ニュースリリース - 2015年9月24日

シノプシス、IoT 機器開発を支援する、業界で最も包括的なIP ポートフォリオを提供

IoT 機器に求められるセキュリティ、ワイヤレス接続機能、低消費電力性能、センサー情報処理能力に対するソリューションを提供するDesignWare IP

概要

• IoT 機器向けDesignWare IP ポートフォリオは以下の通り 
  ロジック・ライブラリ、メモリーコンパイラ、不揮発性メモリー、データコンバータ、有線・無線通信向けインターフェイスIP、セキュリティIP、プロセッサコア、センサーIP サブシステムならびにコントロールIP サブシステム
  
• 消費電力を最小化しバッテリー駆動時間を延長する、超低消費電力40nm/55nmプロセス・テクノロジ向けIP
  
• センサーフュージョンや音声認識アプリケーションに必要な常時稼動システムの電力効率と面積効率を向上させる、TSMC 社と共同開発のローパワー40nm　IoT IP 統合プラットフォーム
  
• オープンソースあるいは有償のソフトウェア開発ツール群、各種ドライバやOS、ミドルウェアを提供するembARC Open Software PlatformならびにARC Access Program
  

2015年9月22日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 – シノプシス（Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS）は本日、ウェアラブル、スマート・アプリケーション、各種計測、ワイヤレス・センサー・ネットワークといったさまざまなIoT アプリケーションで必要とされるセキュリティ、ワイヤレス接続機能、低消費電力性能やセンサー処理情報処理能力の提供に最適化された包括的なIP ポートフォリオの提供開始を発表した。DesignWare IP portfolio for the IoT が提供するIP 群は、電力効率と面積効率が高いロジック・ライブラリ、メモリーコンパイラ、不揮発性メモリー（NVM）、データコンバータ、有線・無線通信向けインターフェイスIP、セキュリティIP、超低消費電力プロセッサコア、センサーIP サブシステムならびにコントロールIP サブシステムで構成されている。また、embARC Open Software Platform を通じて、オープンソースあるいは有償の各種ドライバやOS、ミドルウェアにアクセスできるため、アプリケーション・ソフトウェアの開発効率を高めることができる。業界で最も包括的なIP とソフトウェアからなるIoT システム開発ソリューションの提供を通じて、シノプシスはIoT 機器開発のスピードを加速する。

TSMC 社　デザイン・インフラストラクチャ・マーケティング　シニア・ディレクタ Suk Lee氏は次のように語っている。「シノプシス社とは、当社の過去何世代にもわたるプロセス・テクノロジで協業を積み重ねてきました。こうしたコラボレーションを通じて、我々は、両社共通のお客様が必要としている性能/消費電力/面積の目標を満たしたIP を提供し続けることができたのです。今回のTSMC 40nm プロセス向け低消費電力IoT IP 統合プラットフォームの共同開発は、両社がいかにして設計者の皆様開発プロジェクトの達成と量産立ち上げを支援しているかを示す最新の例です」

IDC のエンジニアリング・テクノロジ&セミコンダクタ担当プログラム・バイス・プレジデント Mario Morales 氏は次のように語っている。「世界中の組込み機器/IoT 機器マーケットは、今後5年間にわたる驚異的な飛躍の準備段階にいます。その出荷台数は、2019 年には115 億個にも達する見込みです。こうしたネット接続機器に必要なIP ソリューションを、ハードウェアやソフトウェアそしてセキュリティ機能からエコシステムに至るまで包括的に提供してくれるテクノロジ・サプライヤは、この次世代の急成長市場に君臨する有力企業群の中で確固たる地位を築かなければならない設計業界にとっては無くてはならない存在です」

IoT 向けに再構築ならびに最適化されたIPソリューション

• 近しきい値（near threshold）の超高密度ロジック・ライブラリが消費電力を削減。厚膜酸化ロジック・ライブラリが常時稼動システムのリーク電流を削減
  
• エンベデッド・フラッシュ・メモリーに最小サイズのビットセルとテスト/リペア機能を組み込む高密度低電圧エンベデッド・メモリー・コンパイラ
  
• 消費電力と面積が最適化された12ビット/14ビットのSAR データ・コンバータ、USB 1.1ならびに2.0、MIPI CSI-2ならびにDSI、NVM のIP が、全体的なシステム・コストを削減しつつ、センサー/データ処理/接続の機能を提供
  
• シリコン実証済みのBluetooth® Smart IP が、Bluetooth 4.0、4.1、4.2低電力基準の接続機能を提供。1ボルト動作でバッテリー駆動時間を延長
• セキュアハードによるトラスト・ルート、セキュア・ブート、ミドルウェア・ソフトウェアに加えて、公開鍵アクセラレータ、真性乱数発生器（TRNG）、セキュリティ・プロトコル・アクセラレータなどからなるセキュリティIP が、ますます高度化するハッキングの脅威からIoT 機器を保護
  
• 高度なコンフィギュレーションが可能な32ビットARC 組み込みプロセッサ・ファミリーならびにビジョン・プロセッサのEVファミリーにより、開発対象のIoT アプリケーションに求められる性能/消費電力/面積に合わせたプロセッサのインスタンス化が可能
• バリデーション済みの高度に統合されたセンサーIP サブシステムならびにコントロールIP サブシステムが、消費電力を大幅に削減し、アプリケーションに特化したハードウェア・アクセラレータにより、サイクルカウントを激減
  

ソフトウェア開発ツールとエコシステム
シノプシスは、IoT 機器向けのARC ベース組込みソフトウェアの開発期間を短縮するため、オープンソースあるいは有償のソフトウェア開発ツールを幅広く提供してる。シノプシスのMetaWare Development ToolkitやMQX RTOS、GNUツール・チェーンやLinuxカーネルのサポートなどである。またembARC Open Software Platform を通じて、IoT アプリケーションの開発でよく使われている数々のオープンソースのソフトウェアにARC 向けソフトウェアの開発者がアクセスできる環境を提供している。たとえば、MQTT、CoAP、FreeRTOS、Contiki OSなどをembarc.org website からダウンロードすることができる。また同サイト上では、各種ソフトウェア開発ツール、ドキュメント、そしてユーザー・フォーラムにアクセスできるため、ARC ベース・システム開発コミュニティ内で情報交換が活発になり、各種の専門技術情報やARC ベース・ソフトウェアの組込みをスピードアップするコードなどの共有を行うことができる。さらにシノプシスは、組込みハードウェア/ソフトウェア・ベンダと協業し、ARC Access Programを通じて、ソフトウェア開発者が有償の開発ツールやドライバ、OS、ミドルウェアを容易に入手できる環境を提供している。

シノプシス　IP&プロトタイピング　マーケティング担当副社長 John Koeter は次のように述べている。「IoT マーケットの進展はとどまることを知らず、設計者は、IoT 機器の心臓部となる高性能な半導体に必要とされるセキュリティ、ワイヤレス接続機能、コスト制約、低消費電力性能を達成するため、日々困難な課題に立ち向かっています。こうした開発者の皆様が開発目標を達成し、この急成長中のマーケットに差別化された製品を送り出すことができるよう、シノプシスは、IoT 機器向けに開発した業界で最も包括的なIPソリューションをソフトウェア開発ツールやエコシステムのサポートも含めてご提供します」

提供開始時期ならびに関連情報
IoT 機器向けDesignWare IP ポートフォリオは、既に提供を開始している。

DesignWare IPについて
シノプシスは、システムオンチップ向けの高品質かつシリコン実証済みIPのリーディング・プロバイダである。シノプシスの多岐にわたるDesignWare IP 群は、ロジック・ライブラリ、組込みメモリー、組込みテスト、アナログIP、有線・無線通信向けインターフェイス（業界標準プロトコル）IP、セキュリティIP、組込みプロセッサ・コアとそのサブシステムで構成されている。IP に関連するソフトウェア開発とハードウェア/ソフトウェア統合を容易にするため、シノプシスのIP Acceleratedイニシャティブは、IP プロトタイピング・キット、IP 向けソフトウェアの開発キット、IP サブシステムを提供している。DesignWare IP は、信頼性の高い開発手法、品質確保のための巨額の投資の所産であるだけでなく、包括的な技術サポートとともに提供されているため、設計者は、IP のSoC への統合リスクを最小化し、最終製品の市場投入までにかかる期間を短縮することができる。詳細情報はhttp://www.synopsys.com/designware より入手可能。

シノプシスについて
Synopsys, Inc.（Nasdaq上場コード:SNPS）は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域（Silicon to Software）をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化（EDA）ソリューションならびに半導体設計資産（IP）のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、ソフトウェア品質/セキュリティ・テストの分野でもCoverityソリューションで業界をリードしており、世界第16位のソフトウェア・カンパニーとなっている。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC（system-on-chip）設計者、最高レベルの品質とセキュリティが要求されるアプリケーション・ソフトウェアの開発者に、高品質で信頼性の高い革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。詳細な情報は、 http://www.synopsys.com/japan より入手可能。