ニュースリリース - 2012年4月26日

シノプシス、HAPSのデバッグ能力を100倍に拡張

新しいHAPS Deep Trace Debugにより、FPGAベース・プロトタイプでの信号解析能力が大幅に向上

2012年4月25日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - 半導体設計・製造ツールならびにIPの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、FPGAベース・プロトタイピング・ソリューション HAPSのユーザー向けにDeep Trace Debug機能の提供を開始したと発表した。この新機能により、FPGAに実装されたデバッグ回路が従来使用してきたメモリーと比べて、約100倍の容量を持つメモリーを信号データの格納に使用できるようになる。また、複雑なSoCデザインのバリデーションに使用してきたFPGAデバイスのオンチップ・メモリー容量を開放する一方で、新たに大容量のメモリーが使用可能になるため、信号の良否判定効率も向上する。

クアルコム・アセロス社 エンジニアリング担当ディレクター Manoj Unnikrishnan氏は次のように語っている。「当社のWiFi/Bluetooth混載製品は、ギガビット/秒の処理能力を実現するために先進のWiFi規格を組み込んでおり、その開発にはシノプシス社のHAPSが提供してくれるような最先端のハードウェア/ソフトウェア・バリデーション技術が必要です。当社が従来とってきた手法では、トライ&エラーを何度も繰り返して検証していました。HAPS Deep Trace Debug機能により、サンプリング・データを格納するのに必要な膨大なメモリーが使用可能になったため、デザインのバグを短時間で検出し、システム全体のバリデーションを短期間で実行できるようになりました。さらに、このHAPS Deep Trace Debug機能は、ステートマシンやプロトタイプ・デザイン全体の検証カバレッジやテストパターン生成効率を高めてくれるでしょう」

高速インターフェイス回路を含むデザインの機能検証を実行するためには、数ミリ秒あたり何十も発生する信号のサンプリングが必要になるケースが多い。これまで設計者は、FPGA上のメモリーリソースを使用して膨大な信号トレース履歴を取り込むか、信号トレース履歴の詳細な可視化は犠牲にして使用メモリーを節約するかの選択を迫られていた。シノプシスのIdentify Intelligent Integrated Circuit Emulator(IICE)とHAPS Deep Trace Debug SRAMドータボードを併用することによって、HAPS Deep Trace Debug機能は、個々の信号と複雑なトリガー記録をプロービング可能にし、システム稼動時に発生する膨大なステート履歴を格納する広大なメモリー容量を提供する。SRAMドータボードによって、FPGAデバイスのオンチップ・メモリーをSoCデザインのメモリーブロックの実装に優先的に使用できるようになる。

GSIテクノロジ社 マーケティングならびにアプリケーション・エンジニアリング担当副社長 David Chapman氏は次のように語っている。「HAPS Deep Trace Debug SRAMドータボードに搭載された当社のNBTTMSRAMにより、HAPSの内部接続バスが持つデータ転送能力を最大限に有効活用できるようになるため、SoCプロトタイプを用いた検証パフォーマンスの向上を求める設計者にとっては大きなメリットとなります。当社のSRAMは、パイプライン・モードとフロースルー・モードの両方を提供しているため、メモリーへの読み込み時間の高速化を優先するか、読み込んだ後の処理速度を優先するか選ぶことができ、SoCプロトタイプを使用して検証を行う設計者にとっては柔軟性が拡がります。当社のNBT SRAMとシノプシス社のHAPS Deep Trace Debug機能の組み合わせにより、設計者は、SRAM をSoCのオンチップ・メモリーの実装にも、あるいはデバッグ/トレース用の拡張メモリーとしても使用できるようになります」

シノプシス IP&システム・マーケティング担当副社長 John Koeterは次のように述べている。「SoC上のハードウェアとソフトウェアは益々複雑化しており、設計者は、システム全体のバリデーションを確実に実行できると同時に、早期ソフトウェア開発を可能にする先進のデバッグ・ツールを必要としています。HAPS Deep Trace Debug機能によって、デザインに潜むバグの根本原因を特定するのに必要な膨大な信号トレース履歴を把握できるようになるため、複雑なSoCのデバッグ効率の大幅な向上が実現します」

提供可能時期
シノプシスのIdentify RTLデバッガ、HAPS Deep Trace Debug SRAMドータボードが実現するHAPS Deep Trace Debug機能は、既に提供を開始している。詳細な情報はhttp://www.synopsys.com/HAPSより入手可能。

シノプシスについて
Synopsys, Inc. は、電子設計自動化(EDA)ソリューションの世界的リーダーであり、半導体の設計ならびに製造に用いられる各種のツール、設計資産(IP)、サービスを全世界のエレクトロニクス関連企業に提供している。システムレベルHW/SW設計検証、IP 、HWインプリメント、HW検証、HW製造、FPGA設計の各ソリューションで構成されるシノプシスの包括的な統合環境により、顧客企業が設計や製造段階で直面している重要な課題、すなわち消費電力や歩留まりの管理、システム設計段階からシリコン製造段階までを網羅する総合検証、開発期間の短縮といった課題を克服することが可能になる。各種テクノロジを駆使したこれらのソリューションを活用することにより、顧客企業は、開発コストや開発リスクを削減しつつ最高の製品を迅速に市場投入することが可能となり、競争力を高めることができる。カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置き、事業所は北米、ヨーロッパ、日本、アジア、インドなど70ヶ所。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jpより入手可能。

# # #

Synopsysは、Synopsys, Inc.の登録商標です。 
その他の商標や登録商標は、それぞれの所有者の知的財産です。

<お問い合わせ先>

日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充 
TEL: 03-6746-3940  FAX: 03-6746-3941