ニュースリリース - 2007年6月1日

最先端のパワー・マネージメント手法を解り易く解説したローパワー・メソドロジ・マニュアルが発刊

高度なパワー・マネージメント・テクニックを容易に活用する方法について述べた解説書をSpringer社が出版

ニューヨーク発:
Springer Science+Business Media, LCCは本日、90nmプロセス・テクノロジ以降の設計で重大な課題となるSoC設計のスタティック・パワー(リーク・パワー)ならびにダイナミック・パワー管理手法について包括的に記述した実践的ガイドラインとなる“ローパワー・メソドロジ・マニュアル for System-on-Chip Design”(LPMM)を発刊すると発表した。LPMMは、複数の著者の豊富なビジネス経験、深い科学知識、実シリコンでの実証をもとに記述されており、設計上の落とし穴に陥らないための注意事項や推奨も含めて、最も効果的な新しいローパワー設計テクニックを、実践的に、かつ読みやすく解説している。低消費電力が要求されるモバイル機器やコンシューマー製品の開発のために、最新のIPやEDAツールを使用してSoCを設計している、あるいは設計の準備をしている開発者なら誰でも、この高度なパワー・マネージメント手法を活用可能になる。

Springer社の技術書部門編集ディレクター Alex Greeneは、次のように述べている。「我々は、この価値ある解説書を設計自動化に取り組むプロフェッショナルの皆様にお届けできることができて感激しています。我々は、半導体業界とその関連業界で低消費電力機器を研究あるいは開発している人々にとって、この本は頼りになる参考書となるに違いないと確信しています」

LPMMの執筆者のとりまとめは、シノプシスのMichael KeatingとARMのDavid Flynnが行っている。Michael Keatingは、シノプシス フェローであり、世界中で絶賛を受け現在第三版が発刊されている“リユース・メソドロジ・マニュアル for System-on-Chip Design”の大半を執筆した。David Flynnは、ARMのR&Dフェローであり、ARMの論理合成可能なCPUコア・ファミリーならびに業界標準オンチップバス AMBAの開発を支える初代アーキテクトである。この両名に加えて、シノプシスのAlan GibbonsとKaijian Shi、ARMフェローのRobert Aitkenが共同執筆者に名を連ねる。これらの著者が持つ豊富な商用デザイン開発とアーキテクチャ開発の経験は、システム設計、SoC開発、IP開発そしてアナログ&ミックスドシグナル回路開発にまで及んでいる。

ARMのCTO Mike Mullerは、次のように語っている。「このマニュアルには、豊富なビジネス経験と実シリコンでの実証経験を組み合せた実践的なメソドロジが文書化されています。本書を参考にされれば、設計者は、最先端のローパワー設計テクニックを我が物にできるでしょう。特に、半導体業界が65nmノード、そしてそれ以降のテクノロジ・ノードに移行するに従って、本書は役に立つはずです」

LPMMは、ローパワー設計の背景説明や基本的な手法の解説を始め、ローパワー設計に関する様々なトピックを幅広く網羅している。その上で、LPMMは、クロックゲーティングやマルチ・スレッショルド電圧(マルチVt)手法、論理レベルの消費電力削減手法、多電源設計ならびにアーキテクチャについて紹介している。本書は、パワー・ゲーティングや、ダイナミックな電圧と周波数のスケーリング(DVFS)についても言及しており、その内容はSoC開発のためのRTLやアーキテクチャ開発に関する考察だけでなく、シリコンIPについてもカバーしている。論理合成、配置配線、タイミング解析、パワー解析などのローパワー・デザインの実装で考慮すべき問題については、一章が費やされている。また、スタンダード・セル、メモリ、フリップフロップやメモリのステート保持などのフィジカルIP開発に関する考察もカバーされている。さらに、パワー・スイッチング・ネットワークの設計についても詳しく言及されている。巻末には二つの章が追加されており、そこには、駆動してないトランジスタとパワー・スイッチング・ネットワークのための回路設計などの追加情報が記されている。

本書には実シリコンに適用した設計事例についても言及しているが、それに加えて著者は、LPMMで解説されている高度なパワー・マネージメント・テクニックを適用したARM1176JZF-STMプロセッサ向けのインプリメンテーション・リファレンス・メソドロジも開発した。

LPMMは、マサチューセッツ工科大学のAnantha Chandrakasan教授が編纂しているIntegrated Circuits and Systems関連のSpringerシリーズの一環として出版される。Chandrakasan教授は、ローパワー設計分野の指導者として有名である。

シノプシス マーケティング&ストラテジック・ディベロップメント担当上級副社長 John Chiltonは、次のように述べている。「LPMMは、先進のエレクトロニクス製品の成功にはパワー・マネージメントが重要な要素となること、そしてパワー・マネージメントの実践は半導体設計フローに多くの課題をもたらすことを認識した上で、これらの課題を克服するために用いられるべきツール/IP/メソドロジの正しいコンビネーションについて、実例を挙げて解説している。本書に記述されている数々のテクニックは、単に革新的で現場での実証も終えているというだけでなく、読者にとって理解と導入がし易い形式で記載されている」

LPMMは、2007年6月4日~8日、カリフォルニア州サンディエゴで、約10,000人が参加して開催される世界最大のEDAコンファレンスDAC(Design Automation Conference)にて公表される予定である。LPMM暫定版のコピーは、Springerブース(ブース番号:3664)、シノプシス・ブース(ブース番号:5278)、ARMブース(ブース番号:4878)で参照できる。また著者によるLPMMの解説が、6月6日の11:30amに開始されるARM - Synopsysローパワー・ランチョン・ミーティングで行われる。参加登録は以下のURLから。

提供時期
LPMMは、2007年8月にSpringer社から出版される。本書の購入に関してはwww.springer.comのサーチエンジンでKeatingで検索できる。本書に関する情報はhttp://www.lpmm-book.orgより入手可能。

シノプシスについて
Synopsys, Inc. は、電子設計自動化(EDA)ソリューションの世界的リーダーであり、半導体の設計ならびに製造に用いられる各種のツール、設計資産(IP)、サービスを全世界のエレクトロニクス関連企業に提供している。システムレベルHW/SW設計検証、IP 、HWインプリメント、HW検証、HW製造、FPGA設計の各ソリューションで構成されるシノプシスの包括的な統合環境により、顧客企業が設計や製造段階で直面している重要な課題、すなわち消費電力や歩留まりの管理、システム設計段階からシリコン製造段階までを網羅する総合検証、開発期間の短縮といった課題を克服することが可能になる。各種テクノロジを駆使したこれらのソリューションを活用することにより、顧客企業は、開発コストや開発リスクを削減しつつ最高の製品を迅速に市場投入することが可能となり、競争力を高めることができる。カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置き、事業所は北米、ヨーロッパ、日本、アジア、インドなど70ヶ所。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jpより入手可能。

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Synopsysは、Synopsys, Inc.の登録商標です。
ARMとAMBAはARM社の登録商標です。ARM1176JZF-SはARM社の商標です。
「ARM」とは、ARM Holdings plc、その事業会社であるARM Limited、各地域の子会社であるARM INC.、ARM KK、 ARM Korea Ltd.、ARM Taiwan、ARM France SAS、ARM Consulting (Shanghai) Co.Ltd.、 ARM Belgium N.V.、 AXYS Design Automation Inc、AXYS GmbH、ARM Embedded Solutions Pvt. Ltd.、ARM Physical IP, Inc. およびARM Norway, AS の全部または一部を意味します。

<お問い合わせ先> 

アーム株式会社 マーケティングコミュニケーション 飯塚 聖子
TEL:045-477-3117   FAX:045-477-5261 

テキスト100ジャパン㈱(アーム㈱PR代理店) 秋澤 知子、上野 素子
TEL:03-5210-1981   FAX:03-5210-2005 

日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充
TEL: 03-5746-1780   FAX: 03-5746-1781