ニュースリリース - 2008年12月18日

ユーザーの要望に応えてVMMの新機能をリリース

業界で最も多くの実績を持つVMMに新しい標準ライブラリとアプリケーションを追加

2008年12月17日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - 半導体設計ツールの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、業界に最も広く普及している検証メソドロジ VMMの機能拡張を発表した。新たに提供されるのは、マルチストリーム・シナリオ・ジェネレータ、トランザクタ・イタレータ、コマンドライン・オプション・マネージャである。これらによって、ブロックレベルからシステムレベルへの検証環境の拡張が容易になり、使い易さ、検証生産性が向上する。また、新しいVMMアプリケーションとして、パフォーマンス・アナライザ・アプリケーションも提供開始となる。これにより、チップ上の共有デザインのパフォーマンス解析が可能になり、さらなる設計生産性の向上が実現する。今回の機能拡張により、ますます複雑化する検証環境の構築効率が加速する。

ナショナル・セミコンダクター社 デザイン・オートメーション・グループ ディレクターのSury Maturi氏は次のように語っている。「他の競合する検証メソドロジとVMMを徹底比較した結果、当社は、IPやマイクロコントローラの検証効率向上のためVMMを社内標準ソリューションとして採用することにしました。今回のVMM機能拡張には、検証期間のさらなる短縮を実現してくれる多くの改善が施されています。例えば、マルチストリーム・シナリオ・ジェネレータや新しいテスト・ストラクチャを使用することにより、管理し易い洗練されたシナリオを作成することができ、拡張性も高まり、スティミュラスの再利用も容易になりました」

ベリラボ社 コンサルティング担当副社長のJason Sprott氏は次のように語っている。「国際的なハイエンド機能検証コンサルティング・サービス企業として、当社は顧客企業の世界規模のプロジェクトを支援するためにVMMを採用しています。検証メソドロジの実践に豊富な経験を持つ当社は、VMMの技術革新を促し、今回の機能拡張にも貢献してまいりました。今回の改善により、検証環境の拡張性が飛躍的に高まり、環境構築をシンプルに進めることができるようになります。設計チームにとっては、これまでよりも遥かに検証プロセスを効率化できるようになります」

パラダイム・ワークス社 社長兼CEOのMichael Hoyt氏は次のように語っている。「今日の非常に厳しい開発スケジュールを全うするためには、実製品への適用実績を持つ実証済みの堅牢な検証メソドロジが必須となります。そして、その適用を容易にするためには、優れたエコシステムの存在も同様に重要です。VMMは業界内で最強のエコシステムを提供しているだけはなく、検証に非常に役立つアプリケーション群も豊富に提供してくれます。当社は、検証生産性を向上するアプリケーションの提供にフォーカスするため、これまでも、そしてこれからも、この拡大し続けるエコシステムの一員であり続けます」

拡張性の向上
今回の新機能の一つであるマルチストリーム・シナリオ・ジェネレータは、マルチストリーム・シナリオの階層化と制御を容易にするため、ブロックレベルからシステムレベルへの検証環境の拡張が容易になる。マルチストリーム・シナリオ・ジェネレータは、種々雑多なトランザクション・シーケンスの生成・制御・スケジューリングを容易にする手法を提供する。マルチストリーム・シナリオを実施することにより、検証環境上に散らばる複数のチャネル上に調和の取れたスティミュラスを発生させることができる。

使い易さの向上
トランザクタ・イタレータを使用すれば、一つのトランザクタのコンフィギュレーションに必要になるのと同数程度のコードを使用して、同じやり方で複数のトランザクタをコンフィギュレーションできるため、トランザクタ・コンフィギュレーション作業が非常にシンプルになる。また、コマンドライン・オプション・マネージャを使用すれば、記述されたコマンド・オプションあるいはオプション・ファイルから選択したコマンド・オプションのチェックが容易になるため、担当業務の異なるチーム間にまたがる複雑な検証環境の管理をシンプルに行えるようになる。

検証生産性の向上
パフォーマンス・アナライザ・アプリケーションは、共有リソースの使用状況や、アービタやスレーブの応答時間や、機能ブロックの処理時間などの機能カバレッジ指標を統計的に測定する機能を提供する。これらのパフォーマンス・データは、複数のシミュレーション結果から計算され、パフォーマンス指標はテキストあるいはグラフィカル表示でレポートされる。

今回の機能拡張は、新しいベースクラスも提供しており、これを使用すれば、テスト作成者は全てのテストのコンパイルとエラボレートを一度に行うことができ、実行すべきテストをシミュレーション時に選択することができるようになる。そのため、リグレッション・テストにかかる時間を短縮することができる。さらに、チャネルのレコード/リプレイ機能により、リグレッション・テストを一度行えば、その後に同じ検証環境上で特定の機能をテストする際にスティミュラス・ジェネレータを使わずテストをリプレイできる。

シノプシス ベリフィケーション・グループ 上級副社長兼ジェネラル・マネージャー Manoj Gandhiは次のように述べている。「SystemVerilogは業界に広く普及してきました。当社は、お客様が直面する検証課題の増大に対処するため、技術開発投資を増やし、業界での技術的優位性を維持してまいります。今回のVMM機能拡張は、シノプシスとお客様ならびにパートナー企業各社との技術革新に向けた協業の成果です。これにより、単一の検証メソドロジ標準を確立するための基礎は一層固まりました」

VMMについて
VMMにより、チップ開発チームは、トランザクションレベル/カバレッジドリブン/制約条件付きランダムテスト/アサーションベースといった検証テクニックを駆使した包括的な検証環境をSystemVerilogで構築できるようになる。また、VMMは、相互運用できる検証コンポーネントを作成するためのライブラリ・ビルディング・ブロックも提供する。VMM機能拡張は、それまでの機能との互換性を保っており、SystemVerilogに完全準拠しており、オープンソースで提供される。今回の拡張機能は、http://www.vmmcentral.org.よりダウンロードできる。

シノプシスについて
Synopsys, Inc. は、電子設計自動化(EDA)ソリューションの世界的リーダーであり、半導体の設計ならびに製造に用いられる各種のツール、設計資産(IP)、サービスを全世界のエレクトロニクス関連企業に提供している。システムレベルHW/SW設計検証、IP 、HWインプリメント、HW検証、HW製造、FPGA設計の各ソリューションで構成されるシノプシスの包括的な統合環境により、顧客企業が設計や製造段階で直面している重要な課題、すなわち消費電力や歩留まりの管理、システム設計段階からシリコン製造段階までを網羅する総合検証、開発期間の短縮といった課題を克服することが可能になる。各種テクノロジを駆使したこれらのソリューションを活用することにより、顧客企業は、開発コストや開発リスクを削減しつつ最高の製品を迅速に市場投入することが可能となり、競争力を高めることができる。カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置き、事業所は北米、ヨーロッパ、日本、アジア、インドなど70ヶ所。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jpより入手可能。

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日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充
TEL: 03-5746-1780   FAX: 03-5746-1781