2016年7月13日

東芝、シノプシスのTetraMAX II を新規SoCデザインに適用段階へ

テスト・パターンを最大50% 削減し、ATPG 実行にかかる期間を大幅に短縮する新しいATPG ソリューション

概要

  • 徹底した機能評価の結果、テストカバレッジを犠牲にすることなくパターン数と実行時間の大幅削減を達成したTetraMAX® II
  • 最小限の工数で東芝の設計フローに組込み、テストを実行
  • 東芝は、消費電力を考慮したTetraMAX II を新規SoC デザインに適用準備中


2016年7月12日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 – 
シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、株式会社 東芝(以下、東芝)が、TetraMAX II ATPG を使って、テスト・パターン生成時間、製造テストにかかる期間とコストを大幅に削減できることを発表した。東芝では、複雑な次期SoC デザインに求められる厳しいテスト品質とテスト期間を達成するため、消費電力考慮のテスト・パターンを大幅に削減でき、より高速に実行できるATPG ソリューションが必要になると考えていた。この条件を満たせるかどうか徹底した機能評価を行った結果、TetraMAX II はテスト・パターンを最大で50% 削減し、ATPG 実行期間を大幅に短縮し、かつ低消費電力化の可能性がある最先端ATPG 機能を提供できることが判明し、東芝は次期コンシューマ・エレクトロニクス向けSoC デザインのテストにTetraMAX II を適用する準備を始めている。東芝は、本日インド・バンガロールのLeela Palaceホテルで開催されるSynopsys Users Group(SNUG) India で、この事例を発表する。

株式会社 東芝 ストレージ&デバイスソリューション社 ミックスドシグナルIC 事業部 設計技術開発部 部長 堀川和成氏は、次のように語っている。「大規模製品開発では、ATPG の実行時間の長大化、生成されるテスト・パタン量の増大が問題になっています。製造にかかるテストコスト削減の為には、限られた時間内で、テスト品質を維持しつつ、テスト・パタン量の削減が必要でした。今回、シノプシス社との協業により、TetraMAX II の評価を進め、テスト品質を維持しつつ、ATPG 実行時間の短縮とテスト・パタン量の削減(最大50%)に貢献することが確認できたため製品適用を考えています。今後もTetraMAX II の改善が進み更なる製造にかかるテストコスト削減に貢献していただけるものと期待しております。」

シノプシス デザイングループ 主席上級副社長兼ジェネラルマネージャー Antun Domic は、次のように述べている。「我々は、世界中のお客様に、増加するテストの問題を解決できるソリューションの提供をお約束してまいりました。今回の東芝様との協業は、デザインの複雑化が進む中にあっても製造テストにかかる期間を短縮でき、高速なATPG 実行を可能にする新しいテスト・テクノロジの実現に向けた、シノプシスの開発投資と技術革新が継続していることを実証するものです」

TetraMAX II について
TetraMAX II には、最新のテストパターン生成エンジン、故障シミュレーション/診断エンジンが搭載されている。これらのエンジンは、実行速度が桁違いに早く、メモリー使用効率も大幅に向上し、テストパターン生成機能に高度な最適化が施されており、ATPG ならびに診断プロセスを細粒度マルチ・スレッディングで実行することができる。こうした革新技術により、テストパターンを大幅に削減でき、ATPG 実行時間を数日単位から数時間の単位に短縮することができる。また、他に類を見ない高いメモリー使用効率を実現しているため、デザイン規模に関わらずサーバー上の全てのコアを活用してテストを実行できる。この点でも、TetraMAX II は、実行に大きなメモリーを必要とした既存ソリューションを凌駕している。量産チップでの実績が豊富なデザイン・モデリング/ルール・チェッキング環境や、ユーザー / ツール・インターフェイスを継承しているため、最も難易度の高いデザインに対してもTetraMAX II は迅速かつリスクフリーで適用することができる。また、DFT ソリューション DFTMAXTM、スタティックタイミング・サインオフ・ソリューション PrimeTime®、RC 抽出ソリューション StarRCTMなどのGalaxy デザイン・プラットフォーム構成ツールをはじめ、イールド・マネージメント・ソリューション Yield Explorer®、デバッグ・ソリューション Verdi®などその他のシノプシス製ツールとも緊密に統合されているため、最も生産性の高いフローで、最高品質のテストを最短時間で実行することができる。

シノプシスの合成ベース・テスト・ソリューションについて
シノプシスの合成ベース・テスト・ソリューションは、DFTMAXならびにDFTMAX Ultra(テスト圧縮ソリューション)、TetraMAX I ならびにTetraMAX II (パワー考慮のロジック・テストならびにシリコン診断ソリューション)、DFTMAX LogicBIST(インシステム・セルフテスト・ソリューション)、SpyGlass® DFT ADV(RTLテスト容易性解析ソリューション)、DesignWare® STAR Hierarchical System(SoC上のIP / コアの階層テスト・ソリューション)、DesignWare STAR Memory System®(組込みテスト / リペア / 診断ソリューション)、Z01X(故障シミュレータ)、Yield Explorer(デザイン・ベース・イールド解析ソリューション)、CamelotTM(CADナビゲーション・システム)で構成されている。 シノプシスのテスト・ソリューションでは、組込みテスト・テクノロジとRTL 合成ソリューション Design Compiler®が緊密に統合されているため、論理機能とテスト容易性を考慮したタイミング / 消費電力 / 面積 / 配線密度の最適化を実行することができ、最終的な設計収束を最短期間で達成することができる。また、Design Compiler、配置配線ソリューション IC CompilerTM II、スタティックタイミング・サインオフ・ソリューション PrimeTime などのGalaxy デザイン・プラットフォーム構成ツール群とも緊密に統合されているため、設計とテストの両目標を満たした開発をより短期間で達成し、より高い故障カバレッジと短期間でのイールド向上を実現することができる。

シノプシスについて
Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、ソフトウェア品質/セキュリティ・ソリューションの分野でも業界をリードしており、世界第15 位のソフトウェア・カンパニーとなっている。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、最高レベルの品質とセキュリティが要求されるアプリケーション・ソフトウェアの開発者に、高品質で信頼性の高い革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。詳細な情報は、 http://www.synopsys.com/japan より入手可能。

# # #

Synopsysは、Synopsys, Inc.の登録商標です。 
その他の商標や登録商標は、それぞれの所有者の知的財産です。

<お問い合わせ先>

日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充 
TEL: 03-6746-3940  FAX: 03-6746-3941