ニュースリリース - 2007年10月26日

シノプシス、タイミング遅延を考慮したテスト・パターン生成テクノロジにより - 製造テストの品質を向上

TetraMAXの微小遅延故障テスト・テクノロジにより
従来のAt-Speedテスト手法よりテスト品質を改善

2007年10月22日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - 半導体設計ツールの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は、本日、テストパターン自動生成ツール TetraMAXの新機能、微小遅延故障(SDD=Small Delay Defects)ATPG(Automatic Test Pattern Generation)を発表した。これにより、設計者は製造テスト品質を大幅に向上できる。複数の顧客企業で、製造に用いられたデザインを使ってこの新機能の有効性を検証したところ、標準的なAt-Speedテストをパスしたデバイスの中で、実際には問題箇所が残っていたデバイスが複数あったことが判明した。微小遅延故障ATPG機能は、デバイス内に潜んでいる最も小さな故障要因を検査できるテスト・パターンを生成する。これを放置すれば、フルスピードで動作した際に故障を発生させる原因になる。タイミング遅延を考慮したテスト・パターン生成機能によって、遅延に影響してくる非常に微小な故障要因の有無をテストすることで、従来のATPGテクノロジを用いた場合と比較してテスト品質を劇的に向上させることができる。この新しいテスト機能は、カリフォルニア州サンタクララで10月23日~25日に開催されるInternational Test Conferenceでデモ公開される。

半導体業界の共同研究開発機関である株式会社半導体理工学研究センター(STARC) 執行役員 開発第2部 部長 岡村芳雄氏は次のように語っている。「当社のメンバー企業では、製造テストの品質向上を重要課題と考えています。その意味で、シノプシス社のTetraMAXに搭載された微小遅延故障ATPG機能は、素晴らしい技術革新です。この新しいテスト・テクノロジにより、これまでは検出できなかった微小遅延故障によって引き起こされる欠陥を特定できるようになります。微小遅延故障のテストは、当社のメンバー企業にとって、また製品の品質向上を追及する全ての半導体企業にとって重要な問題なのです」

先端プロセスで発生するバラツキは、タイミング・センシティブなパスに悪影響を及ぼす微小遅延を引き起こすもとになり、これは特定の動作状況下で回路に障害が発生する要因となる。これまで設計者には、微小遅延を確実に特定できるテスト・パターンを生成する手段がなかった。今までの遷移遅延ATPGテクノロジでは、詳細なタイミング情報を活用することができなかったためである。シノプシスは、ほんの僅かなタイミング・スラックまで含めたタイミング情報を活用できるようテスト・パターン生成機能を改善することにより、この問題を解決に導いた。設計者は、シノプシスの寄生容量抽出ツール Star-RCXTによって抽出した回路上の詳細な寄生情報を、シノプシスのスタティックタイミング解析ツールPrimeTimeに渡し、PrimeTimeが解析したピン・スラック情報をもとに、TetraMAXのATPGテクノロジを用いて微小遅延故障テスト・パターンを生成することができる。この新しいATPGテクニックは既存のDFTメソドロジと一貫性が取れており、デザインに新たに修正を加える必要はない。

シノプシス シンセシス&テスト製品マーケティング・シニアディレクター Gal Hassonは、次のように述べている。「当社は、多数に上る世界的な半導体企業各社と協業し、TetraMAXの微小遅延故障ATPGテクノロジなら、従来型のAt-Speedテストでは発見できなかった微小なタイミング故障要因を特定できる事を実証しました。タイミング遅延を考慮したテスト・パターン生成機能の有効性を実証できたことは、設計業界にとって非常に重要な節目になると我々は考えています。このTetraMAXの新機能は、テスト漏れを最小化するだけでなく、最終的にはテストコストの削減にも繋がります」

シノプシスについて
Synopsys, Inc. は、電子設計自動化(EDA)ソリューションの世界的リーダーであり、半導体の設計ならびに製造に用いられる各種のツール、設計資産(IP)、サービスを全世界のエレクトロニクス関連企業に提供している。システムレベルHW/SW設計検証、IP 、HWインプリメント、HW検証、HW製造、FPGA設計の各ソリューションで構成されるシノプシスの包括的な統合環境により、顧客企業が設計や製造段階で直面している重要な課題、すなわち消費電力や歩留まりの管理、システム設計段階からシリコン製造段階までを網羅する総合検証、開発期間の短縮といった課題を克服することが可能になる。各種テクノロジを駆使したこれらのソリューションを活用することにより、顧客企業は、開発コストや開発リスクを削減しつつ最高の製品を迅速に市場投入することが可能となり、競争力を高めることができる。カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置き、事業所は北米、ヨーロッパ、日本、アジア、インドなど70ヶ所。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jpより入手可能。

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日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充
TEL: 03-5746-1780   FAX: 03-5746-1781