ニュースリリース - 2022年6月16日

TSMC N6RFプロセス向けのシノプシスの新しいRF設計フローにより5G SoCの設計生産性が向上

シノプシス、アンシス、キーサイトのソリューションを緊密に統合した高品質なRF IC設計フローにより6nmワイヤレス・システムの消費電力/性能の最適化効率が向上

 

2022年6月16日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 –シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、複雑化するRF IC設計の課題を解決するため、アンシス社、キーサイト社と共同で、TSMC N6RFプロセス向けの新しいRF設計フローを開発したことを発表した。TSMC N6RFプロセスは、動作性能と電力効率を大幅に向上させる最先端のRF CMOSプロセス・テクノロジである。この新しい設計フローにより、5Gチップの消費電力/性能の最適化効率が向上し、製品の市場投入までにかかる期間を短縮することが可能となった。

 

TSMC社 デザイン・インフラストラクチャ・マネージメント 副社長 Suk Lee氏は次のように語っている。「次世代のワイヤレス・システム開発が直面する課題を解決するための当社とシノプシス社との最新の協業の成果により、開発者の皆様は、より高い接続性、より大きな伝送容量、より低いレイテンシ、より広い受信エリアを持つチップの開発を通じて、コネクティッド・ワールドに進化をもたらすことが可能となりました。シノプシス社、アンシス社、キーサイト社のツールを緊密に統合した高品質なRF設計ソリューションを用いたN6RFプロセス向けTSMC RF Design Reference Flowは、複雑化するRF ICの設計生産性を高める最新かつオープンな開発手法です」

 

シノプシスのRF設計ソリューションの詳細はhttps://www.synopsys.com/rf-design.htmlより入手可能。

 

次世代ワイヤレス・システムの接続性と伝送容量を向上させるソリューション
コネクティッド・ワールドの進化により、RFトランシーバーやRFプロントエンド・コンポーネントといったワイヤレス・データ伝送RF ICは、非常に複雑化している。次世代ワイヤレス・システムでは、デバイス間の接続性を高め、より大きな伝送容量、より低いレイテンシ、より広い受信エリアを実現することが求められている。こうした要求に応えるため、RF IC設計者は、RFパフォーマンスや電磁波の周波数帯域、波長、処理能力といったパラメータを精緻に測定する必要がある。

 

今回の新しいRF設計リファレンス・フローは、業界をリードする回路シミュレーションと設計効率、高精度な電磁界モデリングならびにエレクトロマイグレーション/IRドロップ解析により、開発にかかる期間を短縮する。このフローは、下記の各社のツールにより構成されている。

  • シノプシス
    設計/レイアウト・ツール Custom Compiler™、回路シミュレータ PrimeSim™、寄生抽出サインオフ・ツール StarRC™、フィジカル検証サインオフ・ツール IC Validator
  • アンシス社
    インダクタ/トランスフォーマ設計ツール VeloceRF™、最先端のナノメータ電磁界解析ツール RaptorX™ならびにRaptorH™、エレクトロマイグレーション/IRドロップ解析ツール Totem-SC®
  • キーサイト社
    電磁界シミュレータ PathWave RFPro

 

シノプシス エンジニアリング担当副社長 Aveek Sarkarは次のように述べている。「大きな差別化を実現した5Gシステム向けチップを開発可能にするため、シノプシスは、電磁界のシンセシス/寄生抽出/設計/レイアウト/サインオフ・テクノロジとシミュレーション・ワークフローを統合した堅牢なRF設計ソリューションをご提供してきました。当社とTSMC社とのディープな協業、アンシス社ならびにキーサイト社との強固なパートナシップを通じて、お客様各社では、TSMC社が提供する5Gシステム向けの最先端N6RFプロセス・テクノロジ向けにシノプシスのCustom Designソリューション・ファミリーが提供する先進の設計機能を最大限活用して、高い生産性でシリコン成功を達成可能となりました」

 

キーサイト社 PathWave Software Solutions 副社長兼ジェネラルマネージャー Niels Fache氏は次のように語っている。「RF回路設計者は、TSMCリファレンス・フローの中でシノプシス社のCustom Compilerと当社のPathWave RFProの相互運用がもたらす大きなメリットを享受できるようになりました。設計プロセスの早期段階で、電磁界コ・シミュレーションを実行するすることで、RF回路設計者は、5GやWiFi 6/6Eシステム向けの最先端チップならびにマルチ・テクノロジ・モジュールの寄生効果を最適化することができます。これにより、シミュレーション・ワークフローを数日間、場合によっては数週間も短縮でき、製品開発期間内で発生するコスト要因のリスピン・リスクを削減できます。当社とシノプシス社ならびにTSMC社との協業の成果により、お客様各社は、高性能なチップのシリコン一発完動に必要な設計ツールと最先端プロセス・テクノロジを活用可能となりました」

 

アンシス社 R&D担当副社長 Yorgos Koutsoyannopoulos氏は次のように語っている。「シノプシス社ならびにTSMC社と、RF ICデザインの最先端リファレンス・フローの開発で協業できたことを誇らしく思っています。ナノメータ・ノードで発生する最先端のプロセス効果と相まって、5Gさらに6G向けチップ開発で求められる高い性能を背景に、RF ICデザインの複雑性は大幅に高まっており、設計者は大きな壁に直面しています。電磁界ならびにエレクトロマイグレーション/IRドロップ解析により最先端のプロセス効果を高精度にモデリングすることは、動作条件がDCレベルから数十GHzの高周波に至る高度なRFチップのシリコン一発完動には不可欠となります。VeloceRF、RaptorX、Exalto、Totem-SCなどの当社ツールは、シノプシス社のCustom Compilerとシームレスに機能して、最先端プロセス効果を全てモデリングできる能力と、最も難易度の高いデザインに対処できる高度な設計容量をご提供します。このソリューションは、複数のRFデザイン・プロックの設計/最適化/検証を可能にする直感的で使い易いフローとなっています」

 

シノプシスについて
Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、業界で最も広範囲をカバーしたアプリケーション・セキュリティ・テスティング・ソリューションならびにサービスを提供しているS&P 500カンパニーである。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、よりセキュアでハイ・クオリティなコードを開発しているソフトウェア開発者に、革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。
詳細情報は、https://www.synopsys.com/ja-jpより入手可能。

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<お問い合わせ先>

 

日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充

TEL: 03-6746-3940