ニュースリリース - 2013年1月23日

シノプシスの実績豊富なEDAツールとIPがFinFETテクノロジの採用を促進

半導体業界をリードする企業各社との5年以上に及ぶ協業を通じFinFETテクノロジをサポート

概要

  • FinFETデバイス設計のための実績豊富なインプリメンテーションおよびマニュファクチャリング・ツール群とIPを提供開始
  • FinFETテクノロジの早期適用企業ならびに主要なファウンドリ各社で実製品向けに使用
  • ファウンドリ認証済みのエンベデッド・メモリーとロジック・ライブラリも提供開始


2013年1月22日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - 
半導体やエレクトロニクス・システムのイノベーションを加速させる開発用ソフトウェア、IP、技術サービスの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、FinFET型半導体の設計に対応したEDAソリューションの提供を開始したと発表した。提供を開始したFinFET対応ソリューションは、DesignWare Embedded Memory and Logic Library IP、実製品で数多くの実績を誇るGalaxyデザイン・プラットフォームのツール群、ファウンドリ認証済みの抽出/シミュレーション/モデリング・ツール群である。ファウンドリ各社でFinFETプロセス開発に使われたTCADならびにマスク・シンセシス製品も含まれる。

3次元構造を持つFinFETデバイスは、トランジスタ製造手法の劇的な転換を象徴するもので、各種設計ツールや、マニュファクチャリング・ツール、IPにも大きな変更が必要になる。シノプシスのFinFETソリューションは、主要ファウンドリ、研究機関、FinFET早期適用企業各社との5年以上に及ぶ共同開発の成果であり、従来のプレーナー型トランジスタから3Dトランジスタに移行するのに不可欠な実証済みテクノロジを提供する。このフルラインナップのソリューションは、半導体製品の性能、消費電力、サイズを大きく改善するFinFETテクノロジの活用開始を促進するのに欠くことのできない設計基盤となるEDAツール群ならびにIP群を提供するものである。 シノプシス インプリメンテーション・グループ 上級副社長 兼 ジェネラルマネージャー Antun Domicは次のように述べている。「当社は、FinFETに代表されるような新しいプロセス構造やデバイスの活用を促進するための完全なソリューションの開発に向けて大規模な投資を続けています。主要ファウンドリ、研究機関、FinFET早期適用企業といったあらゆるFinFETエコシステム構成企業と当社との強力なコラボレーションによって、業界最高レベルのテクノロジの提供が可能となり、これにより半導体業界ではこの新しいトランジスタが持つポテンシャルをフル活用する道が開けました」

グローバルファウンドリーズ社 上級副社長 兼 CTO Gregg Bartlett氏は次のように語っている。「当社は、14nm-XMプロセス・テクノロジにより、拡大を続けるモバイル・マーケット向けに最適化されたFinFETテクノロジの業界に先駆けた提供計画を加速しました。この革新的なFinFETソリューションを実現可能にしたのが、パートナー各社とのコラボレーションです。当社は、HSPICEを用いたFinFETデバイスのモデリングをはじめ、さまざまな技術分野で早い段階からシノプシス社と協業を開始しました。両社共通のお客様にFinFETテクノロジの採用を早めていただくため、当社は今後ともシノプシス社とのコラボレーションを継続してまいります」

サムスン電子社 システムLSIインフラストラクチャ・デザイン・センター 上級副社長 Kyu-Myung Choi博士は次のように語っている。「シノプシス社とのFinFET協業は、当社の半導体ビジネスの優位性を維持するための要となるものです。シノプシス社の広範囲にわたるEDAツール群やIP開発実績と緊密に結びついた当社の半導体製造・設計の専門技術により、我々はFinFETに起因する課題に効率的に対処することが可能となりました。FinFETテクノロジのメリットを最大限に活用するために、この強力なコラボレーションを今後も継続してまいります」

FinFETテクノロジの開発者として知られ、マイクロエレクトロニクスの権威であるカリフォルニア大学バークレー校教授のChenming Hu博士は次のように語っている。「私たちの研究チームは、非常に早い時期に3D構造のFinFETトランジスタが持つ消費電力と性能の優位性を実証してきました。シノプシス社のR&Dチームとデバイス・シミュレーションを始めとするさまざまな技術分野で緊密な共同研究を重ねることによって、この実証が可能となったのです。FinFETの普及に向けてさらなるイノベーションを実現するため、私たちは今後もシノプシス社との共同研究を続けてまいります」

FinFET対応IP
主要ファウンドリ各社との5年以上に及ぶ協業を通じ、シノプシスは、IPアーキテクチャに対する深い理解と設計の専門知識を蓄積してきた。この緊密なコラボレーションは、シノプシスの主要顧客企業でのFinFET対応DesignWare Embedded MemoryならびにLogic Library IPソリューションの採用という成果に結実した。2013年には、さらに広範囲にわたるFinFET対応IPの開発を予定している。DesignWare Embedded MemoryならびにLogic Library IPは、FinFETテクノロジのメリットをフルに活用できるアーキテクチャを採用しており、動作性能、リークおよびダイナミック電流、低電圧動作の点で優れた結果を実現している。

FinFET対応設計ツール
プレーナー型トランジスタからFinFET ベースの3Dトランジスタへの移行は非常に大きな転換点であり、ツール開発企業/ファウンドリ/早期適用企業間の緊密な共同研究なくしては、それをサポートできる強力なEDA環境の開発は不可能である。FinFETエコシステムを構成するパートナー企業との数年間にわたるコラボレーションを通じて開発したシノプシスEDAソリューションは、FinFETベース設計の実用化を大幅に速めることとなった。この包括的なソリューションは、フィジカル設計ツール IC Compiler、フィジカル検証ツール IC Validator、RC抽出ツール StarRC、キャラクタライズ・ツール SiliconSmart、ファーストSPICEシミュレータ CustomSimならびにFineSim、デバイスモデリングならびに回路シミュレータ HSPICEからなる。

FinFET対応マニュファクチャリング・ツール
FinFETの微細構造と3D特性は、デバイス性能とリーク電流の最適化やプロセス・バリエーションへの対処に新たな要求を突きつける。フィン形状、応力、その他の要素を最適な状態にしなければ、目標とする動作性能やリーク電流性能を引き出すことはできない。またプロセス・バリエーションは、不純物混合率のランダムな変動、終端の粗度、レイアウトに起因する応力の発生、その他の原因によって引き起こされ、デバイスならびに回路の性能に大きな影響を与える。シノプシスは、これらの問題を解決するためTCADソリューションのSentaurus、マスク・シンセシス・ソリューションのProteusを使って、ファウンドリ各社との協業を重ねてきた。Sentaurusファミリにより、ファウンドリ各社は、プロセス・バリエーションへの影響を最小に抑えつつ性能とリーク電流の目標を達成できるようFinFETプロセス/デバイス構造を最適化できた。また各社は、Proteusファミリによってフルチップの近接効果補正を実行できた。

シノプシスについて
Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、グローバル・エレクトロニクス・マーケットでテクノロジ・イノベーションを展開している。そのソフトウェア製品、IP、技術サービスは、エンジニアが直面する設計/検証/システム開発/製造の課題の解決を支援しており、シノプシスは電子設計自動化(EDA)ならびに設計資産(IP)のリーディング・カンパニーとなっている。1986年の創業以来、世界中のエンジニアがシノプシスのテクノロジを使用して、何十億もの半導体やシステム機器を設計開発している。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jpより入手可能。

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日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充 
TEL: 03-6746-3940  FAX: 03-6746-3941