ニュースリリース - 2015年2月13日

シノプシス、ルネサス社との車載システム向けソフトウェア開発分野での協業を拡大 ルネサス製 RH850マイコンのEthernet AVB ならびにCAN-FD 向けVDK の提供を開始

Tier 1 ならびにOEM 企業によるRH850 マイコン向けソフトウェアの早期開発/品質向上を可能にするVirtualizer Development Kit(VDK)

概要

  • Ethernet AVB(Audio Video Bridging)ならびにCAN-FD(Controller Area Network with Flexible Data Rate)モデルをルネサスの RH850 マイコンのVDK に追加
  • ルネサスのRH850 マイコンのバーチャル・プロトタイプを搭載したVDK により、車載ネットワーク・システム向けソフトウェアの開発が短期化
  • Ethernet AVB を組み込んだハイエンド車載制御システム向けのルネサスRH850/F1H マイコンのバーチャル・プロトタイプを提供
  • 両社の協業プログラム Center of Excellence を通じて開発した新しいモデルにより、ルネサス RH850 のバーチャル・プロトタイプの提供が加速


2015年2月12日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 – 
半導体やエレクトロニクス・システムのイノベーションを加速させる開発用ソフトウェア、IP、技術サービスの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、ルネサス エレクトロニクス株式会社(以下ルネサス社)製車載マイコン RH850ファミリ向けVirtualizer Development Kit を拡張し、Ethernet AVB ならびにCAN-FD モデルをVDK に追加したと発表した。シノプシスのRH850 VDK は、ルネサス社のRH850 のバーチャル・プロトタイプとソフトウェア・デバッグ/解析ツールを組み込んだソフトウェア開発キットである。RH850 をベースにした電子制御ユニット(ECU)を開発しているエンジニアは、このVDK を活用することによって、実際のECUハードウェアが入手可能になる数ヶ月前の段階から、ソフトウェアの開発、システム統合、テストを実施できるようになるため、製品品質が向上し、開発コストを削減することができる。Ethernet AVB ならびにCAN-FD モデルは、ルネサス社とシノプシスのエンジニアが協力してルネサス・マイコンに特化したVDK を開発することを目的に設立した協業プログラム Center of Excellence の成果である。

ルネサス社の第一ソリューション事業本部 車載制御第一事業部 車載技術戦略部 部長 矢田直樹氏は次のように語っている。「車載ネットワーク・システムには、これまで以上に大きなデータ伝送容量が必要とされており、Tier 1 様やOEM 様各社では、Ethernet AVB やCAN-FD などのネットワーク・テクノロジの採用に迫られています。シノプシス社は、最先端のネットワーク技術を搭載した車載システムを開発している設計者の皆様に、Center of Excellenceを通じて開発した完全なバーチャル・プロトタイピング・ソリューションを提供しています」

市場調査会社 Frost & Sullivan 社が、2013年12月に発表した報告 “Strategic Outlook of Automotive Ethernet Technology in Europe and North America”では、上級車種に搭載されるイーサネット接続機器の数は2020年には100を超えると予想されている。Ethernet AVB は、イーサネット接続で音声や動画の高速ストリーミングを可能にするためにIEEE 規格である。RH850/F1H VDK には、ルネサス社のEthernet AVB IP のモデルが組み込まれている。

CAN は、複数のECUを接続するためのマルチマスター・シリアルバス規格である。CAN-FD は、CAN のデータ転送レートを8M ビット/秒に拡張している。シノプシスが提供するルネサス CAN-FD IP モデルは、あらゆるRH850 VDK に統合できる。また、Vector 社のCANoeやその他のバス・シミュレーション・ツールとも連係動作できるため、実機環境と比べてより多くのデバッグ/解析機能を提供する仮想環境で開発を進めることができる。

シノプシス IP&システム・マーケティング担当副社長 John Koeter は次のように述べている。「先進の自動車では、車載機器間の通信システムが多く搭載されるようになっています。Tier 1 企業やOEM 企業各社では、こうした技術トレンドに対応するために最新のネットワーク規格を実装する必要に迫られています。Center of Excellence を通じて開発したルネサス Ethernet AVB/CAN-FD IP 搭載VDK をご活用いただくことにより、開発者の皆様は、RH850 マイコン・ベースの車載システム・ソフトウェアの開発を開発サイクルの早い段階から開始でき、製品品質の向上を実現することが可能となります」

提供可能時期
ルネサス製RH850 マイコンのVDK ならびにVirtualizer ツールセットは、シノプシスより既に提供を開始している。 


ノプシスについて
Synopsys, Inc. (Nasdaq上場コード:SNPS) は、グローバル・エレクトロニクス・マーケットでテクノロジ・イノベーションを展開している。そのソフトウェア製品、IP、技術サービスは、エンジニアが直面する設計/検証/システム開発/製造の課題の解決を支援しており、シノプシスは電子設計自動化 (EDA) ならびに設計資産 (IP) のリーディング・カンパニーとなっている。1986年の創業以来、世界中のエンジニアがシノプシスのテクノロジを使用して、何十億もの半導体やシステム機器を設計開発している。詳細な情報は、 http://www.synopsys.com/japan より入手可能。

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日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充 
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