シノプシス、RSoft Design Group社を買収
2012年5月8日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - 半導体設計・製造ツールならびにIPの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は、光通信デバイスならびに機器の設計/検証ツールのリーディング・カンパニー RSoft Design Group社(本社ニューヨーク、非上場、以下RSoft)の買収が完了したと発表した。シノプシスが持つ光学系設計ツールとRSoftの光通信系設計ツールの組み合わせにより、急成長している新しいテクノロジ、アプリケーション、マーケット向けのソリューション提供が可能になると同時に、既存顧客への光学設計ソリューションの拡充が実現する。今回の買収は、2010年のOptical Research Associates社買収により開始した光学関連分野参入の流れに沿ったものである。買収条件の詳細は非公開。
シノプシス シリコン・エンジニアリング・グループ 上級副社長兼ジェネラルマネージャー Howard Koは、次のように語っている。「当社の事業戦略は、EDA分野で首位を維持することと、EDAに隣接する新分野へ事業領域を拡大することであり、光学関連分野はその新事業分野のひとつです。今回の買収により、当社は光学設計分野に隣接する光通信デバイス・システム設計分野にも事業を広げてまいります。また、RSoft社のツールが持つ多くの機能は、当社のTCADツール群 Sentaurusファミリーを補完する意味でも重要な役割を果たし、光導波路のモデリングなどの新たな光通信分野への参入が可能となります。その他にもRSoft社が提供する各種テクノロジは、当社のテクノロジと大きな相乗効果をもたらし、お客様各社への新たなバリューの提供を可能にしてくれます」
RSoft社は、光通信向けデバイスの設計最適化ツールに加えて、こうしたデバイスを使った光通信システムやネットワークの設計・検証向けツールも提供している。半導体製造の面では、原子レベル・サイズのコンポーネント開発を可能にするため、より高速で低消費電力のプロセッサを実現できるようになる。また、超微細な光学構造を高精度にモデル化できるようになるため、LEDや薄型パネル、太陽電池などの変換効率向上や、光学ストレージの容量増強などにも役立つ。