ニュースリリース - 2017年5月8日

シノプシス、車載チップ向けの堅牢なAMSデザインの設計支援を強化

堅牢なAMSデザイン実現に向け、処理性能と包括的なばらつき解析機能を強化

概要

  • 処理性能が向上し、経年劣化 / コーナーケース解析やモンテカルロ・ベースばらつき解析機能を提供するHSPICE®、FineSim®、CustomSimTMの2017.03バージョン
  • 100 万トランジスタのモンテカルロばらつき解析が可能なFastSPICE ツール
  • SPICE ツールによるコーナー・シミュレーションやFinFET デザインのポストレイアウト・シミュレーションのスピードが2~3 倍向上
  • FastSPICE ツールによるアナログ / ミックスドシグナル・シミュレーションやFinFET 経年劣化シミュレーションのスピードが2倍向上

 

2017年5月4日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 – シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、回路シミュレータ HSPICE、FineSim、CustomSim の最新バージョンの提供開始を発表した。車載エレクトロニクスの拡大やFinFET プロセスへの移行に伴い、チップ・デザインの複雑度が大幅に増大し、さまざまな条件下や使用環境に対するデザインの堅牢性を実証するための厳密な解析の必要性が高まっている。2017.03 バージョンは、AMS 検証期間を短縮し、堅牢なAMS デザインを実現するため、新しいモンテカルロ・ベースばらつき解析機能や最先端の信頼性解析機能を提供する。これによりシノプシスの回路シミュレーションの性能優位はさらに強化される。

高精度SIPCE 性能
FinFET デザインではレイアウト後の寄生容量が大幅に増加するため、こうしたデザインに対する高精度なシミュレーションは厄介な作業となっている。この問題に対処するため、FineSim 2017.03 バージョンは、FinFET デザインのポストレイアウト・シミュレーションのスピードを3 倍高速化している。この飛躍的進化は、FinFET デザイン特性を踏まえて施されたコア・エンジンの技術革新とRC 最適化アルゴリズムによるものである。マルチ・コーナー解析は、回路の振る舞いに基づいたコーナー・シミュレーションの最適化により、さらに2 倍高速化される。これにより、車載チップに対する厳格なコーナー解析が可能となる。HSPICE 2017.03 バージョンは、I/O セルのような大規模なポストレイアウトFInFET デザインのシミュレーション・スピードを1.5 倍高速化している。

FastSPICE性能
CustomSim は、大規模デザインに対する高速 / 大容量シミュレーションで業界をリードする回路シミュレーション・ソリューションである。2017.03 バージョンでは、その性能優位性をさらに強化し、シングルコアでのアナログ / ミックスドシグナル・ポストレイアウト・シミュレーション実行が2 倍、マルチコア実行でさらに2 倍の高速化を実現している。CustomSim の性能向上は、前バージョンで追加したSRAM、Flash、BCD(Bipolar-CMOS-DMOS)テクノロジをはじめ、アプリケーションに特化した性能改善を一貫して継続してきた成果である。

堅牢なAMS デザインを実現する信頼性/ばらつき解析 
車載用途やFinFET デザインの場合、プロセス / 電圧 / 温度の変動範囲が広くなり限界余力が小さくなるなど、チップの動作条件が過酷になるため、ばらつきの影響は深刻なものとなる。デザインの堅牢性を検証し確固たるものにするには、複数の抽象度で厳格なモンテカルロ・ベースばらつき解析を実行する必要がある。CustomSim 2017.03バージョンでは、モンテカルロ解析容量が2 倍に拡大しているため、100 万トランジスタ・デザインでもシミュレーションを実行できる、あるいは既存デザインのシミュレーション・スループットを高めるといったメリットを享受できる。またHSPICE、FineSim、CustomSim は、本バージョンよりモンテカルロ法での分布調整をサポートするため、設計者はサンプリングした分布をモディファイして、デザインで発生する異常値が、チップの性能や機能にもたらす影響をより正確に評価することができる。またCustomSim 2017.03 バージョンでは、デバイス劣化解析を2倍高速化でき、またFinFET の熱特性であるセルフ ・ヒーティング・エフェクトを考慮したエレクトロマイグレーション解析も実行できるため、厳格な信頼性解析が可能となる。

シノプシス デザイン・グループ マーケティング担当副社長 Bijan Kiani は次のように述べている。「車載やFinFET のような垂直市場向けの新しいチップ品種の登場により、デザインの堅牢性を確保しておくことは重要な開発課題となっています。性能や信頼性に対する要求の幅は広がり、要求レベルも高くなっているためなおさらです。今回の回路シミュレータ群の提供により、設計者の皆様は、大幅に向上した処理性能と最先端の解析機能をご活用いただいて、堅牢なAMS デザインを実現していただくことができるようになりました」

シノプシスについて

Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、ソフトウェア品質/セキュリティ・ソリューションの分野でも業界をリードしており、世界第15 位のソフトウェア・カンパニーとなっている。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、最高レベルの品質とセキュリティが要求されるアプリケーション・ソフトウェアの開発者に、高品質で信頼性の高い革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。詳細な情報は、 http://www.synopsys.com/japan より入手可能。

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<お問い合わせ先>

日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充 
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