ニュースリリース - 2014年9月30日

ARMとシノプシス、最先端のARMv8-A、ARMv7-Aコア・ベース・デザインの開発品質向上と開発期間短縮に向けて協力関係を拡大

業界のリーディング・カンパニー2社による複数年の協業契約を通じて、シノプシス・ツール群を用いたARMベースSoCの設計と検証が加速

要旨

  • ARM® IPを用いたデザイン向けに最適化されたインプリメンテーション、検証、ソフトウェア開発ツール群とメソドロジの提供による顧客のメリット向上を目指し業界のリーディング・カンパニー 2社が協業
  • 今回の複数年契約により、シノプシスは、ARMv8-AならびにARMv7-AアーキテクチャのARM Cortex®プロセッサ、ARM MaliTM GPU、ARM CoreLinkTM システムIP、ARM Artisan® フィジカルIP、ARM POPTM IPに市場投入前の段階からアクセス可能に
  • 協業の成果は、Galaxyデザイン・プラットフォーム、Verification Continuumプラットフォーム(Verification Compiler、エミュレータ ZeBu、FPGAベース・ハードウェア・プロトタイピング・システム HAPS、Platform Architect MCO、Virtualizer Development Kits)に反映される


2014年9月29日 英国ケンブリッジならびにカリフォルニア州マウンテンビュー発 - 
ARM(ロンドン株式市場上場コード:ARM、Nasdaq上場コード: ARMH)とシノプシス(Nasdaq上場コード:SNPS)は、ARMベースのSoC開発のためのシノプシス・ツール群ならびにメソドロジの最適化に向けて、シノプシスによるARM IPの利用範囲を拡大するための複数年契約を締結した。これによりシノプシスは、ソリューション開発を加速するため、ARMv8-AならびにARMv7-AアーキテクチャのARM Cortexプロセッサ、グラフィックス・プロセッサ ARM Mali、ARM CoreLinkシステムIP、ARM Artisan フィジカルIP、ARM POP IPに市場投入前の段階からアクセス可能になる。ARMv7-Aプロセッサと関連IPに関して締結した2012年8月の契約を始めとする両社の20年以上に及ぶ協力関係を元に、両社はさらに協業を推し進め、シノプシスはARMベースのSoC開発のための設計フローとツール群の最適化を推進する。これにより、設計者は、開発コストと開発期間を削減しつつ、消費電力、性能、面積の目標の達成が可能になる。

ARM 上級副社長兼プロダクト・グループ社長 Pete Huttonは、次のように語っている。「当社は、シノプシス社と20年以上にわたって広範囲にわたる協業関係を継続し、両社共通のお客様各社が消費電力、性能、面積の目標を達成した上で、短期間で革新的な製品を確実に市場投入できるよう支援してまいりました。シノプシス社による当社最新IPへの早期アクセスと両社の緊密な協業の継続により、お客様のSoC設計/検証プロジェクトで力を発揮するジョイント・ソリューションが提供できるのです」

今回の協業により、シノプシスは、最適化されたシノプシス・ツール・スクリプトを開発し、ARMパートナー各社に提供できるようになり、またARM IPとシノプシス・ツール・フローを活用するためのトレーニングを提供できるようになる。シノプシスがARM IP市場投入前の段階からアクセス可能となることにより、最新のARMコアの早期適用企業各社は、設計プロジェクトを開始する段階で最適なツールとメソドロジが用意されていることになる。シノプシス・ツール群とARM IPが、最先端のFinFETプロセスから既に普及しているプロセスに至るさまざまなプロセス・テクノロジのメリットを活用できる最適化された設計フローにこれまで以上に緊密に統合されることにより、ウェアラブル製品、モバイル機器、ネットワーク関連機器、サーバー製品などさまざまなマーケットに向けた製品を開発している設計者は大きなアドバンテージが得られる。

両社の協業は、これまでもインプリメンテーション/ベリフィケーション・ソリューション、システム・アーキテクチャ開発ソリューション、ソフトウェア開発ソフトウェアを提供してきた実績があるが、今回の協業はこうした成功体験をさらに発展させ、最新のARM IPを使用する設計者にメリットを提供することを目的としている。ARMプロセッサ、ライブラリ、POP IPのReference Implementations(RIs)とシノプシスのGalaxyデザイン・プラットフォームのツール群を用いることにより、消費電力、性能、面積の最適化を実現できる。これらのRIsと最適化されたツールの組み合わせは、Cortex-A57 CPU、Cortex-A53 CPU、Mali-T760 GPUといった最先端のARM IPを使用する両社共通の顧客企業各社で既に多くのテープアウトを実現している。シノプシスの機能検証ソリューション VCSとエミュレータ ZeBuのユーザーは、ARMプロセッサの検証にあたって著しく向上したシミュレーション性能を得ることができ、またARM Cortexプロセッサのダイレクト・サポートによりシノプシスのデバッグ・ソリューション Verdiを用いたハードウェア/ソリューション・デバッグを実行できる。検証エンジニアは、開発中のSoC上でキャッシュ・コヒーレント・サブシステムの検証を行っており、最新のAMBA 5 CHIを始めとするARM AMBA®インターフェイス仕様をサポートするシノプシスの検証用IP(VIP)、ZeBuトランザクタ、Verdi Protocol Analyzerがもたらすメリットを最大限活用できる。ソフトウェア開発者は、ARMプロセッサ向けVirtualizer Development Kits(VDK)を使用して早期ソフトウェア開発を実現しており、システム・アーキテクトは、Platform Architect MCOを用いてARMベース・システムの消費電力と性能を開発段階の早期に行っている。また、システム設計者は、HAPSを用いてARM CPUやGPUのハードウェア/ソフトウェア統合やシステム・バリデーションを短期間で行っている。

設計者は、これらの設計ソリューションだけではなく、長年にわたりARMベース・デザインを成功に導いてきたシノプシスのCore Optimization Servicesからも大きなメリットを得ることができる。こうした成功実績の一例を、ARM、シノプシス、そして両社共通の顧客企業がARM TechConTM(10月1日~3日、シリコンバレーで開催)にて発表する。

シノプシス カスタマー・エンゲージメント部門 主席上級副社長 Deirdre Hanfordは、次のように述べている。「設計者の皆様は、IP業界とEDA業界のリーディング・カンパニー2社が展開する今回の協業から直接的なメリットを活用できます。ARM社との協業を通じて、我々はこれまでも多くの先進半導体企業各社の技術革新を支えてきました。この度の協業を通じて、我々は、ARM社の最先端のIPとシノプシスの新しいツール群ならびにメソドロジをベースにした設計/検証ソフトウェアを提供してまいります」

提供開始時期
Galaxyデザイン・プラットフォームとLynx Design SystemがサポートするARM Cortex-A15 CPU、Cortex-A7 CPU、Mali-T760 GPU、CoreLink CCI-400インターコネクトの最適化済みReference Implementationは、既に提供を開始している。Cortex-A53ならびにCortex-A57プロセッサのReference Implementationは、現在、早期適用顧客向けに提供しており、2014年10月の一般提供開始を予定している。ARM Cortex-A17とARMv8-AプロセッサのReference Implementationは、2014年の第四4半期の提供開始を予定している。

AMBA 5 CHI を始めとするAMBAプロトコルの検証用IPならびにProtocol Analyzerは、既に提供を開始しており、Verification Compilerの一部もしくは単独製品として提供されている。同じくAMBA 5 CHI を始めとするAMBAプロトコルのZeBuトランザクタのサポートも、既に提供中である。VerdiのCortexプロセッサ・サポートも既に開始している。
Cortex-A53 CPU、Cortex-A57 CPUを含めたARMv7 and ARMv8プロセッサのVDKも提供を開始している。

詳細情報
ARMとシノプシスの協業ならびにARM Powered製品をサポートするシノプシスのソリューションについての詳細は、http://www.synopsys.com/ARMより入手可能。
また、最新のARMプロセッサ・コア/ライブラリ/インターコネクトとインプリメンテーション/ベリフィケーション/システム・デザイン・ソリューションが実現した設計事例は、ARM TechCon(10月1日~3日、シリコンバレーで開催)にて、発表される。ブース(600番)でもテクニカル・セッションを開催する。ARM TechConで開催される技術セッションやデモに関する情報は、http://bit.ly/1uSR52Zより入手可能。

ARMについて
ARMは、世界中の高度なデジタル製品のコアとなる半導体設計資産(IP)とイネーブリング・テクノロジーをデザインしています。電力効率と拡張性に優れたARMのプロセッサは、スマートフォンやウェアラブル端末から、企業インフラやサーバ、車載/産業機器や「モノのインターネット(Internet of Things)」の組み込み技術まで、社会を変革するインテリジェンスを提供します。テクノロジーのライセンスを取得したパートナー各社によるARMプロセッサ搭載マイクロチップの出荷数は、1990年のARM設立以来、500億個にのぼります。ARMは、Connected Communityとともに、開発、設計、エンジニアリングにおける革新を促進し、大手エレクトロニクス・メーカーによる短期間で信頼性の高い製品化に貢献しています。Connected Communityへの参加はこちらから:http://community.arm.com

シノプシスについて
Synopsys, Inc. (Nasdaq上場コード:SNPS) は、グローバル・エレクトロニクス・マーケットでテクノロジ・イノベーションを展開している。そのソフトウェア製品、IP、技術サービスは、エンジニアが直面する設計/検証/システム開発/製造の課題の解決を支援しており、シノプシスは電子設計自動化 (EDA) ならびに設計資産 (IP) のリーディング・カンパニーとなっている。1986年の創業以来、世界中のエンジニアがシノプシスのテクノロジを使用して、何十億もの半導体やシステム機器を設計開発している。詳細な情報は、 http://www.synopsys.com/japan より入手可能。

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ARMは、ARM Limitedの登録商標です。 
Synopsysは、Synopsys, Inc.の登録商標です。 
その他の商標や登録商標は、それぞれの所有者の知的財産です。

<お問い合わせ先>

日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充 
TEL: 03-6746-3940 FAX: 03-6746-3941

アーム株式会社  コーポレート・マーケティング部 古田 智子 
TEL: 045-345-5080 FAX: 045-477-5261

ホフマン ジャパン株式会社 (アーム(株) PR代理店) 
松田 紘見、小倉 徳行 
TEL: 03-5159-5750 FAX: 03-5159-2166