ニュースリリース - 2009年6月3日

シノプシスのIC Compilerのマルチコーナー/マルチモード最適化機能によりデザイン収束スピードが2倍に向上

配置配線のやり直しを大幅に削減し、製品信頼性と開発期間の目標を両立

2009年6月2日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - 半導体設計・製造ツールならびにIPの世界的リーダーであるシノプシス（Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS）は本日、ハイエンド・オーディオ機器ならびに高信頼性オートモーティブ機器向けリニア半導体製品大手新日本無線株式会社（以下、新日本無線）が、シノプシス IC Compilerのマルチコーナー/マルチモード（MCMM）最適化機能を活用し、デザイン収束スピードの2倍向上に成功したと発表した。かつて新日本無線では、すべての動作モードやプロセス・コーナーにわたってタイミングを最適化するのに、5～6回の配置配線作業を繰り返してきていた。このことは、テープアウト遅延を引き起こしコストを上昇させる要因であった。IC CompilerのMCMM最適化機能は、すべてのモードとコーナーをコンカレントに最適化できるため、このやり直し作業を回避でき、開発期間を短縮することができた。

新日本無線株式会社　IC事業部　第四設計部　部長　松本正一氏は次のように語っている。「市場参入機会や市場競争圧力は厳しくなる一方です。競争力を維持するためには、これまでの半分の開発期間で、業界最高水準の製品を送り出せるデザイン収束フローをは確立する必要があります。IC CompilerのMCMM同時最適化機能の活用により、当社は自信を持って、かつ短期間で開発目標を達成することができました」

非常に競争が厳しいハイエンドのコンシューマ機器/自動車機器のマーケットで生き残っていくために、新日本無線では、高精度でかつ信頼性の高い最終製品を市場に送り出していく必要がある。同社が手がける複雑な半導体製品は、すべてのモードで正確に動作することが要求され、あらゆるプロセス・コーナーで100%の信頼性を保っていなければならない。同社は、年間にいくつもの製品を次々とテープアウトしなければならないため、一回のデザインで許される配置配線作業期間はわずか6週間程度である。タイミング収束までに何度も配置配線のやり直しをしていては、この厳しい開発スケジュールを達成することはできない。IC Compilerは、あらゆるモードとコーナーそして設計コストをコンカレントに解析し最適化するMCMM同時最適化機能により、同社がまさに必要としていたソリューションを提供した。IC Compilerには、業界標準サインオフ・ツールであるPrimeTimeの解析結果と緊密な相関性を持つ、配置エンジンやDFMにフォーカスした配線エンジンZrouteという非常に強力なコア・エンジンが搭載されており、これにより、デザイン収束にかかる期間を正確に予測しつつ短縮し、最適な設計結果を実現することができる。

シノプシス　マーケティング&ビジネス・ディベロップメント・グループ　プロダクト・マーケティング担当副社長のBijan Kianiは次のように述べている。「MCMM最適化は、いまや必須の設計要件となっています。IC Compilerが提供しているMCMM同時最適化機能は全世界の何十にも昇る企業から高い評価を頂戴しており、複雑なデザインのテープアウト成功に寄与しています。新日本無線様に、この機能をご活用いただき、デザイン収束までの期間短縮をご実感いただけたことをうれしく思っています」