ニュースリリース - 2014年2月28日

シノプシス、ARC プロセッサ・ベースSoC向けソフトウェアの開発期間を短縮するDesignWare ARC Software Development Platformを発表

各種のARCプロセッサやペリフェラル、オペレーティングシステム、ソフトウェア開発ツールを組み込んだ事前検証済みのハードウェア/ソフトウェア・プラットフォームにより、高効率のソフトウェア開発を直ちに開始

概要

  • 各種ハードウェア/ソフトウェアを統合したDesignWare ARC Software Development Platformにより、ARC 600、700、AS221BD、EM、HSプロセッサ・ベース・デザイン向けのソフトウェア開発期間を短縮
  • 各種ARCプロセッサと、DesignWare USB、Ethernet、UART、GPIO、SPI、I2C、Secure Digitalなどの幅広いペリフェラル群からなるシリコン実証済みハードウェアにより、完全なソフトウェア開発環境を提供
  • LinuxやMQXといったオペレーティング・システム、各種デバイス・ドライバ、リファレンス・アプリケーション・ソフトウェアを事前検証完了後に提供することにより、生産性の高いソフトウェア開発作業が直ちに開始可能
  • シノプシスのMetaWare DevelopmentツールキットやオープンソースのGNUツールチェーンのサポートにより、組込みソフトウェア向けに最適化された開発/デバッグ/プロファイリング環境を提供
  • HapsTrakコネクタも搭載しているため、シノプシスのFPGAベース・ハードウェア・プロトタイピング・ソリューション HAPSを使って、ARCベースSoCのプロトタイプを短期間で作成可能


2014年2月24日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 -
半導体やエレクトロニクス・システムのイノベーションを加速させる開発用ソフトウェア、IP、技術サービスの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、ARCプロセッサ・ベースSoC向けソフトウェアの開発とデバッグにかかる期間を短縮するDesignWare ARC Software Development Platformを発表した。 
提供するのはARC AXS101 Software Development PlatformとAXS102 Software Development Platformで、各種ARCプロセッサ、ペリフェラル、LinuxやMQXといったオペレーティング・システム、各種デバイス・ドライバ、リファレンス・アプリケーション・ソフトウェアを搭載した、完全ですぐに使える開発環境となっている。これにより開発者は、SoCの実機が完成する前段階で早期にソフトウェア開発を開始できるようになる。

また、USB、Ethernet、UART、GPIO、SPI、I2C、Secure Digital(SD)などのDesignWare Interface IPからなる幅広いペリフェラルI/Oのライセンスも用意されているため、開発者は、それらのペリフェラルやデバイス・ドライバをそのままSoCインプリメントに使用でき、開発工数を削減できる。
さらにHapsTrakコネクタも搭載しているため、業界をリードするシノプシス・FPGAベース・ハードウェア・プロトタイピング・ソリューション HAPSを使って、ARCベースSoCのプロトタイプを短期間で作成することができる。

Digilent社 CEOの Clint Cole氏は次のように語っている。「ソフトウェア開発は、多くの場合、SoC開発プロジェクト全体の中で最も困難で最も人員を必要とする作業となります。シノプシス社のARC Software Development Platformは、事前検証済みの統合環境となっているため、ソフトウェア開発者は開発プロジェクトの非常に早い段階でソフトウェア開発を開始し、より短期間で完了できます。ですので、プロジェクト全体の開発工数を削減して、非常に厳しい開発期間目標を達成することができます」

ARC Software Development Platformは、CPUドーターカードを搭載しているため、実際のハードウェア上で実機速度でのソフトウェア開発/バリデーション/コード・ポーティング/デバッグ/解析を実行することができる。

ARC AXS101 Software Development Platformは、ASIC向け実装済みのARC 625D、770D、EM4、EM6、AS221BDプロセッサをサポートするAXC001 CPUカードを提供しており、実機速度での動作環境を確保できる。例えば、ARC 770Dプロセッサの場合800MHzのクロックスピードで動作する。

ARC AXS102 Software Development Platformは、FPGA実装済みのARC HS34とHS36プロセッサをサポートするAXC002 CPUカードを提供しており、高速動作が必要な組込みアプリケーション向けSoCの開発に理想的な開発環境となっている。

ビルトインのHapsTrakコネクタは、ARM® AMBA® AXITMインターコネクトを通じて最大150MHzのスピードを実現する高速接続機構であり、これによりARC Software Development PlatformをシノプシスのFPGAベース・ハードウェア・プロトタイプ HAPSに簡単に接続できる。HAPSには、その他のCPUやペリフェラル、カスタム・ロジックを実装できるため、SoCのシステム構成の全てをプロトタイプ化できる。 

また、Digilent社のPmodTM仕様に準拠したコネクタにより、カスタムメイドや市販のペリフェラルボードへの接続も可能となっている。

さらにシノプシスのARC MetaWare DevelopmentツールキットがARC Software Development Platformをサポートしているため、高度に最適化され、かつハイデンシティなソフトウェア・コードの開発とデバッグが可能となっている。

またオープンソースのGNUツールチェーンやARC MetaWare LightもARC Software Development Platformをサポートしているため、開発者はニーズにあった最適なソフトウェア開発環境を柔軟に構築できる。ARC MetaWare Lightは、ARC MetaWare Developmentツールキットの無償バージョンで、コードサイズ32Kバイトまでのソフトウェア開発に使用できる。

シノプシス IP&システム マーケティング担当副社長 John Koeter は次のように述べている。「組込みデザインが複雑化するのに伴い、開発者にはSoC開発スピードを向上し厳しい開発期間目標の達成を可能にするハードウェア/ソフトウェア統合ソリューションが必要となっています。ARC Software Development Platformは、組込みソフトウェア開発者の皆様にとって、効率的なコーディングを可能にする理想的かつすぐに使用できる開発環境です。当社では、開発プロジェクトに必要な全てのハードウェアとソフトウェアを一つの開発プラットフォームに統合してご提供することにより、組込みシステム開発社の皆様が驚くほど簡単にARCプロセッサ・ベースSoCの開発期間を短縮できる環境を実現しています」

提供時期

  • ARC 625D、770D、EM4、EM6、AS221BDプロセッサ向けAXC001 CPUカードを搭載しているARC AXS101 Software Development Platformは、既に提供を開始している。
  • ARC HS34とHS36プロセッサ向けAXC002 CPUカードを搭載しているARC AXS102 Software Development Platformは、2014年3月からの提供開始を予定している。


DesignWare IPについて

シノプシスは、システムオンチップ向けの高品質かつシリコン実証済みIPのリーディング・プロバイダである。シノプシスの多岐にわたるDesignWare IP群は、デジタル・コントローラIP/PHY/検証用IPからなる完全なインターフェイス (業界標準プロトコル) IP、アナログIP、組込みメモリー、ロジック・ライブラリ、プロセッサ・コアとそのサブシステムで構成されている。IPに関連するソフトウェア開発とハードウェア/ソフトウェア統合を容易にするため、シノプシスは、これらのIPのドライバ・ソフトウェア、トランザクション・レベル・モデルそしてバーチャル・プラットフォームも提供している。また、FPGAベースのハードウェア・プロトタイピング・ソリューション HAPSを使用すれば、開発中のIPとそれを組み込むSoCがシステム全体の仕様に適合しているかどうかのバリデーションを実行できる。さらにバーチャル・プロトタイプ作成ツール Virtualizerを使用することにより、これらのIPあるいはSoC全体に必要となるソフトウェアの開発を、ハードウェア完成後に行う従来手法に比べてはるかに早い段階で開始できる。DesignWare IPは、信頼性の高い開発手法、品質確保のための巨額の投資の所産であるだけでなく、IPプロトタイプおよびソフトウェア開発環境や、包括的な技術サポートとともに提供されているため、設計者は、IPのSoCへの統合リスクを最小化し、最終製品の市場投入までにかかる期間を短縮することができる。詳細情報はhttp://www.synopsys.com/designwareより入手可能。

シノプシスについて
Synopsys, Inc. (Nasdaq上場コード:SNPS) は、グローバル・エレクトロニクス・マーケットでテクノロジ・イノベーションを展開している。そのソフトウェア製品、IP、技術サービスは、エンジニアが直面する設計/検証/システム開発/製造の課題の解決を支援しており、シノプシスは電子設計自動化 (EDA) ならびに設計資産 (IP) のリーディング・カンパニーとなっている。1986年の創業以来、世界中のエンジニアがシノプシスのテクノロジを使用して、何十億もの半導体やシステム機器を設計開発している。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jpより入手可能。

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Synopsysは、Synopsys, Inc.の登録商標です。 
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<お問い合わせ先>

日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充 
TEL: 03-6746-3940  FAX: 03-6746-3941