ニュースリリース - 2008年11月13日

シノプシス、デバイス・コントローラ、PHY、検証用IPからなる完全なSuperSpeed USB IPソリューションを発表

DesignWare SuperSpeed USB IPソリューションにより、高性能SoCを実現するIPの統合が容易に

2008年11月12日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - 半導体設計・製造ツールならびにIPの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、デバイス・コントローラ/PHY/検証用IPを全て単一ベンダから提供する、完全なSuperSpeed USB (USB 3.0) IPソリューションを発表した。このソリューションは、組み込みソフトウェアの早期開発を支援するSuperSpeed USBバーチャル・プラットフォームならびにドライバも提供する。SuperSpeed USBを組み込んだデザインの開発に必要な、これら全ての要素を単一のベンダから入手する事により、設計者は、開発コンセプトの段階からハードウェア・インプリメンテーションとソフトウェア開発の段階に至るまで、開発プロセスを迅速に進めることができるようになる。シノプシスは、この10年の間にUSB IPの代表的プロバイダとしての地位を確立しており、今回のDesignWare SuperSpeed USB IPソリューションにより、そのIPソリューション・ポートフォリオを一層拡大することになるが、今回のソリューションにより、設計者は、最先端のUSB 3.0の機能をシステムオンチップ(SoC)に組み込む際のリスクとコストを削減できるようになる。DesignWare SuperSpeed USB デバイス・コントローラ IPは、11月17日と18日に米国 カリフォルニア州 サンノゼで開催されるSuperSpeed USB Developers Conferenceにて、デモ公開される。

最新鋭のビデオ録画再生機器や、ポータブル・メディア・プレーヤー、スマートフォンなどの機器で楽しむための動画や画像、音楽などのデータを短時間で機器に取り込みたい消費者にとっては、より帯域の広いインターフェイスが必要になる。USB Implementers Forum(USB-IF)が策定するUSB 3.0仕様に準拠したSuperSpeed USB標準は、こうした要求に応えて、PCとこれらの機器の間で高速な“Sync-and-go”機能を実行できる、より広い帯域を持ったインターフェイスを実現するための規格である。SuperSpeed USBは、現行のHi-Speed USB(USB 2.0)に比べて、10倍以上ものデータ転送レートを提供できる。例えば、データ容量27GBの高詳細な動画をPCからこれらの機器に転送する場合、Hi-Speed USBインターフェイスでは約14分を必要とするが、SuperSpeed USBインターフェイスなら約1分で終了する。SuperSpeed USBは、前世代のUSBとの下位互換を保っているため、使い易さとプラグ・アンド・プレイを提供し、既存のUSB機器との互換性を維持できる。

USB-IFの議長を務めるJeff Ravencraft氏は次のように語っている。「シノプシス社は、USB関連IP群の長年にわたる開発実績を持ち、成功を収めてきた企業であり、同社の貢献によりUSB標準規格の市場への普及が促進されてきました。同社のDesignWare SuperSpeed USB IPソリューションにより、設計者は、その広帯域と低消費電力特性をSuperSpeed USBに取り込み、目的のアプリケーション実現のために活用できるようになります」

DesignWare SuperSpeed USB IPソリューションが提供するデバイス・コントローラ IPとPHY IPは、シノプシスが

Hi-Speed USB分野でリードしてきたテクノロジをベースに開発されている。このテクノロジは、数百ものデザインのシリコン成功と量産で実証されている。デバイス・コントローラ IPは、二つのパワーレールを用いるなどのローパワー最適化が施されているため、設計者はバッテリー駆動時間を最大化する事ができる。また、UPF形式のローパワー設計情報が付帯しているため、設計者は、シノプシスのEclypseローパワー・ソリューションを用いて、ダイナミック電流とリーク電流を徹底して制御する強力なパワーマネージメント手法を適用したインプリメントを自動化できる。PHY IPは、最先端のファウンダリのプロセス向けにGDSⅡデータで提供される高速なデジタル回路、アナログ回路、PLL、I/Oパッドで構成されている。これにより、設計者は、IPの構成要素を異なるベンダからバラバラに購入して統合する場合に付き物の膨大な時間、コスト、リスクを回避することができる。検証用IPは、全ての主要なシミュレータをサポートしており、VMM対応機能を備えているため、設計者は、SuperSpeed USBをSoCに組み込んだ場合の接続性の検証を迅速に実行できる。Linuxドライバと、SuperSpeed USBバーチャル・プラットフォームで提供されるSystemCトランザクションレベル・モデルにより、SoCハードウェアや、そのFPGAプロトタイプが完成する数ヶ月前の段階で、IPの統合作業と平行してソフトウェア開発を開始することができる。このため、製品開発期間を大幅に短縮でき、製品の市場投入までにかかる期間を早めることができる。

さらにシノプシスは、USBソフトウェア・ソリューションの代表的プロバイダであるMCCI社との協業を通じて、SuperSpeed USB関連のその他のソフトウェアやドライバのオプションも提供していく。デバイス・ファームウェア、ホストクラス・ドライバや、ソフトウェアのカスタマイズ・サービスなどである。

MCCI社 CEOのTerry Moore氏は次のように語っている。「シノプシス社は、USB IPのテクノロジ・リーダーです。当社は、DesignWare SuperSpeed USB デバイス・コントローラ IPとMCCI USB DataPumpR組み込みデバイス・ソリューションを組み合わせてご提供していくため、シノプシスとの協業を続けてまいります。お客様は、当社の様々なソフトウェアやサービスをDesignWare SuperSpeed USB IPと組み合わせてご利用いただくことにより、既に標準化が済んでいるUSBに関連するソフトウェアの開発に注力するのではなく、自社の製品差別化に寄与する部分の開発に集中できるようになるのです」

シノプシス ソリューション・グループ副社長 John Koeterは次のように述べている。「当社はUSB IPのリーディング・カンパニーであり、包括的で堅牢なSuperSpeed USB IPソリューションをご提供しサポートしていくのに必要となる専門技術を備えています。当社の高品質なDesignWare SuperSpeed USB IPソリューションをお使いいただけば、設計者の皆様は、SuperSpeed USB機能を組み込んだ製品を自信を持って世に送り出していただくことができます。そして、非常に厳しい市場参入機会を逃すことなく成功を収めていただくことができます」

出荷時期
DesignWare SuperSpeed USBのデバイス・コントローラ IP、PHY IP、検証用IP、バーチャル・プラットフォーム、ドライバは、2009年の後半に提供を予定してる。詳細情報は以下のURLより入手可能。

http://www.synopsys.com/jp2/IP/InterfaceIP/USB/Pages/default.aspx
また、USB IPのブログも以下のURLにて公開されている。

DesignWare IPについて
シノプシスは、SoC開発に欠かせない高品質かつシリコン実証済みのデジタル/ミックスドシグナルIP群ならびに検証用IP群を広範囲にわたって提供している。シノプシスはコネクティビティIPのリーディング・プロバイダでもあり、USB/PCI Express/SATA/Ethernet/DDRといった業界で広く採用されているプロトコルを実装するための最も包括的なIPソリューションを提供している。シノプシスは、コネクティビティIPに留まらず、シリコン完成前の段階でソフトウェア開発を開始するために必要となるバーチャル・プラットフォームを作成するためのSystemCベースのトランザクション・レベル・モデル群も提供している。DesignWare IPは、信頼性の高い開発手法、品質確保のための巨額の投資の所産であるだけでなく、包括的な技術サポートとともに提供されているため、設計者は、IP統合リスクを最小化し、最終製品の市場投入までにかかる期間を短縮することができる。詳細情報はhttp://www.synopsys.com/jp2/IP/Pages/default.aspxより入手可能 。

シノプシスについて
Synopsys, Inc. は、電子設計自動化(EDA)ソリューションの世界的リーダーであり、半導体の設計ならびに製造に用いられる各種のツール、設計資産(IP)、サービスを全世界のエレクトロニクス関連企業に提供している。システムレベルHW/SW設計検証、IP 、HWインプリメント、HW検証、HW製造、FPGA設計の各ソリューションで構成されるシノプシスの包括的な統合環境により、顧客企業が設計や製造段階で直面している重要な課題、すなわち消費電力や歩留まりの管理、システム設計段階からシリコン製造段階までを網羅する総合検証、開発期間の短縮といった課題を克服することが可能になる。各種テクノロジを駆使したこれらのソリューションを活用することにより、顧客企業は、開発コストや開発リスクを削減しつつ最高の製品を迅速に市場投入することが可能となり、競争力を高めることができる。カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置き、事業所は北米、ヨーロッパ、日本、アジア、インドなど70ヶ所。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jpより入手可能。

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Synopsys、DesignWareおよびEclypseは、Synopsys, Inc.の登録商標です。
SystemCは、Open SystemC Initiativeの商標であり、ライセンス契約に基づいて使用されています。
その他の商標や登録商標は、それぞれの所有者の知的財産です。

<お問い合わせ先> 

日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充
TEL: 03-5746-1780   FAX: 03-5746-1781