ニュースリリース - 2009年5月28日

シノプシス、新しいSATA 6Gbpsデータ転送レートに対応したSATA IPを提供開始

DesignWare SATAコントローラが次世代半導体ドライブ(SSD)や
大規模ストレージ制御向けSoCのための高性能なデータ転送能力を提供

2009年5月27日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - 
半導体設計・製造ツールならびにIPの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は、本日、Serial ATA(SATA) 3.0仕様に準拠した最新のSATA 6ギガビット/秒 データ転送レートを実現するDesignWare SATA AHCIホスト・コントローラIPとデバイス・コントローラIPの提供を開始すると発表した。この転送速度は、前仕様(SATA 2.6)の2倍に相当する。DesignWare SATA IPにより、6Gbpsのデータ転送能力を持つインターフェイスを半導体ドライブ(SSD:Solid State Drive)や大規模ストレージ・システム向けSoCに非常に迅速に組み込むことが可能になる。シノプシスは、このSATA 6Gbps転送能力を、6月2日から6日にかけて台湾で開催されるComputexのSATA-IOブースで実演する。

SATA 6Gbpsデータ転送レート対応DesignWare SATAデバイス・コントローラには、SATA 3.0仕様で実現される各種の機能が組み込まれている。新しいストリーミングNative Command Queuing(NCQ)や、パワーマネージメント・モードなどである。

ストリーミングNCQのサポートにより、一定時間あたりのデータ転送量が保障されるため、音声や動画のストリーミング・サービスの品質が向上する。

また、より高い消費電力効率が求められるシステムに対しては、DesignWare SATAコントローラは、アクティブ・モードを飛び越して一部停止モードから完全停止モードへの直接遷移を可能にするパワーマネージメント機能を提供する。

さらに、公開規格に基づいて正しく定義されたDMAエンジンも組み込まれているため、大容量ストレージ・デバイスへのデータの呼び出しと応答にかかる時間とCPU処理時間を最小に抑えて最適なシステム性能を実現することができる。

VMM(Verification Methodology Manual)に準拠して開発されたDesignWare SATA検証用IPも付属しているため、検証を強力にサポートするSystemVerilogテストベンチも迅速に作成できる。

Global Unichip社 プロダクト・マーケティング・ディレクターのPercy Tan氏は次のように語っている。「当社は、業界を代表するファブレス・デザイン・インテグレータとして、高品質なデザインを顧客企業にお届けする使命を担っています。シノプシス社は、実績のあるIPプロバイダであり、実チップで実証済みの同社のDesignWare SATA IPソリューションを最先端のSDD向けSoCデザインに活用することにより、当社と顧客企業は、複雑なSoCの開発リスクと開発コストを大幅に軽減し、開発期間を短縮することができます」

SSDやハードディスク・ドライブやホスト・ストレージ・コントローラなどの大容量ストレージ・デバイスでは、処理速度/キャパシティ/バッテリ駆動時間の向上がますます求められるようになっており、SATAインターフェイスは、そうした要請に応えるべく日々進化を続けている。SATA 3Gbpsデータ転送レートではもはや性能不足をきたしているため、SATA 6Gbpsインターフェイスはさらに広い帯域に対応し、600MB/秒もの書き込み・読み出し速度を実現するものとなっている。また、この最新仕様は、SATA 1.5Gbpsや3Gbpsインターフェイスとの下位互換を持っているため、設計者は、以前に開発したSATA製品との互換性を保ちつつ、より高速なデータ転送機能へ簡単に移行することができる。

SATA-IO委員会代表のMarc Noblitt氏は次のように語っている。「シノプシス社がSATA 3.0仕様に準拠したIPを提供することにより、設計業界ではこの新しいSATAインターフェイスをすぐに活用できるようになり、6Gbpsという高速転送のメリットを享受することができるようになります。SATA-IO加盟企業各社が、ストレージ・インターフェイスにSATAを活用することによって、先端技術開発に拍車をかけていくのを楽しみにしています」

LeCroy社 ストレージ・プロトコル製品プロトコル・ソリューション・グループ・ディレクターのKevin Kearney氏は次のように語っている。「シノプシス社は、SATA IPのリーディング・プロバイダであり、SATA 3.0仕様に則った高い性能と品質を備えたDesignWare IPの開発に当たって、広範囲に及ぶ検証プロセスを実行されています。シノプシス社は、同社の検証工程の一部に当社のプロトコル・アナライザを加えることにより、DesignWare SATA IPなら6Gbpsもの高速転送で必要とされるプロトコル要件をすべて満たしているという信頼感を、世の設計者に提供しているのです」

シノプシス ソリューション・グループ マーケティング担当副社長のJohn Koeterは、次のように述べている。「次世代のSSDや大規模ストレージを制御するには、より広い帯域、より優れた電力効率、より高い信頼性などが必須となるため、ストレージ業界では飛躍的な技術革新が求められています。多くの企業は、そのような大容量ストレージ・デバイスを制御する高性能SoCに最新のSATA 6Gbpsインターフェイスを組み込みたいのです。だからこそシノプシスは、ここにいます。より短い開発期間かつより低い開発リスクで最新のSATAの機能を迅速に実現できる高品質で実チップ実証済みのIPソリューションをお届けするのがシノプシスの使命なのです」

シノプシスは、ホスト・コントローラIP、デバイス・コントローラIP、PHY、検証用IPからなる完全なDesignWare SATA IPソリューションを設計者に提供している。それらは実チップで実証済みのIP群であり、量産用途にすぐに適用できる。このソリューションは、SATA-IO Building Blockインターオペラビリティ・テストで、SATA 3Gbpsデータ転送に合格している。6Gbpsのデータ転送については、インターオペラビリティ・テスト基準が整い次第参加する。シノプシスは、2009年6月にカリフォルニアで開催されるSATA-IO Plugfest and Interoperability WorkshopにDesignWare SATA IPソリューションで参加する。

出荷時期
SATA 6Gbps対応のDesignWare SATA AHCIホスト・コントローラIPとデバイス・コントローラIP、ならびに検証用IPは、すでに提供を開始している。

デジタル・コントローラ/PHY/検証用IPからなる包括的なDesignWare SATA IPソリューションの詳細情報は、http://www.synopsys.com/sata/より入手可能。

DesignWare IPについて
シノプシスは、SoC開発に欠かせない高品質かつシリコン実証済みのインターフェイスIP/アナログIP群のリーディング・プロバイダである。

シノプシスが提供する多岐にわたるDesignWare IP群は、USB/PCI Express/DDR/SATA/HDMI/Ethernetといった業界で広く採用されているプロトコルを実装するためのコントローラ/PHY/検証用IPからなる完全なコネクティビティIPソリューションである。アナログIPは、アナログ・デジタル・コンバーター、デジタル・アナログ・コンバータ、オーディオ・コーデック、ビデオ・アナログ・フロントエンド、パワー・マネージメント・ソリューション、他で構成されている。さらに、シリコン完成前の段階でソフトウェア開発を開始するために必要となるバーチャル・プラットフォームを作成するためのSystemCベースのトランザクション・レベル・モデル群も提供している。DesignWare IPは、信頼性の高い開発手法、品質確保のための巨額の投資の所産であるだけでなく、包括的な技術サポートとともに提供されているため、設計者は、IP統合リスクを最小化し、最終製品の市場投入までにかかる期間を短縮することができる。詳細情報はhttp://www.synopsys.com/designwareより入手可能。

シノプシスについて
Synopsys, Inc. は、電子設計自動化(EDA)ソリューションの世界的リーダーであり、半導体の設計ならびに製造に用いられる各種のツール、設計資産(IP)、サービスを全世界のエレクトロニクス関連企業に提供している。システムレベルHW/SW設計検証、IP 、HWインプリメント、HW検証、HW製造、FPGA設計の各ソリューションで構成されるシノプシスの包括的な統合環境により、顧客企業が設計や製造段階で直面している重要な課題、すなわち消費電力や歩留まりの管理、システム設計段階からシリコン製造段階までを網羅する総合検証、開発期間の短縮といった課題を克服することが可能になる。各種テクノロジを駆使したこれらのソリューションを活用することにより、顧客企業は、開発コストや開発リスクを削減しつつ最高の製品を迅速に市場投入することが可能となり、競争力を高めることができる。カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置き、事業所は北米、ヨーロッパ、日本、アジア、インドなど70ヶ所。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jpより入手可能。

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<お問い合わせ先> 

日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充
TEL: 03-5746-1780   FAX: 03-5746-1781