソフトウェアの開発を効率化するARC MetaWare EV Development Toolkitをリリース

ツール改善により、ニューラル・ネットワーク・グラフのDesignWare EV6x Vision Processor IPへのマッピングに必要なコンピューティング・パワー、メモリー、バンド幅を削減

 

概要

  • シノプシスのEV6x Embedded Vision Processor向けに、最新のビジョン規格に基づくソフトウェアを開発するための包括的な統合開発環境を提供するDesignWare® ARC® MetaWare EV Development Toolkit

  • コンピューティング・パワー、メモリー、バンド幅を削減するオプション機能と、EV6xプロセッサへのニューラル・ネットワーク・グラフの自動マッピング機能を提供

  • 最新のOpenVX 1.2仕様に適合した最適化済みカーネルとランタイム環境によりエンベデッド・ビジョン・アプリケーション・コードの開発が容易化

 

2018年5月31日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、エンベデッド・ビジョン・プロセッサ・ファミリー DesignWare ARC EV6x向けアプリケーション・ソフトウェア開発にかかる期間を短縮する統合開発環境 DesignWare ARC MetaWare EV Development Toolkitの提供を開始すると発表した。ARC MetaWare EV Development Toolkit最新バージョンには、プログラミング効率を向上させるための様々な機能改善が施されており、EV6xプロセッサのへテロジーニアスなプロセッシング・エレメントに畳込みニューラル・ネットワーク・グラフをマッピングするのに必要なコンピューティング・パワーやメモリーならびにバンド幅を、グラフ精度を犠牲にすることなく削減することができる。また、ディープラーニング・フレームワークのCaffeならびにTensorflowと、8ビット/12ビット精度でトレーニングされたCNNグラフをともにサポートしている。さらに、最先端のグラフ圧縮ならびにランタイム・フィーチャー・マップ圧縮/解凍機能も提供しているため、消費電力を削減しつつ性能を向上させることができる。

 

ARC MetaWare EV Development Toolkitは、エンベデッド・ビジョン標準であるOpenVXTMベースのEV6x向けプログラムを開発する環境を提供、C/C++コンパイラやベクトル化コンパイラ OpenCL Cも提供する。EV6xプロセッサ上での実行に最適化されたOpen VXカーネルも提供しており、Khronos GroupのOpenVX 1.2規格準拠性テストに合格するための業界初のハードウェア/ソフトウェアベース開発プラットフォームとなっている。OpenVXフレームワークは、EV6xのスカラー/ベクターDSPやCNNエンジンユニットをまたぐカーネル実行オブジェクトを自動的にロードすることにより、EV6xプロセッサ向けプログラミングを容易にする。OpenCL Cコンパイラは、スカラー・カーネルをプロセッサのベクターDSP上で実行するSIMD(Single Instruction Multiple Data)命令に変換することにより、データレベルでの並列処理の実行を可能とする自動ベクター化機能(WFV:whole function vectorization)を提供している。MetaWare EVコンパイラは、512ビット幅のベクターDSPのすべてのプログラム可能な機能をサポートする。

 

アプリケーション・ソフトウェアの早期開発を促進するため、ARC MetaWare EV Development Toolkitは、EV6xプロセッサ・ファミリー向けの命令セット・シミュレータも提供している。またVirtualizer Development Kit(VDK)も提供しているため、EV6xプロセッサと接続するホスト・プロセッサ・モデルやCNNエンジンのシミュレーション・モデルなどからなるシステム全体の仮想プロトタイプを活用することもできる。これにより、より完全なシステムに近い環境でアプリケーション・ソフトウェア開発をプロジェクト早期に開始できる。必要なツールやライブラリが完全に揃っているため、ソフトウェア開発者は、開発対象のエンベデッド・ビジョン・システムを効率的に構築/デバッグ/プロファイリング/最適化することができる。

 

シノプシス IPマーケティング担当副社長 John Koeterは次のように述べている。「生産性を高められる開発ツール群は、エンベデッド・ビジョン・アプリケーション開発の基盤となる部分であり、開発業務を短期化するためには業界標準に則した最先端のツールや関連ソフトウェアの存在が不可欠です。今回の新しいARC MetaWare EV Development Toolkitは、開発者の皆様に、CNNフレームワークを始めエンベデッド・ビジョン・アプリケーション開発に欠くことのできないツールセットをご提供する完全な統合開発環境です。これにより、DesignWare ARC EV6xプロセッサ・ベースの製品をより短期間で市場投入することが可能となります」

 

提供可能時期

Windows/Linunxマシン上で使用できるDesignWare ARC EV6xプロセッサ向けARC MetaWare EV Development Toolkitの2018バージョンは、2018年6月の提供開始を予定している。

 

DesignWare IPについて

シノプシスは、システムオンチップ向けの高品質かつシリコン実証済みIPのリーディング・プロバイダである。シノプシスの多岐にわたるDesignWare IP群は、ロジック・ライブラリ、組込みメモリー、組込みテスト、アナログIP、有線・無線通信向けインターフェイス(業界標準プロトコル)IP、セキュリティIP、組込みプロセッサ・コアとそのサブシステムで構成されている。IPに関連するソフトウェア開発とハードウェア/ソフトウェア統合を容易にするため、シノプシスのIP Acceleratedイニシャティブは、IPプロトタイピング・キット、IP向けソフトウェアの開発キット、IPサブシステムを提供している。DesignWare IPは、信頼性の高い開発手法、品質確保のための巨額の投資の所産であるだけでなく、包括的な技術サポートとともに提供されているため、設計者は、IPのSoCへの統合リスクを最小化し、最終製品の市場投入までにかかる期間を短縮することができる。

詳細情報はhttps://www.synopsys.com/designwareより入手可能。

 

シノプシスについて

Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、ソフトウェア品質/セキュリティ・ソリューションの分野でも業界をリードしており、世界第15位のソフトウェア・カンパニーとなっている。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、最高レベルの品質とセキュリティが要求されるアプリケーション・ソフトウェアの開発者に、高品質で信頼性の高い革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。

詳細情報は、https://www.synopsys.com/ja-jpより入手可能。

 

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<お問い合わせ先>

 

日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充

TEL: 03-6746-3940                  FAX: 03-6746-3941