ニュースリリース - 2007年2月1日

シノプシスがSPEFに提供したバリエーション・アウェア拡張機能がIEEE1481ワーキング・グループにより承認される

このSPEF機能拡張により、65nm以降の設計に必要となる
一貫性と精度の高い“バラツキ情報をもった寄生容量”を設計上に取り込み可能に

2007年1月31日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - 半導体設計ツールの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、シノプシスが寄贈を申し出ていた、プロセスや温度のバラツキを考慮したSPEF(Standard Parasitic Exchange Format)拡張機能がIEEE1481ワーキング・グループによって承認されたことを発表した。これにより、EDAツール間でバラツキを考慮した寄生情報の伝達が可能になり、既存のSPEF(IEEE1481-1999)の機能を拡張することができる。今回シノプシスが提供したのは、65nm以降のプロセス向け設計で必須となるバラツキを考慮した内部配線寄生容量情報を高精度かつ簡潔に表現するための主要な拡張機能である。この拡張SPEFのドラフト版は、現在IEEE標準化委員会の投票と承認の過程にある。

デバイス・テクノロジの微細化が進むに連れて、内部配線を行うためにはランダムに発生するプロセスのバラツキを高い精度でモデリングする必要がある。抽出ならびに解析ツールは、これのモデリングを実行するために統計的な手法を用いることになる。しかし、効率的かつ高精度な統計的解析を行うためには、物理ならびに電気的なプロセス・パラメータに対応して内部配線の寄生容量バラツキを考慮しなければならない。標準化されたバラツキ考慮のSPEFフォーマットを使用することにより、寄生抽出ツールは、内部配線のプロセス・パラメータベースの寄生容量値とバラツキ値を持つネットリストを生成することができるようになる。そして、それを解析/シミュレーション/インプリメントの各ツールは簡単に読み込むことができるようになる。

AMD社 上級副社長 Adrian Hartog氏は、次のように語っている。「バラツキ情報を扱える機能拡張がなされた業界標準のSPEFフォーマットは、当社の65nm最先端デザインにとって、計り知れないほど貴重な価値があります。業界共通の標準規格によって、そのフォーマットをサポートしている各種のEDAツールを当社の統計的手法ベースのデザイン・フローの中でシームレスに活用できるようになるからです。当社は、業界のインターオペラビリティを発展させる今回のシノプシス社の技術提供に拍手を贈ります。そして、これが業界で幅広く使用される標準規格として採用されることを楽しみにしています」

シノプシス ストラテジック・マーケット・ディベロップメント担当副社長 Rich Goldmanは、次のように述べている。「今回のSPEF機能拡張は、65nm以降のデザインで顕在化してくるプロセス - そして温度の - バラツキの問題に対処するための必須テクノロジです。このIEEE1481ワーキング・グループとの積極的な強力、そしてバラツキ考慮の共通のSPEF規格の推進は、シノプシスがエレクトロニクス業界でのオープン性とインタオペラビリティの確立に深く関与しているという事実を象徴するものです」

シノプシスについて
Synopsys, Inc. は、電子設計自動化(EDA)ソリューションの世界的リーダーであり、半導体の設計ならびに製造に用いられる各種のツール、設計資産(IP)、サービスを全世界のエレクトロニクス関連企業に提供している。システムレベルHW/SW設計検証、IP 、HWインプリメント、HW検証、HW製造、FPGA設計の各ソリューションで構成されるシノプシスの包括的な統合環境により、顧客企業が設計や製造段階で直面している重要な課題、すなわち消費電力や歩留まりの管理、システム設計段階からシリコン製造段階までを網羅する総合検証、開発期間の短縮といった課題を克服することが可能になる。各種テクノロジを駆使したこれらのソリューションを活用することにより、顧客企業は、開発コストや開発リスクを削減しつつ最高の製品を迅速に市場投入することが可能となり、競争力を高めることができる。カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置き、事業所は北米、ヨーロッパ、日本、アジア、インドなど70ヶ所。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jpより入手可能。

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