ニュースリリース - 2021年9月13日

シノプシスのPrimeSim Reliability Analysisソリューションが、 様々な機能を高度に集約したミッションクリティカルなSoCの開発期間を短縮

ファウンダリ認証済みのフル・ライフサイクル信頼性解析サインオフにより、車載、航空宇宙、防衛、医療、5Gなどのシステムに向けたSoCの過剰設計や、コスト増加要因となる開発後期段階でのECOを防止

 

概要

  • 実績豊富なテクノロジを統合したワークフローにより、製品ライフサイクルを通じたISO 26262等の規格準拠のハイパフォーマンス信頼性解析機能を提供
  • PrimeSim™ Continuumソリューションとの統合により、エレクトロマイグレーション(EM)/IRドロップ解析、MOS経年劣化解析、高シグマ・モンテカルロ解析、アナログ・フォルト解析、その他の信頼性解析で業界をリードする各種シミュレータをシームレスに活用
  • 設計環境のPrimeWave™ との統合により、脆弱性解析、解析結果の視覚化、what-if解析を容易化する一貫した信頼性解析フローを実現

 

2021年9月13日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、複数の半導体開発企業が、様々な機能を高度に集約したミッションクリティカルなシステム向けSoCの信頼性コンプライアンス達成にかかる期間を短縮するするために、シノプシスの新ソリューション PrimeSim Reliability Analysisを採用したことを発表した。PrimeSim Reliability Analysisソリューションには、アナログ/ミックスドシグナル/フルカスタム・デザイン向けの実績豊富なファウンダリ認証済み信頼性解析テクノロジが統合されている。

PrimeSim Continuumソリューションとの統合により、業界をリードする各種シミュレーション・テクノロジや解析テクノロジを提供し、半導体製品のライフサイクルを通じた信頼性解析手法の確立を加速する。製品ライフサイクルの初期段階、通常稼働段階、終期段階を想定した徹底した信頼性評価が可能となる事により、製品開発の後期段階でのECO工程や欠陥見逃しによる開発コスト増加を抑制できる。また、複雑化を極める車載、航空宇宙、防衛、医療、5Gなどのシステム向けの各種SoCに固有の次世代アーキテクチャに最適なシリコンを実現することにより、機能安全、信頼性、全体性能を改善することができる。

 

シノプシス カスタムデザイン&マニュファクチャリング・グループ 上級副社長 Raja Tabetは次のように述べている。「様々な機能を高度に集約したミッション・クリティカルな今日のSoCの開発にあたっては、包括的な電気特性上あるいは製造上の信頼性解析や耐熱性評価といった課題に対応できるより全体的な開発手法が不可欠です。PrimeSim Reliability Analysisソリューションは、高度な信頼性を持つSoCを実現するための開発手法を再考し、機能安全性/信頼性解析の手法を業界に先駆けてご提供します。PrimeSim Continuumソリューションの一部をなすPrimeSim Reliability Analysisソリューションにより、半導体製品ライフサイクル全体を通じた信頼性解析サインオフが加速し、より短期間での製品市場投入と開発効率向上が実現します」

 

全体的かつ総合的なハイパフォーマンス信頼性検証

車載、航空宇宙、医療などの様々な分野のシステムを担うミッションクリティカルなSoCにとっては、機能安全性や信頼性が最重要の要件となっている。こうした分野では、10億分の1(DPPB:defective parts per billion)以下という極めて低い欠陥率、ISO 26262等の厳格な業界規格に準拠した安全性、厳しい動作環境での長期間の通常稼働を可能にする高度な信頼性が求められるからである。1つのSoC上には非常に多岐にわたる機能が搭載され、1つのシステムインパッケージ(SIP)内には異なるプロセス・ノードのデザインが混載される時代となっており、こうしたSoCやSIPの実現にあたっては、これまでとは次元の異なる解析手法が求められる。

 

PrimeSim Reliability Analysisソリューションには、実績豊富なマシンラーニング・テクノロジが搭載されており、高シグマ値のリーフセル・キャラクタライゼーション、スタティック回路チェック、パワー/シグナル・インテグリティ解析、EM/IRドロップのサインオフ解析、MOS経年劣化解析、アナログ・フォルト・シミュレーションによる機能安全性/テストカバレッジ解析を非常に高速に実行することができる。PrimeSim Reliability Analysisテクノロジは、TSMC社のプロセス認証、ならびにサムスン社、インテル社、グローバルファウンダリ社の認定を受けており、高い結果品質と高速実行性能を両立させたソリューションとなっている。

 

製品ライフサイクルの初期段階、通常稼働段階、終期段階で起こりうるシナリオに則した総合的な信頼性検証を実行できるPrimeSim Reliability Analysisは、安全性と信頼性の高い多機能集約デザインを実現したいという業界のニーズに応えることができるソリューションとなっている。また、シノプシスのSilicon Lifecycle Management Platformソリューションとの連携により、ポスト・シリコンの信頼性モニタリング、解析、対策も可能となる。

 

PrimeSim Reliability Analysisに搭載されている解析テクノロジは、ISO 26262 TCL-1認証済みのシノプシス Custom Design Platformの構成要素であり、ASIL D水準の安全性が求められるシステムの機能安全性検証にも安心して用いることができる。さらに、PrimeSim Continuumソリューションに設計環境を提供しているPrimeWaveとの統合により、各種の検証プロセスをシームレスに実行可能となっており、各プロセスで一貫したシミュレーション・マネージメント、脆弱性解析、解析結果の視覚化、what-if解析を行うことができる。これら全てのテクノロジは、代表的なパブリック・クラウド・プラットフォーム上で最適化され一体化したクラウド・レディー・ソリューションとして提供されている。

 

ユーザー・コメント

Dialog Semiconductor社(ルネサス エレクトロニクス株式会社の完全子会社):

カスタム&ミックスドシグナル・ビジネスグループ 上級副社長兼ジェネラル・マネージャー Vivek Bhan氏は次のように語っている。「PrimeSim Reliability Analysisソリューションのアナログ回路チェックテクノロジを活用することにより、開発の初期段階で当社のアナログIPに潜む重大な問題個所を特定することが可能となり、信頼性サインオフ解析に要する期間を短縮できました。またシノプシス社が提供してくれた迅速な技術サポート、特にカスタム回路チェック手法の開発サポートも高く評価しています。今後の協業が楽しみです」

 

TDK-Micronas GmbH:

R&D担当副社長 Dr. Mario Antonは次のように語っている。「車載SoCは、先進運転支援システム(ADAS)、ブレーキ/ステアリング・システムなどの命に係わる様々な機能の動作を制御しなければならないため、高次元の機能安全性を確保するためには、システマティックな故障モード影響診断解析(FMEDA:Failure Modes Effects and Diagnostics Analysis)が不可欠です。PrimeSim Reliability Analysisソリューションのアナログ・フォルト・シミュレーション・テクノロジは、高い実行性能、カスタマイズ可能なフォルト・モデル、オープンなフォルト・データベースを提供してくれるため、当社の開発陣は、FMEDAメトリックスの分析が容易になり、車載SoC全体のISO 26262準拠性検証も容易になりました」

 

STMicroelectronics 社:

シニア・ディレクター Shamsi Azmi氏は次のように語っている。「長期にわたる稼働に耐えうる高度な信頼性の確保は、特に車載や航空宇宙などのシステム向けSoCでは、非常に重要な課題です。PrimeSim Reliability Analysisソリューションが提供してくれるエレクトロマイグレーション解析テクノロジは、非常に使い易いだけでなく、SoCの性能向上にも非常に有効で、当社ではアナログIPの解析に幅広く活用しています。当社は、PrimeSim Reliability AnalysisソリューションのMOS経年劣化解析機能やPrimeSim XAのモンテカルロ解析テクノロジを活用したバリエーション考慮の洗練された経年劣化解析フローの開発で、シノプシス社と緊密な協業を重ねてまいりました、これにより、当社のメモリーやアナログ/ミックスドシグナルIPの長期信頼性を向上させることが可能となりました」

 

AMD社:

コーポレート・バイス・プレジデント Mydung Pham氏は次のように語っている。「要求の厳しい今日の高性能コンピューティング機器、データセンター機器、モバイル機器向けSoCのスタンダード・セル・ライブラリの構造安定性を確かなものとするためには、高シグマ値のモンテカルロ解析の実行が不可欠です。PrimeSim Reliability Analysisソリューションが提供している最先端のバラツキ解析テクノロジは、PrimeSim HSPICEとの連携により、総当たり的なモンテカルロ解析を実行する場合と比べて数分の一の実行時間で4~7シグマのキャラクタライゼーションを可能にしてくれます。当社のライブラリ・キャラクタライゼーションには、このソリューションを活用しています。その他の分野に向けたSoCにも、このソリューションの活用を拡げていくためシノプシス社との協業を継続してまいります」

 

提供可能時期ならびに参考情報

PrimeSim Reliability Analysisソリューションは、既に提供を開始している。詳細な情報は下記より入手可能。

https://www.synopsys.com/ja-jp/implementation-and-signoff/ams-simulation/primesim-reliability-analysis.html  

 

シノプシスについて

Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、業界で最も広範囲をカバーしたアプリケーション・セキュリティ・テスティング・ソリューションならびにサービスを提供しているS&P 500カンパニーである。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、よりセキュアでハイ・クオリティなコードを開発しているソフトウェア開発者に、革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。

詳細情報は、https://www.synopsys.com/ja-jpより入手可能。

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<お問い合わせ先>

 

日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充

TEL: 03-6746-3940