ニュースリリース - 2026年4月14日

シノプシスのソリューションが宇宙服解析と通信システム開発でNASAのアルテミス計画を支援

シノプシスはEMAおよびBentley Systems傘下のCesiumと連携し、コンポーネントやシステム、月面環境を仮想的に再現することで、機器の機能検証を推進

主なハイライト

  • ヒューストンにあるNASAジョンソン宇宙センターによる、月面環境曝露に起因するアルテミス宇宙服の帯電レベル研究に向けたシノプシスおよびElectro Magnetic Applications社(EMA)の採用
  • 月面でのセルラーネットワーク展開支援に向けた、クリーブランドにあるNASAグレン研究センターにおけるNASA SCaN (Space Communications and Navigation)主導の Lunar 3GPP(Lunar 3rd Generation Partnership Project)へのCesiumおよびシノプシスの参画
  • 模擬月面ミッションにおける宇宙服およびローバー搭載アンテナ性能解析に向けた、NASAグレン研究センターによるシノプシスの電磁界シミュレーションソリューション活用

2026年4月14日カリフォルニア州サニーベール発–NASAは、月面環境との宇宙服の適合性を検証するため、シノプシス(Synopsys, Inc. NASDAQ上場コード: SNPS)およびEMAを選定した。本取り組みは、将来のアルテミス・ミッションに向けたシノプシスの継続的な支援を前進させるものであり、Bentley Systems傘下のCesiumおよびNASAグレン研究センター(Glenn Research Center)と連携し、デジタルツイン技術を用いて月面のセルラー通信システム性能を検証する取り組みも含まれている。

 

EMAとシノプシスの連携は、月面レゴリスによる摩擦帯電や宇宙プラズマ環境に伴う帯電・静電放電(ESD)によって生じるリスクを低減することを目的として、船外活動(EVA)システム、とりわけ宇宙服に焦点を当てている。多層構造のアルテミス宇宙服が月面で受ける帯電レベルを解析することは、ESDによる通信および生命維持に必要なミッション・クリティカルな電子機器への影響を防ぐため、継続的な月面運用における重要な要素である。

 

EMAとシノプシスは、計画されたアプローチの下で、電磁的な帯電および放電を解析するソフトウェアシミュレーションツールである Ansys Charge Plus™を用いた物理ベースの解析ワークフローを適用・開発し、宇宙服材料や積層構造、ならびに代表的な宇宙服構成要素を、関連する月面プラズマ条件下で評価する。Charge Plusは 、プラズマ相互作用、表面帯電、電荷輸送、ならびに静電放電(ESD)を支配する連成物理現象を、複雑かつ多材料で構成されるシステムにおいてモデル化できる能力を有しており、これらの宇宙帯電問題を完全な3次元で解析可能な、現在唯一の商用ソフトウェアである。

 

これらのシミュレーションによる取り組みは、マサチューセッツ州ピッツフィールドにあるEMAの宇宙環境・放射線影響(Space Environment and Radiation Effects:SERE)研究所において実施される試験および検証活動と組み合わされている。同施設は、地上において宇宙プラズマ環境の主要な特性を再現可能な、数少ない設備の一つである。このシミュレーションと試験を統合したワークフローにより、帯電の要因を特定し、設計上のトレードオフを評価するとともに、宇宙飛行士の安全確保およびミッション成功にとって最も重要な領域に検証作業を集中させることが可能となる。

 

EMA CTOであるJustin McKennon氏は、次のように述べている。「アルテミス計画に向けたEVAの即応性向上を進めるNASAジョンソン宇宙センターを支援できることを、大変光栄に思います。試験によって得られたデータとシミュレーションワークフローを組み合わせることで、最も厳しい帯電条件を特定し、材料の積層構成を評価するとともに、重要度の高いポイントに検証作業を集中させることができます」

 

宇宙服の検証に加えて、Cesiumは忠実度の高い3D空間データおよび実在の月面地形を再現したデータをシノプシスのデジタルミッションエンジニアリング環境に統合し、Ansys RF Channel Modeler™ソフトウェアを用いたRF信号伝搬性能の解析を可能にしている。また、Ansys HFSS™シミュレーションソフトウェアは、宇宙服やローバーに搭載される高精度アンテナモデル向けの技術スタックにも採用されており、月面全体にわたるエンドツーエンド通信の評価に役立つ。

 

Bentley Systems チーフ・プラットフォーム・オフィサーであるPatrick Cozzi氏は、次のように述べている。「月面ネットワークを構築するには、まず“デジタルな月”を構築する必要があります。Cesiumの忠実度の高いデジタルツインは、複雑な月面地形における通信信号の性能を仮想環境で検証できる基盤を提供し、ハードウェア配備前にネットワークの信頼性とミッション・クリティカルな通信を確保します」

 

NASAのグレン研究センターのLunar 3GPPチームでは、このソリューションを活用して、現実的な運用シナリオのコンテキストでRFカバレッジを可視化し、検証している。これらの知見は、将来の月面基地外での通信接続を可能にする無線機器の配置設計に活用される。また、月面のクレーターや岩石形成といった地形要素によって生じる潜在的なシャドーゾーン(通信遮断領域)を特定することで、宇宙飛行士やローバーが回避すべきエリアを明らかにし、ミッション計画の策定を支援する。

 

シノプシス傘下のAGIのアドバイザーであり、元NASA長官のJim Bridenstineは、次のように述べている。「アルテミス計画は、人類を再び月へ送り、将来の探査に向けた基盤として持続的な月面滞在を確立することを目的とした、野心的な共同の取り組みです。過酷である一方で大きな可能性を秘めた宇宙環境へと進出を深める中、私たちには迅速かつ大胆、そして効果的なイノベーションが求められています。   ハードウェアを構築する前に、設計を仮想環境でモデリングし、テストや改良を行うことを可能にするデジタルエンジニアリング技術を採り入れることは、リスク低減とイノベーションの加速に向けた重要な一歩です」

 

シノプシスについて

Synopsys, Inc. (Nasdaq上場コード: SNPS)は、シリコン to システムのエンジニアリング・ソリューションのリーディング・カンパニーであり、AIを活用した製品の迅速なイノベーションを支援し、業界をリードするシリコン設計/IPならびにシミュレーション/解析ソリューション、設計サービスを提供している。幅広い業界の顧客企業と緊密に連携して、その研究開発能力と生産性を最大化し、明日の創造性に火をつける今日のイノベーションを推進している。詳細情報は、www.synopsys.com/ja-jp より入手可能。

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