ニュースリリース - 2016年8月22日

eWBM社、シノプシスのセキュリティIPソリューションを活用して高度にセキュアなマイクロコントローラのシリコン一発完動を達成

IoT機器のセキュリティ対策に求められる機能を提供する高品質なDesignWareセキュリティIP

概要

  • セキュリティ機能を組み込み、FIDOのU2F(二段階認証システム仕様)に準拠したeWBM社のマイクロコントローラ MS1000の量産デザイン
  • 機密性の高い情報やデータを保護するセキュアな実行環境(TEE:Trusted Execution Environments)を提供するDesignWare tRoot Secure Hardware Root of Trust
  • 標準規格準拠の乱数発生機能を提供するDesignWare True Random Number Generator
  • 暗号化やセキュリティ・プロトコルのプロセッサ負荷を軽減しパフォーマンスを向上させるDesignWare Security Protocol Accelerator


2016年8月18日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 – 
シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、eWBM社が、シノプシスのDesignWare® tRootTM Secure Hardware Root of TrustTrue Random Number Generator (TRNG)Security Protocol Accelerator IPを用いてセキュリティ機能を組み込んだマイクロコントローラ MS1000のシリコン一発完動を達成したと発表した。これらのIPを用いることにより、暗号キーや個人認証情報などの機密性の高い情報に対する侵害の脅威からIoT機器を守るためのさまざまなセキュリティ機能をハードウェア実装することが可能となる。DesignWare Security IPは、業界標準のセキュリティ規格に準拠したセキュリティ機能を提供しており、eWBM社はこれらのIPを活用することにより、同社のマイクロコントローラ MS1000でFast IDentity Online(FIDO) U2F規格認証を達成し、セキュリティ・アタックに対する強固な防衛機能を提供するソリューションをペリフェラル・コンポーネントに頼ることなくシングルチップで提供できることを実証した。

eWBM社 CEO Stephen Oh氏は次のように語っている。「IoT機器へのセキュリティ侵害は増加の一途をたどっており、当社が提供するマイクロコントローラにもセキュリティ対策機能を搭載するため、その方面の実績のあるIPプロバイダと協業する必要に迫られていました。シノプシス社は、当社が求めるセキュリティ機能をハードウェア実装するために必要なセキュリティIPを幅広く提供できる唯一のIPプロバイダでした。DesignWare IPの組込みはたった数日で完了でき、堅牢で規格認証済みのセキュリティ機能を搭載したマイクロコントローラをスケジュールどおりに市場投入することができました。この成功体験から、当社ではシノプシス社のDesignWare IPを新しいMS500/MS300マイクロコントローラにも採用していくことを即時決定しました。高品質で豊富な実績を持つDesignWare IPは、今後も当社の設計ニーズを満たしてくれるでしょう」

マイクロコントローラ MS1000には、複数のDesignWare Security IPが組み込まれており、セキュア・ブート、セキュア認証、データ整合性リアルタイム・モニタリング、暗号キーや機密性の高い情報を安全に管理するためのセキュア・ストレージ、さらにはハードウェア・アクセラレーションといった機能を提供している。

DesignWare tRoot Secure Hardware Root of Trustは、TEE構築のためのセキュリティ機能を提供しており、コネクティッド・デバイスのセキュア環境下での起動、識別、認証、通信を可能とする。 DesignWare True Random Number Generator(TRNG)を組み込むことにより、セキュリティ標準とプロトコルの確立に不可欠な要素となる業界標準規格準拠の高品質な乱数生成機能を実装できる。TRNGは、完全にデジタル回路で構成されており、ノイズ・ソースとホワイトニング回路の組み合わせにより、乱数ストリームのシーディングを自動化する。
*訳注

コンフィギュアブルなDesignWare Security Protocol Accelerator(SPAcc)は、バス・トラフィックを軽減し、効率的なデータ配列、暗号化の並列処理やハッシュ化などを駆使してスループットを向上させる。
*訳注

乱数発生器は、通常アナログ回路でノイズを発生(ノイズ・ソース)させ、これをランダムに入力させることで乱数を作る(乱数ストリームをシードする)。シノプシスのTRNGは完全にデジタル回路で設計されており、ノイズ・ソースもデジタル回路で行うため、アナログ回路の場合に発生する半導体プロセスの制限がなくなる。シーディングの解析のヒントになるようなパターンを除去するホワイトニング回路も内蔵している。

シノプシス IP&プロトタイピング マーケティング担当副社長 John Koeterは次のように述べている。「セキュリティ対策をきちんと施しておくことはIoT機器の発展の大前提となるものです。SoCデザインの根幹部分にセキュリティ機能を組み込んでおくことによって、ライフサイクルを通してIoTデバイスを保護することが可能となります。シノプシスは、tRoot Secure Hardware Root of Trust、TRNG、SPAccなどのセキュリティIPを幅広くご提供しており、これによりeWBM様をはじめとする企業各社に、急増するセキュリティ犯罪からコネクティッド・デバイスを守るための高度にセキュアなシステムを構築するソリューションをお届けしています」

提供開始時期ならびに参考情報
DesignWare tRoot Secure Hardware Root of Trust、True Random Number Generator(TRNG)、Security Protocol Accelerator(SPAcc)は、既に提供を開始している。


DesignWare IPについて
シノプシスは、システムオンチップ向けの高品質かつシリコン実証済みIPのリーディング・プロバイダである。シノプシスの多岐にわたるDesignWare IP群は、ロジック・ライブラリ、組込みメモリー、組込みテスト、アナログIP、有線・無線通信向けインターフェイス(業界標準プロトコル)IP、セキュリティIP、組込みプロセッサ・コアとそのサブシステムで構成されている。IPに関連するソフトウェア開発とハードウェア/ソフトウェア統合を容易にするため、シノプシスのIP Acceleratedイニシャティブは、IPプロトタイピング・キット、IP向けソフトウェアの開発キット、IPサブシステムを提供している。DesignWare IPは、信頼性の高い開発手法、品質確保のための巨額の投資の所産であるだけでなく、包括的な技術サポートとともに提供されているため、設計者は、IPのSoCへの統合リスクを最小化し、最終製品の市場投入までにかかる期間を短縮することができる。詳細情報はhttp://www.synopsys.com/designwareより入手可能。

シノプシスについて
Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、ソフトウェア品質/セキュリティ・ソリューションの分野でも業界をリードしており、世界第15位のソフトウェア・カンパニーとなっている。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、最高レベルの品質とセキュリティが要求されるアプリケーション・ソフトウェアの開発者に、高品質で信頼性の高い革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。詳細な情報は、 http://www.synopsys.com/japan より入手可能。

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Synopsysは、Synopsys, Inc.の登録商標です。 
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<お問い合わせ先>

日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充 
TEL: 03-6746-3940  FAX: 03-6746-3941