ニュースリリース - 2007年3月6日

シノプシス、VMMメソドロジを拡張し、機能検証の生産性をさらに向上

多くの実績を持つVMMメソドロジに、 “ベリフィケーション・プランニング”、“ベリフィケーション・アプリケーション”、
“ベリフィケーション・オートメーション”の機能を追加した、次世代VMMソリューション

Q&A

2007年3月5日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - 半導体設計ツールの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、業界をリードするVMM(Verification Methodology Manual)の機能に基づく拡張ソリューションを発表した。これにより製品開発チームは、より効率的に、検証対象を定義し、検証工程を評価し、そして検証目標を達成できるようになる。この次世代VMMソリューションは、VMM Planner、VMM Application、VMM Automationという新しい3つの構成要素により、より高い検証生産性を実現する。

VMM Planner
により、検証プロジェクト・マネージャーは、システマティックに検証プロジェクトを策定し進捗状況を管理できるようになるため、検証プロセスの見通しと検証結果の予測性を高めることができる。

VMM Application
により、検証アーキテクトは、より高率的な検証環境を迅速に構築できるようになるため、テストベンチの開発にかかる期間を短縮できる。

VMM Automation
により、検証技術者は、最先端のテストベンチを開発・活用して、検証生産性を向上できるようになる。

今回発表された次世代VMMソリューションは、技術者の間で高い評価を得ている技術書“Verification Methodology Manual for SystemVerilog”で定義されているVMMメソドロジに基づいて構築されている。

検証プロセスの見通しと検証結果の予測性を高めるVMM Planner
検証プロジェクトのプランニングとその進捗管理は、表計算シート、各種ドキュメント、報告書、ログファイル、Eメールなどによって検証プロジェクトの修正を繰り返すなど、その場しのぎのものになりがちである。この手法では、検証プロジェクトの実態からかけ離れた不完全で不正確なプラン・管理となることが多く、検証プロジェクト終了までの間に予期せぬ遅滞を引き起こすことになる。

VMM Plannerにより、検証チームは、検証カバレッジをどのレベルに設定するか、どれくらい深く検証すべきか、責任分担をどうすべきか、どのようなスケジューリングが妥当なのかといったことを、システマティックに把握し、デザインの機能を階層的に検証を行なえる「実行可能な検証プラン」を手にできる。

VMM Plannerは、コード・カバレッジや機能カバレッジ、フォーマル・アサーションやダイナミック・アサーション、パスあるいはフェイルしたテスト・データなどの多岐にわたる検証結果を抽出し取り込んで、検証プランにフィードバックする。この検証プランは、正確かつ客観的で透明性の高い評価項目として検証チームで共有することができる。

Tundra Semiconductor社の検証担当ディレクター Randy Mullins氏は次のように述べている。「シノプシス社が提供しているVMMソリューションに追加されたVMM Plannerは、非常に重要な機能です。検証プロジェクトの進捗度を把握し管理するためのシステマティックな手法を確立したいという、SoC開発チームの切実なニーズを実現してくれるからです。VMM Plannerによって、開発チームは検証プロジェクトを進めるにあたって完全な透明性を確保できます。そしてそれは、検証進捗度の判定に欠くことのできない指標であり、問題点を迅速かつ明確に把握可能にする手法であり、検証結果の予測性を高めるための唯一の包括的なプロセスでもあるのです。」

テストベンチ開発にかかる期間を短縮するVMM Application
VMM Applicationは、テストベンチ開発にかかる期間をより一層削減するために、よく使用される高機能検証コンポーネントの集合体である。それにはレジスタ関数やメモリ関数も含まれている。これらの新しいアプリケーションは、Verification Methodology Manual for SystemVerilogで定義されている一連のVMM Standard Libraryをベースとしたものである。VMM Applicationに含まれているものは以下の通りである。

  • 何千というチップ・コンフィギュレーション・レジスタの検証用、自動テストパターン生成を迅速かつ容易に管理するための「レジスタ・アブストラクション・レイヤ(RAL)」。
  • 使用するシミュレータあるいはアクセラレータ/エミュレータ向けに迅速に設定できるVMMテストベンチを作成するための「ハードウェア・アブストラクション・レイヤ(HAL)」。
  • サブシステム検証環境を最小限の修正でシステムレベル検証へ再利用可能とする「再利用検証環境構成」。
  • メモリのバッファ内容やアドレスに関するバグテストするための「メモリ・アロケーション・マネージャー」。

Cypress Semiconductor社のベリフィケーション担当マネージャー Tim Houlihan氏は次のように述べている。「シノプシス社のこのVMMメソドロジを使用することによって、当社では検証生産性の大幅な向上を経験しました。我々は、West Bridge Antioch チップの開発にあって、VMMのレジスタ・アブストラクション・レイヤを使用し、従来の場当たり的なレジスタ検証手法に比べて、検証作業を2ヶ月分短縮できました。特に、この新しいメソドロジの中の組み込みビット・バッシング・テスト(bit_bash)は、レジスタ群に変更が加えられた後に必要となる再検証の際に非常に役立ちました。」

EVE USA社のジェネラル・マネージャー Lauro Rizzat氏は次のように述べている。「VMMのハードウェア・アブストラクション・レイヤは、非常に使い易い広帯域幅対応の手法で、先進のテストベンチを高性能アクセラレータ/エミュレータに取り込むことができます。ハードウェア・アブストラクション・レイヤのトランザクション・レベル・インターフェイスを、当社のZeBuエミュレータとシノプシス社のシミュレータVCSのつなぎ役として使用することによって、我々は500MB/秒以上というデータ転送レートを実現できました。」

検証生産性を向上できるVMM Automation
VMM Automationは、検証技術者の生産性を向上させるための多彩な自動化ツールや自動化機能を提供する。この新しいVMMが提供するSystemCトランザクション・レベル・インターフェイス(TLI)は、VMMベースのテストベンチとSystemCベースのリファレンス・モデルを接続する高性能なインターフェイスである。VMMコンプライアンス・チェッカは、多岐にわたる検証コンポーネントが相互運用性と再利用性の高いものになっているかどうか確認するための簡易な手法を提供し、ユーザーの検証環境がVerification Methodology Manual for SystemVerilogで定義されているルールやガイドラインに準拠しているかどうかを分析可能にする。

シノプシスのベリフィケーション・グループ担当上級副社長 兼 ジェネラル・マネージャー Manoj Gandhiは次のように述べている。「SystemVerilogが持つ強力な機能を検証に活用したいとお考えの技術者の皆様にとっては、実績が豊富で確立されたメソドロジこそが重要なファクターであり、常に必要とされているものなのです。シノプシスは、チップ開発に携わる皆様が、より効率的に、検証対象を定義し、検証工程を測定し、そして検証目標を達成できるようにするために、既に実績のあるVMMメソドロジにさらに最先端の機能を追加し、VMMメソドロジの拡張をしています。」

提供時期について
VMM Planner、VMM Application、VMM Automationは、シノプシスの機能検証ソリューション VCSならびにテストベンチ生成自動化ツールPioneer-NTBの追加機能となる。VMM PlannerとVMM Applicationは、現在ベータ・バージョンがリリースされている。VMM Automationは、今後12~24ヶ月の間に提供する予定である。

シノプシスについて
Synopsys, Inc. は、電子設計自動化(EDA)ソリューションの世界的リーダーであり、半導体の設計ならびに製造に用いられる各種のツール、設計資産(IP)、サービスを全世界のエレクトロニクス関連企業に提供している。システムレベルHW/SW設計検証、IP 、HWインプリメント、HW検証、HW製造、FPGA設計の各ソリューションで構成されるシノプシスの包括的な統合環境により、顧客企業が設計や製造段階で直面している重要な課題、すなわち消費電力や歩留まりの管理、システム設計段階からシリコン製造段階までを網羅する総合検証、開発期間の短縮といった課題を克服することが可能になる。各種テクノロジを駆使したこれらのソリューションを活用することにより、顧客企業は、開発コストや開発リスクを削減しつつ最高の製品を迅速に市場投入することが可能となり、競争力を高めることができる。カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置き、事業所は北米、ヨーロッパ、日本、アジア、インドなど70ヶ所。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jpより入手可能。

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日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充
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