ニュースリリース - 2013年6月28日

シノプシス、Embedded Vision Development Systemを提供開始

消費電力と性能を最適化した特定用途向けプロセッサの開発にかかる期間を数ヶ月単位から数週間単位に短縮

概要

  • シノプシスのProcessor Designerツールセット、参照プロセッサ、事前検証済みの設計メソドロジを活用して、組込みシステムでビジョン機能を実装する製品向けの特定用途向けプロセッサ(ASIP)の開発期間を短縮
  • 組込みビジョン機能の実現に適したプロセッサ・アーキテクチャの検討が、数週間単位から数時間単位に短縮
  • FPGAベース・プロトタイピング・ソリューション HAPSでバリデーション済みの組込みビジョン・リファレンス・フローにより、システム構築にかかる期間を数ヶ月単位で短縮


2013年4月25日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - 
半導体やエレクトロニクス・システムのイノベーションを加速させる開発用ソフトウェア、IP、技術サービスの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は、4月25日、Embedded Vision Development Systemの提供開始を発表した。Embedded Vision Development Systemは、シノプシスのプロセッサ開発ツール Processor DesignerとFPGAベース・プロトタイピング・ソリューション HAPSを活用して、組込みビジョン製品向けプロセッサの開発期間を短縮する統合ソリューションである。特定用途向けプロセッサ(ASIP)は、最先端ドライブ補助システム(ADAS)、拡張現実システム(AR)、ロボット製品、監視システム、ジェスチャー・コントロール・システムといった、高性能な組込みビジョン・システムの実現に必要となるSoCに求められる低消費電力性能の達成に不可欠なプロセッサである。Embedded Vision Development Systemを用いることにより、設計者は、消費電力と動作性能の最適なバランスを備えたプロセッサ・アーキテクチャを短期間で検討/チューンナップし、そのデザインをHAPS上に迅速に実装できるようになる。

詳細情報は
http://news.synopsys.com/2013-04-25-Synopsys-Unveils-Embedded-Vision-Development-Systemより入手可能。

Embedded Vision Alliance (www.Embedded-Vision.com)の創立者 Jeff Bier氏は次のように語っている。「組込みビジョンによって、画像認識のインテリジェントな機能をシステム機器に加えることが可能になり、そうした機器をより安全でスマートで反応性の良いものにすることができます。しかし組込みビジョンシステムは、プロセッシング負荷が大きく、しかもほとんどのアプリケーションにとっては、次の機種への移行に伴って新しいアルゴリズムや機能をプログラム変更で追加できること、低コストで低消費電力であることが求められます。シノプシス社のEmbedded Vision Development Systemを使って開発したカスタム・プロセッサなら、性能、消費電力、柔軟性のベストなコンビネーションを実現できます。シノプシス社が、組込みビジョンの重要性の高まりに着目し対応されたことに拍手を送ります」

Embedded Vision Development Systemは、事前検証済みのデザイン例も提供し、ターゲットのSoCの消費電力/性能目標を満たすべく最適化が施されたASIPを設計者が迅速に開発できるよう支援する。このデザイン例は、モディファイ可能ですぐに使える基本プロセッサとなっており、OpenCVライブラリが提供するあらゆる機能をサポートしている。完全なC/C++コンパイラも提供する。自動生成される命令セット・シミュレータ(ISS)でコンパイルされたコードを実行すると、容易にプロファイリングができるため、アプリケーションの中で性能に影響が大きい部分を明確に特定でき、メモリー・アクセスやレジスタ構成、命令セットといったプロセッサ・アーキテクチャの変更により高速化を実現できる。パイプラインやレジスタ構成が固定化されたコンフィギュアブル・プロセッサとは異なり、このメソドロジは、ターゲットのアプリケーションにとって最適な消費電力ならびに動作性能目標を備えたカスタム・アーキテクチャを実現するにあたっての制限を取り除くことができる。自動生成されたソフトウェア開発ツール群を活用することにより、開発者は設計目標を達成するまでC/C++プログラムの再コンパイルとシミュレーションを容易に実行できる。

Processor Designerは、開発対象のASIP向けの最適化されたRTLを生成し、このRTLはFPGAベース・プロトタイピング・システム HAPSに簡単に移植できる。設計者は、RTL生成からHAPSへのインスタンス化までの使い易いフローによりインプリメンテーションの工数を省力化でき、設計からバリデーションまの工程で同じRTLを使用できる。HAPSシステムを利用することにより、ASIPを採用する設計者は、開発したASIPを他のデジタルIPブロックと統合してSoC上に組み込むのが容易になり、プロトタイプをカメラやメモリーといった現実世界のI/Oに接続してハードウェア/ソフトウェア統合のバリデーションを実行することができるようになる。この新しい設計/プロトタイピング・システムの中でのProcessor DesignerとHAPSの組み合わせは、サイクル精度のISSベース・モデルよりも100倍以上高速に実行できるため、異なる開発プロジェクトでASIPアーキテクチャをリファインし、バリデートするための非常に効率的なソリューションとなる。

シノプシス IP&システム マーケティング担当副社長 John Koeterは次のように述べている。「様々なタイプのエレクトロニクス・デバイスに対応するため、設計者は、それぞれのデバイスによって異なる性能目標の効率的な達成に向けてカスタム・プロセッサを開発する必要に迫られています。組込みビジョン・システムで膨大な量の画像データを処理しなければならないプロセッサは、その好例です。
Processor DesignerをベースにHAPSにリンクしたEmbedded Vision Development Systemは、ソフトウェア・ツールとハードウェア・ツールの組み合わせにより開発工数を数ヶ月単位で短縮し、個別のアプリケーションにとってベストなプロセッサに分析的な手法でたどり着くことができ、さらに、それを組み込んだSoC全体を短期間でプロトタイプ化してハードウェアとソフトウェアの統合を完成させることができます」

提供可能時期
Embedded Vision Development Systemは、既に提供を開始している。Embedded Vision Development Systemについての詳細情報は、http://www.synopsys.com/PDより入手可能。

シノプシスについて
Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、グローバル・エレクトロニクス・マーケットでテクノロジ・イノベーションを展開している。そのソフトウェア製品、IP、技術サービスは、エンジニアが直面する設計/検証/システム開発/製造の課題の解決を支援しており、シノプシスは電子設計自動化(EDA)ならびに設計資産(IP)のリーディング・カンパニーとなっている。1986年の創業以来、世界中のエンジニアがシノプシスのテクノロジを使用して、何十億もの半導体やシステム機器を設計開発している。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jpより入手可能。

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Synopsysは、Synopsys, Inc.の登録商標です。 
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<お問い合わせ先>

日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充 
TEL: 03-6746-3940  FAX: 03-6746-3941