ニュースリリース - 2008年2月26日

シノプシス、ローパワー設計/検証ソリューション“Eclypse”を発表

実績豊富なツール/IP/メソドロジ/サービスで構成される業界で最も包括的なソリューションにより
最先端のローパワー設計テクニックが活用可能に

2008年2月25日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - 半導体の設計・製造ツールならびにIPの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、ローパワー設計/検証ソリューション Eclypseを発表した。Eclypseは、ローパワーSoC開発に用いられた実績を豊富に持つシノプシスのESL/インプリメント/検証/サインオフのツール群、IP、メソドロジ、各種サービスで構成されており、業界で最も広範囲をカバーしたソリューションである。シノプシスの実証済みの各ソリューション間の整合性を維持しつつ、使い易く効率的なローパワー設計のワークフローとして統合したソリューション、それがEclypseであり、これによって設計工程の個々のフェーズを全て網羅したローパワー設計/検証フローが実現している。Eclypseにより、設計者は、最先端のローパワー設計テクニックを活用できるようになり、その結果、チップの消費電力/面積/動作スピード/歩留まりといった目標を達成しつつ、設計生産性を高め、開発リスクを最小化し、高品質なチップを市場に提供できるようになる。Eclypseがもたらすメリットを紹介するため、シノプシスは世界各国でローパワー・セミナーを開催する。世界に先駆けて、日本では2月28日に東京で開催される。

SoC開発現場では、MT-CMOSパワーゲーティング、多電源デザイン手法、ダイナミック電圧/周波数スケーリング(DVFS)などの最先端のローパワー設計テクニックを活用していく必要があり、SoC開発エンジニアは、いかにしてこれらのテクニックを用いてチップを設計し、そしてそれらのデザインを検証してゆくかという課題に直面している。これらのテクニックを用いればナノメータSoCの消費電力を大幅に削減できるものの、従来の設計手法では、その場しのぎで、時間がかかり、開発リスクを伴う手作業でのインプリメンテーションと検証を余儀なくされることになる。シノプシスのローパワー設計/検証ソリューションEclypseは、様々な先進のテクニック、メソドロジ、標準規格、自動化手法を統合し、ローパワー設計と検証の実行を容易化するソリューションである。

Eclypseは、10年以上にも及び業界をリードしてきたシノプシスの実績あるローパワー設計/検証テクノロジをベースに構築されたソリューションであり、新しい最先端ローパワー設計テクノロジを提供している。例えば、クロックゲーティングとパワー・クロックツリー合成技術の改良により、設計者は、スキューとタイミング目標を達成しつつローパワーを実現するために、クロック構造を最適化することができる。また、最新のマルチ・スレッショルド・リークパワー最適化機能は、リークパワー値が異なるVtライブラリ・セルの使用率を制御することにより、デザインのモードやコーナーに依存せず最適なリークパワーの結果を得ることができる。パワー・スイッチ・セル自動挿入機能/サイジング自動化機能の改善により、多くのパワープランを検討できるようになるため、”what-if”解析によりIRドロップと面積のトレードオフの最適解を求めることができる。

Eclypseは、デザイン内に施すローパワー設計の意図を記述するために利用される業界標準のパワーフォーマット UPFに対応したソリューションである。Eclypseを構成するUPF対応ツール群は以下の通りである。

また、以下のツール群/IP/サービスが提供する機能によりEclypseのローパワー設計/検証ソリューションは完成している。

さらにEclypseは、シノプシスとARM社の共著によるオープンなメソドロジであるLow Power Methodology Manual(LPMM)に準拠したソリューションとなっている。

ARM社 デザイン・テクノロジ担当ディレクター John Goodenough氏は次のように語っている。「当社は、ローパワーのエレクトロニクス製品を実現するために最先端のテクノロジをご提供し続けてきました。当社はシノプシス社との革新的な協業体制を継続し、非常に高度なパワーマネージメント・テクニックにさらなる改善を施してきました。その成果として、最新のIPやツールやメソドロジをご提供し、設計者の皆様の設計目標達成を支援してきました。シノプシス社のローパワー・ソリューションEclypseと当社のフィジカルIPならびにプロセッサIPの組み合わせにより、LPMMで紹介されている多くのシリコンでの実証結果が示している通り、お客様の製品の消費電力を大幅に削減することができます」

株式会社ルネサステクノロジ 製品技術本部 設計技術統括部 統括部長 三輪久晴氏は次のように語っている。「当社は、20ものパワードメインを持つ複雑なSoCのローパワー検証ソリューションとしてシノプシス社のMVSIM搭載VCSを活用して大きな成功を収めました。このように複雑なデザインの場合、他のソリューションでは見過ごしてしまうパワーマネージメント上問題のある箇所を、VCSとMVSIMの組み合わせによって確実に特定することができました。また、検証期間を1/5から1/10に短縮できるという成果を受けて、このソリューションを当社のローパワー検証フローに採用することに決めました。VCS+MVSIMソリューションがEclypseの一部に組み込まれたことにより、当社ではシノプシス社のその他のローパワー関連ソリューションとのさらなる相乗効果を活用できるようになりました」

シノプシス ソリューション・マーケティング担当副社長George Zafiropoulosは次のように述べている。「Eclypseは、業界で最も広範囲をカバーし、かつシリコン実証済みのローパワーSoC設計/検証ソリューションを開発するために、当社が何年にも渡って徹底的に行ってきた研究開発の成果です。Eclypseは、シノプシスのローパワー関連ツール、ローパワーIP、ローパワー・メソドロジ、ローパワー設計関連サービスといった実証済みの各ソリューション間の整合性を維持しつつ統合した使い易いソリューションです。このソリューションにより、設計者の皆様は、最も先進的なローパワー設計テクニックを迅速かつ確実に活用できるようになります」

Eclypse ローパワー・セミナー開催
シノプシスは、ARM社の参加のもと、世界主要都市でEclypse ローパワー・セミナーを開催する。本セミナーでは、Eclypseの概要ならびに自動化されたローパワー設計フローの主要な機能について詳細をご説明する。このセミナーにご参加いただくことにより、SoC開発者の方々は、Eclypseにより最先端のローパワー設計テクニックをいかに活用できるようになるかをご理解いただける。シノプシスは、ARM Connected Communityのメンバー企業である。

価格と提供時期
UPF対応のEclypseローパワー・ソリューションは、既に提供を開始している。価格は製品構成により異なる。

シノプシスについて
Synopsys, Inc. は、電子設計自動化(EDA)ソリューションの世界的リーダーであり、半導体の設計ならびに製造に用いられる各種のツール、設計資産(IP)、サービスを全世界のエレクトロニクス関連企業に提供している。システムレベルHW/SW設計検証、IP 、HWインプリメント、HW検証、HW製造、FPGA設計の各ソリューションで構成されるシノプシスの包括的な統合環境により、顧客企業が設計や製造段階で直面している重要な課題、すなわち消費電力や歩留まりの管理、システム設計段階からシリコン製造段階までを網羅する総合検証、開発期間の短縮といった課題を克服することが可能になる。各種テクノロジを駆使したこれらのソリューションを活用することにより、顧客企業は、開発コストや開発リスクを削減しつつ最高の製品を迅速に市場投入することが可能となり、競争力を高めることができる。カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置き、事業所は北米、ヨーロッパ、日本、アジア、インドなど70ヶ所。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jpより入手可能。

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Synopsys、Eclypse、VCS、MVSIM、MVRC、Discovery、Design Compiler、Power Compiler、IC Compiler、DFT MAX、Formality、Galaxy、Innovator、HSIM、NanoSim、HSPICE、PrimeTime、PrimeRailならびにDesignWareは、 Synopsys, Inc.の登録商標もしくは商標です。
その他の商標や登録商標は、それぞれの所有者の知的財産です。

<お問い合わせ先> 

日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充
TEL: 03-5746-1780   FAX: 03-5746-1781