ニュースリリース - 2016年5月12日

シノプシス、安全性基準の厳格な車載システム開発向けにDSP/キャッシュ・サポートも含めてARCプロセッサを強化

ASIL D適合性認証を受けたARC EMプロセッサSafety Enhancement Package により ISO 26262 認証取得にかかる期間を6ヶ月まで短縮

概要

  • 機能安全対応をDSP やキャッシュもサポートするARC EMプロセッサに拡大し、車載スマート・センサー/コントローラ・システム開発を支援
  • ASIL D 適合性認証を受けたARC EMプロセッサのSafety Enhancement Package に統合されている各種のセーフティ・クリティカル対応機能 
    - 誤り検出/訂正(ECC)機能、パリティ・サポート、プログラマブルなウォッチドッグ・タイマー、ロックステップ・インターフェイス
  • 安全性認証に必要な広範囲にわたるドキュメントを備えたARC EMプロセッサSafety Enhancement Package により、車載SoC のASIL D 認証取得にかかる期間を短縮
  • ASIL D 適合のARC MetaWare Compiler により、ISO 26262 準拠のソフトウェア開発を効率化


2016年5月11日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 – 
シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、Safety Enhancement Package(SEP)をDSP アクセラレーション / キャッシュ・コンフィギュレーションもサポートするDesignWare® ARC® EMプロセッサ にまで拡大すると発表した。ARC Safety Enhancement Package に含まれるコア ARC EM4、EM6、EM5D、EM7Dは、独立系の公認審査機関SGS-TÜV Saar によるASIL D 適合性認証を取得している。非常な小面積を特徴とするこれらのコアは、誤り検出 / 訂正(ECC)機能やプログラマブル・ウォッチドッグ・タイマーといった重要な安全性対策機能も搭載しており、異常なシステム動作を検出し正常化できる。SEP には、ロックステップ・インターフェイスや広範囲にわたる機能安全ドキュメントも含まれているため、開発したチップあるいはシステムのISO 26262 ASIL D 認証取得に必要な工数を削減できる。またソフトウェア開発者は、ASIL D 適合性認証取得済みのARC MetaWare Compiler を使用することにより、ISO 26262 に適合したコード開発を短期間で達成できる。ARC EM SEP は、非常に小さな面積で実装できるだけでなく、センサー / コントローラ / ADAS といったさまざまな車載システムに用いられるSoC に要求される非常に厳格な安全性を確保するための機能も搭載している。

SGS-TÜV Saar 半導体 プロダクト・マネージャー Wolfgang Ruf 氏は次のように語っている。「厳密な安全性を確保するために自動車に搭載されるエレクトロニクス・システムの数は増大していますが、こうしたシステム自体に起因する重大事故を防止するためには、非常に厳格な標準規格が不可欠です。シノプシス社から、ASIL D 適合性認証を取得したDesignWare ARC EMプロセッサが提供されることによって、車載システム開発者は、ISO 26262 認証取得にかかる期間と工数を削減できるようになります」

ARC EMプロセッサは、開発対象のシステムに合った多様な性能 / 消費電力 / サイズを実現するため、コンフィギュレーション性と拡張性の高いアーキテクチャになっている。ARC は、過去何年にも渡ってさまざまな車載システムに用いられた実績を持っているが、シノプシスはさらに2013 年にARC EM4 のSafety Enhancement Package の提供を開始し、チップ開発者のISO 26262 機能安全基準達成を支援してきた。そして今回、モーター・コントロール、センサー・フュージョンなどの車載システムに必要とされる高度な処理能力を提供するため、SEP オプションをDSP 機能と最大32KバイトのインストラクションとデータキャッシュをもつEMプロセッサにまで拡大した。これらのEM SEP は、このカテゴリーでASIL D 適合性認証受けた最初のコアとなる。EM SEP が提供する、ハードウェアの安全性確保に必要な各種の機能、ASIL D 適合性認証、故障モード影響診断解析(FMEDA)レポートなどの機能安全関連文書などによって、車載SoC 開発者は、SoC 開発やISO 26262 認証取得にかかる期間を数ヶ月単位で短縮することができるようになる。

DesignWare ARC MetaWare Development Toolkit for Safety は、ARC プロセッサ向け組込みソフトウェアの開発、デバッグ、最適化を支援する完全なソフトウェア開発ソリューションである。このツールキットには、ASIL D 適合性認証済みのコンパイラや、セーフティ・マニュアル、セーフティ・ガイドなどの安全性関連文書も含まれており、ソフトウェア開発者は、厳格な安全性が要求されるシステム向けにISO 26262 の要件を満たすソフトウェアの開発と、準拠性テストに向けた準備を整えることができるようになる。

シノプシス IP & プロトタイピング担当副社長 John Koeter は次のように述べている。「自動車に搭載されるプロセッサの数は激増しており、車載システム開発者にとっては、こうしたプロセッサ・ベースのシステムの機能安全認証のクリアが重要なミッションとなっています。シリコン実証済みのARC EM SEP やソフトウェア開発ツールを含め、ASIL 適合の包括的なDesignWare IP 群をご提供することにより、シノプシスは車載SoC の開発と認証獲得を支援しています」

提供開始時期ならびに参考情報
ASIL D適合性認証済みのDesignWare ARC EM4、EM6、EM5D、EM7D Safety Enhancement Package ならびにMetaWare Toolkit for Safety は、既に提供を開始している。

シノプシスは、ASIL B ならびにASIL D 認証済みIP、AEC-Q100テスト済みIP、TS16949 品質管理規格に準拠したIPをはじめとする包括的なIPポートフォリオ、ならびに仮想プロトタイピング・ソリューションで車載システム開発を支援している。詳細は、www.synopsys.com/ip-automotive ならびにwww.synopsys.com/autovdk より入手可能。

シノプシスについて
Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、ソフトウェア品質/セキュリティ・ソリューションの分野でも業界をリードしており、世界第16 位のソフトウェア・カンパニーとなっている。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、最高レベルの品質とセキュリティが要求されるアプリケーション・ソフトウェアの開発者に、高品質で信頼性の高い革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。詳細な情報は、 http://www.synopsys.com/japan より入手可能。

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<お問い合わせ先>

日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充 
TEL: 03-6746-3940  FAX: 03-6746-3941