ニュースリリース - 2017年11月7日

シノプシス、Black Duck社の買収によりソフトウェア・インテグリティ・プラットフォームを強化

 

2017年11月2日 カリフォルニア州マウンテンビューならびにマサチューセッツ州バーリントン発  -  シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)ならびに、オープンソース・ソフトウェアのセキュリティ・マネージメント自動化ソリューションのリーディング・カンパニーであるBlack Duck Software, Inc.(非上場)は、シノプシスによるBlack Duck買収の最終合意に達した。マーケットで高い評価を受けているBlack Duckのソフトウェア・コンポジション解析ソリューションを追加することにより、シノプシスが提供するソリューションならびに顧客企業を拡充し、ソフトウェア・セキュリティに向けた取り組みを強化する。

 

今回の買収合意に基づき、シノプシスは、総額約5億6500万ドル、Black Duckの現金資産を差し引いた実質金額約5億4800万ドルで同社を買収する。同社の従業員が持つ行使前のストックオプションはシノプシスが引き継ぐ。買収金額は、シノプシスが現金で支払い、HSR(Hart-Scott-Rodino:米国の連邦反トラスト法のひとつ)の審査など、既定の手続きを経て、2017年12月に買収完了する予定である。

 

シノプシス ソフトウェア・インテグリティ・グループ ジェネラル・マネージャー兼上級副社長 Andreas Kuehlmannは、次のように述べている。「業界最高水準のソフトウェア・セキュリティ/クオリティ・ソリューションで構築した包括的なプラットフォームの提供が我々のビジョンです。ソフトウェア開発プロセスは、進化/加速を続けています。Black Duck社の統合により、ソフトウェア開発ライフサイクル全体へのソフトウェア・セキュリティ/クオリティ・テスト手法の普及を強化し、顧客企業の開発リスク低減を推し進めてまいります。我々は、同社の経験豊富な人材とともに仕事ができることを楽しみにしており、両者のソリューションを統合して顧客企業に新しいレベルの価値を提供していきたいと思っています」

 

ソフトウェア開発手法は短期間の間に様変わりしつつある。オープンソース・ソフトウェア(OSS)の活用もその一つであり、今日のアプリケーションのソフトウェア・コードのうち60%以上はOSSで構成されている。OSSの利用は、開発コストや開発期間の削減を可能にする一方で、セキュリティやライセンス・コンプライアンスなどの点で深刻な問題もはらんでいる。使用しているOSSの実態を正しく把握している企業/団体は稀だからである。業界をリードするBlack Duck製品を使用することにより、アプリケーション・コード内で使われているオープンソース・コードの特定とリスト化を自動で行い、そこに潜んでいる機知のセキュリティ脆弱性やライセンス・コンプライアンスの問題を把握できるようになる。また、オープンソース・コードに影響を及ぼす新たに発見された脆弱性に関しての警告も提供する。

 

顧客企業各社では、ソフトウェア開発ライフサイクルのできるだけ早い段階でセキュリティとクオリティの問題に対処できる方法を模索している。それによって、継続的インテグレーション/継続的デプロイ(CI/CD)開発手法の実行が可能となるからである。アプリケーション・ソフトウェア開発でOSSが果たす役割は大きなものになっているため、そこに潜むセキュリティやコンプライアンスの問題を早い段階で認識できれば、セキュアで高品質なソフトウェアをより短期間で市場に送り出すことができるようになる。

 

Black Duck CEO Lou Shipleyは、次のように述べている。「今日ソフトウェア・セキュリティは、あらゆる企業/団体とその経営陣にとって最も重要性の高い関心事となっています。OSSは、その経済価値の高さゆえに過去十年の間で急速に活用が進んでいますが、ほとんどの企業/団体では、その効率的な安全性確保と管理に手を焼いてきました。その努力の多くはコストを伴う失敗に終わってきたのです。過去4年間で当社が業績を大きく伸ばすことができたこと自体が、様々な企業/団体でOSSのセキュリティに対する取り組みが真剣に行われていることの証です。ソフトウェア開発プロセスの最も早期段階でセキュリティやクオリティの問題に対処できるようにするというコミットメントを共有できる会社に合流できることは、非常にエキサイティングなできごとです。それによって、よりセキュアで高品質なソフトウェアの開発/リリースを可能にするリーディング・ソリューションをこれまでに無く迅速にご提供できるようになるからです」

 

シノプシスの2018会計年度の決算見込みはまだ発表されていないが、現時点では、今回の買収完了後に発生する会計処理の影響や、約2500~3000万ドルと見積もっている繰延収益リスクヘッジ評価損を考慮して、2018会計年度へのBlack Duckの収益貢献は約5500~6000万ドルを見込んでいる。これに基づき、一株あたり利益は2018会計年度で12セント程度の希薄化となるものの、2019会計年度の下半期に元の状態に戻り、その後増加に転じるものと予想している(いずれもnon-GAAPベース)。投資家は、既報の2018年業績予測コンセンサスからの情報修正が必要である。

 

本買収に関するBlack Duck 側のフィナンシャル・アドバイザーはBarclays社である。

 

シノプシス・ソフトウェア・インテグリティ・プラットフォームについて
シノプシスは、ソフトウェア開発ライフサイクルとサプライチェーンにインテグリティ(セキュリティとクオリティ)を確立するための業界で最も包括的なソリューションを提供している。このソフトウェア・インテグリティ・プラットフォームは、シノプシスが業界をリードするテスト・テクノロジ、解析自動化テクノロジ、そして強靭なツール群やサービスを提供するエキスパートの所産である。これによりソフトウェア開発企業/団体は、開発工程の早期段階でソフトウェアの欠陥や脆弱性を検知/修正し、開発リスクを最小化、開発効率を最大化するための独自の対策を構築することが可能となる。シノプシスは、アプリケーション・セキュリティ・テスト(AST)のリーディング・カンパニーとして高い評価を受けており、IoT、DevOps、CI/CD、クラウドといった新しいテクノロジやトレンドでベスト・プラクティスの実践を可能にする独自のポジションを確立している。
詳細情報は、https://www.synopsys.com/software-integrity.htmlより入手可能。

 

シノプシスについて
Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、ソフトウェア品質/セキュリティ・ソリューションの分野でも業界をリードしており、世界第15位のソフトウェア・カンパニーとなっている。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、最高レベルの品質とセキュリティが要求されるアプリケーション・ソフトウェアの開発者に、高品質で信頼性の高い革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。
詳細情報は、https://www.synopsys.com/ja-jpより入手可能。

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<お問い合わせ先>

 

日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充

TEL: 03-6746-3940                  FAX: 03-6746-3941