ニュースリリース - 2017年8月9日

シノプシスとモルフォ社、エンベデッド・ビジョン・アプリケーションのディープ・ラーニング・プロセッシングの高速化で協業

DesignWare EV6xプロセッサとCNNベースの画像認識ソフトウェアの組み合わせにより、低消費電力が求められるデバイスで高精度/省メモリーのプロセッシングを実現

 

概要

  • ビジョン・プロセッサ DesignWare EV6xとモルフォ社のソフトウェア Morpho Scene ClassifierTMの組み合わせにより、モバイル機器やビデオ監視システムのような低消費電力アプリケーションでのリアルタイム画像解析/分類機能を実現。

  • DesignWare EV6xの畳み込みニューラル・ネットワーク(CNN)エンジンでのディープ・ラーニングの実行により、GPUなしで高効率/高精度な画像認識が可能に。

  • バリデーション済みのハードウェア/ソフトウェア・ソリューションにより、SoCの開発期間と工数を削減。

 

2017年8月8日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、ディープ・ラーニングを用いた株式会社モルフォ(以下、モルフォ)の画像認識・組込みソフトウェアをDesignWare® EV6x Vision Processors向けに最適化するための協業について発表した。Morpho Scene Classifierの画像認識テクノロジは、ディープ・ラーニング・アルゴリズムを用いて、画像を解析して自動的にタグ付けし、画像の分類、精査、整理を実現する。モルフォ社は、最大4つの512ビット・ベクターDSPと完全にプログラマブルなCNNエンジンを搭載可能なEV6xの拡張性の高いハードウェア・アーキテクチャのメリットを最大限活用できるよう、Morpho Scene Classifierに最適化を施す。このハードウェアとソフトウェアを組み合わせたソリューションにより、モバイル機器やビデオ監視システム向けSoCでの画像解析と自動タグ付けのタスクを高速化し、他の実装手法と比べて消費電力とメモリー・リソースを劇的に削減することができる。

 

株式会社モルフォ 取締役 事業管掌 漆山正幸氏は次のように語っている。「ディープ・ラーニング・ネットワークを活用して必要なコンピューティング・リソースを最小化できる画像処理ソフトウェアへのニーズは非常に高まっています。特にバッテリー駆動のモバイル機器では、この傾向が顕著です。当社のディープ・ラーニング・ベースの画像処理ソフトウェアをビジョン・プロセッサ DesignWare EV6x用に最適化することにより、開発者の皆様は、高品質な画像認識/分類機能の実装が可能となり、開発対象のSoCのビジョン・プロセッシング機能を向上できるだけでなく、従来のGPUベースの手法と比べて消費電力を大幅に抑制することができます」

 

Morpho Scene Classifierにより、ディープ・ラーニングを用いて固有の重要な特徴を識別し、リアルタイムでの自動タグ付けが可能となる。モルフォの技術は、高精度なシーン認識テクノロジ、動き検出テクノロジ、360°VRスティッチ・テクノロジをはじめ各種の画像処理テクノロジからなるソフトウェア・アルゴリズムを基にしている。

DesignWare EV6xは、スカラー/ベクターDSPとCNNプロセッシング・ユニットを組み込んだ完全にプログラマブルかつコンフィギュラブルなビジョン・プロセッサで、非常に高精度かつ高速なビジョン・プロセッシング機能を提供している。ARC® MetaWare EV Development Toolkitをはじめとする包括的なソフトウェア開発ツールがEV6xをサポートしており、車載/インダストリー/コンシューマなど多岐に渡るアプリケーションに対応した柔軟で低消費電力なエンベデッド・ビジョン・ソリューションを提供している。

 

シノプシス IPマーケティング担当副社長 John Koeterは次のように述べている。「画像の検知/認識/分類にディープ・ラーニングが用いられるようになることにより、処理効率の高いCMMベースの組込みシステムの必要性が高まっています。EV6xに最適化したモルフォ社のソフトウェアの開発を通じて、低消費電力が求められるアプリケーションの画像処理タスクの精度/速度/消費電力を大幅に向上させるハードウェア/ソフトウェア・ソリューションをご提供してまいります」

 

提供開始時期

DesignWare EV6xは、既に提供を開始している。EV6x向けに最適化したMorpho Scene Classifierは、2017年第四4半期の提供開始を予定している。

 

DesignWare IPについて

シノプシスは、システムオンチップ向けの高品質かつシリコン実証済みIPのリーディング・プロバイダである。シノプシスの多岐にわたるDesignWare IP群は、ロジック・ライブラリ、組込みメモリー、組込みテスト、アナログIP、有線・無線通信向けインターフェイス(業界標準プロトコル)IP、セキュリティIP、組込みプロセッサ・コアとそのサブシステムで構成されている。IPに関連するソフトウェア開発とハードウェア/ソフトウェア統合を容易にするため、シノプシスのIP Acceleratedイニシャティブは、IPプロトタイピング・キット、IP向けソフトウェアの開発キット、IPサブシステムを提供している。DesignWare IPは、信頼性の高い開発手法、品質確保のための巨額の投資の所産であるだけでなく、包括的な技術サポートとともに提供されているため、設計者は、IPのSoCへの統合リスクを最小化し、最終製品の市場投入までにかかる期間を短縮することができる。

詳細情報はhttps://www.synopsys.com/designwareより入手可能。

 

シノプシスについて

Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、ソフトウェア品質/セキュリティ・ソリューションの分野でも業界をリードしており、世界第15位のソフトウェア・カンパニーとなっている。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、最高レベルの品質とセキュリティが要求されるアプリケーション・ソフトウェアの開発者に、高品質で信頼性の高い革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。

詳細情報は、https://www.synopsys.com/ja-jpより入手可能。

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Synopsysは、Synopsys, Inc.の登録商標または商標です。

その他の商標や登録商標は、それぞれの所有者の知的財産です。

 

<お問い合わせ先>

 

日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充

TEL: 03-6746-3940                  FAX: 03-6746-3941