ニュースリリース - 2019年9月30日

シノプシス、設計手戻りのないサインオフ・ドリブン・デザイン収束を可能にするPrimeECOを発表

サインオフ・プロセスへのフィジカル・インプリメンテーション・テクノロジのネイティブ統合により、10倍高速なデザイン収束が一台のマシンで実現

 

概要

  • コンピューティング・リソースの予測/管理機能も搭載したマシンラーニング・ベースの新しいHybrid Timing Viewにより、サインオフ・シナリオ数の制限を受けることなく一台のマシンでデザイン収束が可能に

  • Fusion Design PlatformTM と共通のデータモデルにより、サインオフ環境での配置/配線/RC抽出の追加実行が可能となり、設計のイタレーションを引き起こすことなくサインオフ・プロセスが終了

  • 設計画面へのタイミング・サインオフ解析結果のオーバーレイ表示や、ユーザー独自の最適化スクリプトの挿入を可能にする独自のグラフィカル・ユーザー・インターフェイス

  • 業界標準のタイミング解析サインオフ・ソリューション PrimeTime®の解析結果を活用できる業界唯一のデザイン収束ソリューション

 

2019年9月30日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、設計イタレーション無しでのサインオフ終了を実現できる業界初のサインオフ・ドリブン設計ソリューション PrimeECOを発表した。サインオフ収束は、デジタル・デザイン・インプリメンテーション工程の中で、最も困難なプロセスの一つとなっている。最先端ノードでのフィジカル設計の複雑化やサインオフ・シナリオの急激な増加などを背景に、最悪の場合、設計工程の中の50%を占めることもある。PrimeECOは、サインオフ・シナリオを無制限かつ効率的に管理できる機能と、配置/配線/各種サインオフの追加実行が可能な拡張性を統合したソリューションであり、SoC設計者は、インプリメンテーション工程とサインオフ工程の間で発生して開発コスト増加要因となる設計イタレーションを根絶し、設計生産性を10倍向上させることができる。

 

PrimeECOには、サインオフ解析に必要となるコンピューティング・リソースと、達成しなければならないタイミング解析精度の最適なバランスをとることによって、サインオフ・シナリオの増加に対処するマシンラーニング・ベースの革新的なHybrid Timing Viewテクノロジが搭載されている。効率的なスタティック表示を用いて、高い解析カバレッジを実現しなければならないタイミング・シナリオに対する解析結果の可視性を完全に確保しつつ、PrimeTimeのタイミング・サインオフ・エンジンを使って、非常に高い解析精度が求められるタイミング・シナリオのリアルタイム解析を実行できる。Hybrid Timing Viewテクノロジの高効率な処理により、一台のマシンで数千ものタイミング・シナリオの解析を実行することができるため、必要とされる解析カバレッジを膨大なコンピューティング・リソースを使って達成するといったケースを根絶することができる。

 

設計イタレーションを回避するため、PrimeECO は、Fusion Design Platform上に構築されている。Fusion Design Platformは、世界初のクラウド対応AIベース設計プラットフォームであり、シノプシスが業界をリードする各種ソリューションのテクノロジを用いて、配置/配線/RC抽出/フィジカル検証/各種サインオフ解析を直接実行することができる。具体的には、配置配線ソリューション IC CompilerTM II、RTL-to-GDSII 設計ソリューション Fusion CompilerTM、フィジカル検証サインオフ・ソリューション IC Validator、RC抽出サインオフ・ソリューション StarRCTM、スタティックタイミング解析サインオフ・ソリューション PrimeTime、パワー解析サインオフ・ソリューション PrimePower、歩留まり解析ソリューション PrimeYieldのテクノロジである。PrimeECOが提供する単一のデザイン収束コックピットを通じて、あらゆる設計変更(ECO)の完全な実行ならびに検証だけでなく、配置/配線/タイミングの同時最適化のために新たな方策を講じることも可能となるため、既存のデザイン収束手法では不可能とされてきたような消費電力/性能/面積(PPA)も実現することができる。

 

この業界初のソリューションPrimeECOは、業界標準のDEF(Design Exchange Format)やFusion Design Platformを用いて革新的な製品開発を行っている全ての設計者に向けて提供する設計ソリューションである。独自のグラフィカル・ユーザー・インターフェイスで直感的に操作できる設計コックピットを通じて、デザイン上にHybrid Timing Viewをオーバーレイ表示して最終的な修正確認を行ったり、オープン・データベース・インターフェイス経由でユーザー独自の最適化スクリプトを挿入することもできる。

 

シノプシス エンジニアリング担当上級副社長 Jacob Avidanは次のように述べている。「チップ・デザインは複雑化の一途をたどっており、サインオフ・シナリオも急増しているため、最先端の開発を行ってらっしゃるお客様は、常にデザイン収束の壁に直面しておられます。ゴールデン・サインオフ環境に主要な配置配線テクノロジを統合したPrimeECOのご提供により、こうした設計者の皆様に、サインオフ収束までに繰り返される設計イタレーションを排除できるブレイクスルー・ソリューションをお届けします。この統合機能と、一台のマシンでの効率的な処理を可能にするマシンラーニング・ベースのHybrid Timing Viewテクノロジの組み合わせにより、PrimeECOは、ゲーム・チェンジングなソリューションとなっています。当社は、お客様と共に、難易度の高い今日のサインオフ・ドリブン・デザイン収束に立ち向かってまいります」

 

提供可能時期ならびに関連情報

PrimeECOは、2019年12月のSynopsys 2019.12リリースにて提供開始を予定している。

PrimeECOの詳細は、下記より入手可能。

https://www.synopsys.com/implementation-and-signoff/signoff/primeeco.html

 

シノプシスについて

Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、ソフトウェア品質/セキュリティ・ソリューションの分野でも業界をリードしており、世界第15位のソフトウェア・カンパニーとなっている。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、最高レベルの品質とセキュリティが要求されるアプリケーション・ソフトウェアの開発者に、高品質で信頼性の高い革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。詳細な情報は、https://www.synopsys.com/ja-jpより入手可能。

 

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<お問い合わせ先>

日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充

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