概要
- 400万ASICゲートを実装でき、HAPS-70システムとの統合も容易なHAPS Developer eXpress(HAPS-DX)により、IP設計の段階からSoC統合に至るまでの工程でシームレスなソフトウェア開発/ハードウェアとソフトウェアの統合/システム・バリデーションが可能に
- 高速プロトタイピング・モードをサポートしたFPGA論理合成、デバッグ、クロック最適化により、プロトタイプ開発にかかる期間を短縮
- 数秒間の信号データを格納できるHAPS Deep Trace Debug機能に組み込まれた高性能なデバッグ機能と、優れたデバッグ可視化機能を実現するVerdiのサポート機能を提供
- バリデーション済みのDesignWare IPと、広範囲にわたるHAPSドーターボードならびにFPGA Mezzanine Card(FMC)の活用により、迅速なプロトタイプ構築を実現
- シノプシスのUniversal Multi-Resource Bus(UMRBus)インターフェイスにより、シノプシスのVirtualizerで開発した仮想プロトタイプとHAPSシステムをシームレスにリンクしたハイブリッド・プロトタイプを実現できるため、RTLが完成する前の段階でのソフトウェア開発開始を実現
2013年12月16日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - 半導体やエレクトロニクス・システムのイノベーションを加速させる開発用ソフトウェア、IP、技術サービスの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、複雑なIP ならびにサブシステムのプロトタイピング期間を短縮するFPGAベース・ハードウェア・プロトタイピング・システム HAPS Developer eXpress(HAPS-DX)を発表した。シノプシスのFPGAベース・ハードウェア・プロトタイピング・ソリューションの新製品となるHAPS-DXシステムでは、カスタマイズされた論理合成ならびにデバッグ・ソフトウェアもあわせて提供されるため、プロトタイプ構築作業をスピードアップし、個々のIPブロック単位からSoC全体のバリデーションへスムーズに移行できる。また、HAPS-DXは、400万ASICゲートのデザインを実装でき、HAPS-70システムともプラグ&プレイで統合できるため、IP設計の段階からSoC統合に至るまでの工程でシームレスなソフトウェア開発/ハードウェアとソフトウェアの統合/システム・バリデーションが可能になる。
ザイリンクス社 テスト/測定/エミュレーション機器部門 ディレクター Hanneke Krekels氏は次のように語っている。「当社のFPGAデバイスVirtex-7 X690 Tは、11.3Gb/秒のサーデス・データ転送レートをサポートしており、広帯域/高性能なASICプロトタイプの開発に最適なデバイスです。シノプシス社のHAPS-DXシステムは、業界標準のFMC I/Oテクノロジの採用により、短期間でのプロトタイプ構築を可能にしており、設計者はアナログ-デジタル/デジタル-アナログ・コンバータ、ビデオ・イメージング、モーターコントロールといった数百種にも及ぶFMCを活用することができます」
HAPS-DXシステムが提供する新たにカスタマイズされたプロトタイプ作成ソフトウェアにより、HAPS-DX固有のインプリメンテーション条件に合わせたデザイン実装作業を自動化できるため、プロトタイプ作成を短期間で行うことができる。新たに搭載されたプロトタイプ診断機能と高速プロトタイピング・モードにより、RTLレビューにかかる時間を削減でき、従来のFPGA合成ツールに比べてスループットが最大5倍向上する。また、今回搭載されたHAPSクロック最適化機能により、ASICクロックの変換といった時間のかかる作業を短期化できるため、最も複雑なクロック構造を持つデザインの場合でも、クロック制限のあるFPGAアーキテクチャへの実装を迅速に行うことができる。さらに、Synopsys Design Constraints (SDC)フォーマットとUniversal Power Format (UPF) をダイレクト・サポートしているため、SoCデザインが持つタイミング/消費電力の設計意図を短期間でプロトタイプに適用することができる。
HAPS-DXシステムは、HAPS Deep Trace Debug 機能と、シノプシスのデバッグ・ツール Verdiの組み合わせにより、デバッグ作業の効率化も実現している。HAPS Deep Trace Debug は、HAPS-DXシステムに搭載されているDDR3メモリーを用いて数秒間の信号データを格納できる。このフレキシブルなデータ・ストレージ機構によって、高速なデータ・サンプリングと大容量のデータ格納を実現したいという設計者のニーズに応えている。またHAPS-DXシステムのデバッグ・ソフトウェアは、シノプシスが提供している最先端のデバッグ・プラットフォーム Verdiとシームレスにリンクされているため、各種解析作業やデバッグ作業に必要な可視化機能も向上する。
プロトタイプ開発者は、シノプシスのHapsTrak 3 コネクタ接続を介したHAPSドーターボードや、業界標準のFMCを豊富に活用できるため、実機と同等のインターフェイスを備えたプロトタイプをの構築にかかる工数を最小限に抑えることができる。システム・バリデーションやソフトウェア開発をスピードアップするため、PCI Express®、USB、MIPI、DDRといったシノプシスの各種DesignWare Interface IPも、HAPS-DXシステム向けに事前検証がなされた状態で提供されている。そのため、製品開発サイクルの早期段階からソフトウェア開発に着手できるだけでなく、IPの組み込みにかかる工数も削減できる。
ギガファーム株式会社 代表取締役社長 山崎隆行氏は次のように語っている。「V-by-One HSやembedded DisplayPort(eDP)といったインターフェイス向けのHapsTrak 3ドーターボードを開発している当社にとって、HAPS-70システムとプラグ&プレイで統合できるHAPS-DXの登場は誠に喜ばしいことです。HAPSシステムが提供してくれるリユース機能のおかげで、両者共通のお客様各社はプロトタイプ構築にかかる工数を削減でき、付加価値の高い開発分野にフォーカスすることができます」
HAPS-DXが搭載しているUMRBusインターフェイスやオプションのARM® AMBA®インターコネクト・トランザクタにより、HAPS-DXシステムと、シノプシスの仮想プロトタイピング・ソリューション Virtualizerで作成したVDK(Virtualizer Development Kits)をダイレクトに接続することが可能となっており、ハイブリッド・プロトタイプを構築できる。ハイブリッド・プロトタイプにより、全てのRTLブロックが完成する前の段階でソフトウェア開発、ハードウェアとソフトウェアの統合、システム全体のバリデーションを実行できるようになる。
シノプシス IP & システム担当副社長兼 John Koeter は、次のように述べている。「IPやサブシステムのプロトタイピングに最適化されたHAPS-DXは、他にはない機能を提供し、数百人にも及ぶソフトウェア・エンジニアに大量配布可能な低価格帯で導入できる初めてのソリューションです。HAPS-DXを通じて、実装設計フローの再利用、事前検証済みDesignWare IP、論理合成/デバッグ・ソリューションを提供し、プロトタイプ開発者の生産性を向上させます。このHASP-DXは、HAPS-70システムともプラグ&プレイで統合できる互換性を備えています」
提供開始時期と関連情報
HAPS-DXシステムは、早期適用カスタマー向けに既に提供を開始している。 HAPS-DXついての詳細情報は下記より入手可能。
- HAPS-DX:
http://www.synopsys.com/haps-dx : - HAPS-DX データシート(カタログ)
- FPGAベース・プロトタイピング・メソドロジ・マニュアル:
https://www.synopsys.com/verification/resources.html
- FPGAベース・プロトタイピング・ブログ:
http://blogs.synopsys.com/breakingthethreelaws/ - HAPS Debug機能:
https://www.synopsys.com/verification/prototyping/physical-prototyping/haps/haps-deep-trace-debug.html
お問い合わせ先
HAPS-DXに関するお問い合わせは、下記までどうぞ。
日本シノプシス合同会社
Email: fpga_info@synopsys.com