ニュースリリース - 2008年5月29日

シノプシス、VMM標準ライブラリとVMM Applicationを -- Apacheオープンソース・ライセンス方式で公開

新しく公開されるWebサイト“VMM Central”より無償ダウンロード可能

2008年5月28日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 -半導体の設計・製造ツールならびにIPの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、VMM for SystemVerilogベースのテストベンチの完全実装に必要となるソースコード(VMM標準ライブラリやVMM Applicationなど)をApache 2.0オープンソース・ライセンス方式で公開すると発表した。シノプシスは先日、検証手法の標準化活動を促進するために、これらの包括的なVMM(Verification Methodology for SystemVerilog)資産をAccelleraの標準化グループに寄贈している。シノプシスが今回行ったオープンソース化により、業界で多数にのぼるVMMユーザーやVMMベースのソリューション・プロバイダは、Accelleraの標準化活動開始後まもなく、数年間にわたるVMMメソドロジ開発の成果を活用できるようになる。公開されるシノプシスの包括的なVMM資産は、http://www.vmmcentral.orgより無償でダウンロードできる。

AMD社 Verification Center of Expertiseディレクター Paul Tobin氏は次のように語っている。「SoCの複雑化は凄まじいスピードで進行しており、それに伴いテストベンチの複雑化も急速に進んでいます。そのため、SoC開発者にとって、チップレベルで利用できる再利用可能な検証用IP(VIP)の重要性は極めて高いものになっています。シノプシス社が、VMM資産をオープンソースとして公開し、AccelleraのVIP Technical Subcommittee(TSC)に寄贈してくれたことにより、EDAツールとそのユーザーが必要としている検証手法の標準化とオープンなインターオペラビリティは大きく進展するでしょう」

シノプシス ベリフィケーション・グループ 上級副社長兼ジェネラルマネージャー Manoj Gandhiは次のように述べている。「VMM資産をApacheライセンス方式で公開することにより、世界各国で数百もの検証プロジェクトを成功に導いてきた実績のあるメソドロジを広く業界全体で活用できるようになります。今回のオープンソース化は、Accelleraが目指している検証インターオペラビリティの確立を支援するものです。Accelleraが進める検証手法の標準化により、ユーザーはVMMベースの検証環境や検証コンポーネントを、より容易に共有できるようになるからです」

VMM資産を自由にダウンロード/習得/参加できるVMM Centralサイト
VMM Centralは、VMMを活用している設計者のための包括的なオンライン・コミュニティ・サイトである。同サイト
http://www.vmmcentral.org よりダウンロードできる包括的なVMM資産は下記のとおりである。

  • VMM標準ライブラリ
  • VMMレジスタ・アブストラクション・レイヤ・アプリケーション
  • VMMリユーザブル・エンバイロメント・コンポジション・アプリケーション
  • VMMメモリ・アロケーション・マネージャ・アプリケーション
  • VMMハードウェア・アブストラクション・レイヤ・アプリケーション
  • VMMデータ・ストリーム・スコアボード・アプリケーション
  • VMMマクロ・ライブラリ


またVMM Centralでは、既存のVMMユーザーや、これからVMMを採用するユーザーの生産性向上を支援するため、上記以外にもさまざまな情報を公開している。主なものは下記のとおりである。

  • VMM標準ライブラリとVMM Applicationの関連ドキュメント
  • RALGENやVMMGENなど、短期間での検証環境構築を支援するVMMユーティリティ
  • VMM環境例
  • 検証計画言語仕様HVP
  • ユーザー投稿論文ならびに各種技術論文
  • VMMユーザー・ディスカッション・フォーラム
  • Verification Methodology for SystemVerilogの執筆者の一人であり、シノプシス・フェローであるJanick Bergeronが主催するブログ “Verification Martial Arts”


多数の実績と高い信頼のVMMメソドロジ
VMMは、2005年の提供開始以来、世界各国の数百もの検証チームで活用され、その検証プロジェクトを成功に導いてきた。また、シノプシスのユーザーズ・ミーティング(SNUG=Synopsys Users’ Group)を始めとする各種のイベントでは、VMMに関する技術論文やチュートリアルの発表が50以上も行われている。検証課題克服のためにVMMを使用している企業、VMMの発展に貢献している企業の一部は下記のとおりである。
Alacritech、AMD、Analog Devices、ARM、Axis Communication、Broadcom、Commex Technologies、CreVinn Teoranta、Denali、Emulex、Enterasys Networks、Ericsson、Faraday Technology、Fore River Group、General Dynamics、HCL Technologies、HiSilicon Technologies、Innovative Logic、Integrated Device Technology、Intellon、ITT Corporation、Jen2、LOA Technologies、Mindtree Consulting、Neterion、NextIO、株式会社沖ネットワークエルエスアイ、Patni、Ross Video、Silicon Logic Engineering、Solarflare Communications、株式会社 半導体理工学研究センター(STARC)、Sun Microsystems、SyoSil、Tego、Texas Instruments、Transnoma Medical、Transwitch India、Verivue、Virident Systems、Wavesat Telecom、Wipro Technologies、他多数。

多数のベンダがサポートしているVMM環境
全世界で多数にのぼるEDAベンダ、コンサルタント、トレーニング機関は、VMMカタリスト・プログラムを通じて、VMMが提供するテクノロジや専門知識を活用し、ツールやVIPを開発し、検証トレーニングや検証サービスをSoC開発者に提供している。VMMカタリスト・プログラムには、現在60社以上が参加している。VMMカタリスト・プログラムに参加している企業の一部は下記のとおりである。

Aldec、Avery Design Systems、Blue Pearl Software、Bluespec、Callidus Systems、Certess、ChipRight、Computer Based Education、Contemporary Verification Consultants、Doulos、eInfochips、EVE、JEDA Technologies、Kacper Technologies、Krispan、Masamb Electronics Systems、Mimasic、NoBug、Novas Software、nSys Design Systems、Paradigm Works、Perfectus Technology、Productivity Design Tools、Silicomotive Solutions、Silicon Interfaces、Star-Mountain、Sunburst Design、Sutherland HDL、Synterix、ThurstIC、TransEDA、UV-Tech Consulting & Training、VeriEZ Solutions、Verific Design Automation、Verification Central、株式会社ベリフォア、VeriSure Digital、Winterlogic、XtremeEDA、Zocalo Tech、他多数。

VMMユーザー・フォーラム
シノプシスは、カリフォルニア州アナハイムで開催されるDesign Automation Conference(DAC)の会場にて、2008年6月10日VMMランチ・ミーティングを主催する。このイベントでは、シノプシスとVMMユーザーが実践してきたVMMの拡張メソドロジが発表される。また、VMMの最新情報は、DAC会場のシノプシス・メイン・ブース(ブース No.1349)とシノプシス標準化活動紹介ブース(ブース No.1541)でも紹介している。

シノプシスについて
Synopsys, Inc. は、電子設計自動化(EDA)ソリューションの世界的リーダーであり、半導体の設計ならびに製造に用いられる各種のツール、設計資産(IP)、サービスを全世界のエレクトロニクス関連企業に提供している。システムレベルHW/SW設計検証、IP 、HWインプリメント、HW検証、HW製造、FPGA設計の各ソリューションで構成されるシノプシスの包括的な統合環境により、顧客企業が設計や製造段階で直面している重要な課題、すなわち消費電力や歩留まりの管理、システム設計段階からシリコン製造段階までを網羅する総合検証、開発期間の短縮といった課題を克服することが可能になる。各種テクノロジを駆使したこれらのソリューションを活用することにより、顧客企業は、開発コストや開発リスクを削減しつつ最高の製品を迅速に市場投入することが可能となり、競争力を高めることができる。カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置き、事業所は北米、ヨーロッパ、日本、アジア、インドなど70ヶ所。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jpより入手可能。

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<お問い合わせ先> 

日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充
TEL: 03-5746-1780   FAX: 03-5746-1781