シノプシスのHAPSを活用し、ルネサス エレクトロニクスがFPGAベース・プロトタイピングの性能を4倍向上
ルネサスEDA部門が、HAPS-64とUniversal Multi-Resource Busを社内複数部門で利用しているプロトタイピング・システムに採用
- ルネサスのEDA部門がFPGAプロトタイピング・システムとして、シノプシスのFPGAベース・プロトタイピング・システム HAPS-64を採用
- HAPS-64がもたらした生産性向上により、同社がこれまで活用してきたFPGAベース・プロトタイピング・システムと比べて開発期間短縮と品質向上を実現
- Universal Multi-Resource Bus(UMRバス)により、先進のシステムとソフトウェアのハイブリッド・プロトタイピング(協調開発/デバッグ/システムバリデーション)を実現
2011年7月18日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - 半導体設計・製造ツールならびにIPの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は、半導体大手のルネサス エレクトロニクス株式会社(以下、ルネサス)が、同社におけるSoC(System on Chip)やマイコン等用のプロトタイピング・システムとしてシノプシスのFPGAベース・プロトタイピング・システム HAPS-64を採用したと発表した。HAPSを活用したSoCの検証で、ルネサスはこれまでのFPGAベース・プロトタイピング・システムよりも性能面で4倍以上の向上を実現した。また、同社のEDA部門では、HAPSのUMRバスが提供するバーチャル・プロトタイプとハードウェア・プロトタイプのインターフェイス機能を活用し、最先端のハイブリッド・プロトタイピング環境を構築し、システムとソフトウェアの開発/デバッグ/バリデーションにかかる期間を短縮した。
ルネサス エレクトロニクス株式会社 技術開発本部 EDA・設計手法統括部 FE設計技術開発部 部長 後藤和永氏は、次のように語っている。「HAPS-64の優れた拡張性とUMRバスの高速性により、HAPSで構築したハードウェアと当社のバーチャル・プロトタイプを接続して、先進のハイブリッド・プロトタイピングが可能となりました。これにより、効果的な検証環境を短期間で実現できるようになりました」
HAPSは、ルネサスのハイブリッド・プロトタイピング環境でより高い性能を達成しただけではなく、そのモジュール方式の拡張性により、同社のEDA部門は、現在の設計プロジェクトだけではなく将来のプロジェクトに向けてシステムを簡単に拡張したり縮小したりできるようになる。UMRバスは、明確に定義された効率の良い通信インターフェイス規格であるため、ホストマシンとHAPSシステム間の接続を容易に実現できる。その結果、同社のEDA部門は、これまで活用してきたFPGAベース・プロトタイピング・システムと比べて、より高い検証品質を達成した。
シノプシス ソリューション・グループ マーケティング担当副社長 John Koeterは、次のように述べている。「ルネサス様は、最先端の半導体企業の中でも抜きん出た存在であり、大規模SoCの開発においてはシステム全体のバリデーションと早期ソフトウェア開発を重視していらっしゃいます。ルネサス様の今回の成果により、これまでHAPSユーザー各社様が体験してこられた設計生産性向上のメリットが裏付けられました。シノプシスは、FPGAベース・プロトタイピング・ソリューションのリーディングカンパニーとして、半導体企業各社やシステムメーカー各社がシステム全体を迅速かつ正確にプロトタイプ化するのに必要とされる柔軟性と性能提供し続けてまいります」
FPGAベース・プロトタイピング・ソリューションを活用することにより、設計チームそして検証チームは、SoC設計期間を短縮し、開発コストの増加要因となるリスピンを回避することができる。シノプシスのFPGAベース・プロトタイピング・ソリューションは、各種のHAPSボードをモジュール方式で組み合わせてシステム構築できる使い易いASICプロトタイピング・ソリューションであり、シノプシスのFPGA論理合成ソリューション Synplify、デザイン分割ソリューション Certify、インタラクティブ・デバッグ・ソリューション Identifyが、その構築と運用を支援する。