ニュースリリース - 2015年3月26日

シノプシスの新ツール ASIP Designer により、特定用途向けプロセッサ開発が5 倍に高速化

ソフトウェア開発キットとハードウェア・モデルを同時に自動生成できるため ASIPの消費電力、性能、面積最適化のためのアーキテクチャ検討を短期間で実行可能

概要

  • ASIP Designer が特定用途向けプロセッサやプログラマブル・アクセラレータの設計を自動化
  • 50 社を越す企業で数百ものデザインに活用されてきた実績豊富なASIP 設計ツールのテクノロジをベースに開発
  • 独自の“compiler-in-the-loop” 機能により、アプリケーション・コードをそのまま使用して、最良の性能と消費電力達成のためのアーキテクチャ最適化が可能に
  • LLVMベース・コンパイラ・フロントエンドとOpenCLカーネル・ランゲージのサポートにより、C/C++ならびに OpenCLベース・アプリケーション・コードのコンパイルが高速化


2015年3月25日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 – 
シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、特定用途向けプロセッサ(ASIP:Application-Specific Instruction-Set Processor)やプログラマブル・アクセラレータの設計を短期間で実現できる新しい設計ツールASIP Designer の提供開始を発表した。ASIP Designer は、設計言語によるデザイン仕様定義から、合成可能なRTLとソフトウェア開発キット(SDK)の両方を自動生成できるため、従来の手作業による設計手法と比べて、プロセッサの設計/検証にかかる工数を5 倍効率化できる。ASIP は、無線基地局、モバイル端末、AV機器、クラウド・コンピューティング機器などの、信号処理プロセスを多用する様々なシステムに組み込まれている。

Conexant 社 副社長兼ジェネラルマネージャ Saleel Awsare氏は次のように語っている。「当社は、シノプシス社のASIP 設計ツールを使用して、高度な差別化が施された製品ファミリー AudioSmart の全てを開発してまいりました。AudioSmart は、Conexant Audio Processing Engine あるいはCAPE(Conexant社のDSP)をベースにしています。アプリケーションに特化した最適化を行うことにより、CAPEは遠距離音声/オーディオ再生を子非常に効率的に処理できるようになります。シノプシス社のツールを使用することにより、この開発が容易になり、プログラマビリティも確保できました。シノプシスがASIP 開発ツールへの投資を続けてくれることにより、当社は、市場をリードする特定用途向け製品の開発を継続することができます」

ASIP Designer を使用することにより、設計者は、様々なプロセッサ・アーキテクチャを数分単位で構築/比較検討できる。ASIP Designer は、nML言語で定義されたひとつの仕様記述を元に、合成可能なRTLのみならず、C/C++コンパイラ、命令セット・シミュレータ、リンカ、アセンブラSWデバッガ、プロファイラといったSDKも自動生成する。そのため全ての開発段階で、ハードウェアとそのSDK の一貫性を保つことが可能になる。この特許技術には、LLVMベース・コンパイラ・フロントエンドとOpenCLカーネル・ランゲージのサポートのサポートも含まれる。コンパイラを即時入手できるため、nML言語の仕様記述を作成後すぐに、自動生成した命令セット・シミュレータ上でC/C++とOpenCLアプリケーション・コードを実行することができる。この他に類を見ない“compiler-in-the-loop” 手法と、デバッガの拡張性の高いプロファイリング機能により、ASIP Designer ユーザーは、最適なASIPアーキテクチャと命令セットを短時間で検討して、目的のアプリケーションにとって最適な消費電力、性能、面積のバランスを特定することができる。

また、ASIP Designer は、SystemCトランザクション・モデルも自動生成するため、シノプシスが提供しているVirtualizer のようなツールを使って仮想プロトタイプを作成し、実機が完成する前の段階でソフトウェア開発に着手できる。JTAGベースのオンチップ・デバッグ回路の自動生成に加え、自動生成したRTLをFPGAベース・ハードウェア・プロトタイピング・システムのHAPS に実装する使い易いフローも用意されているため、設計者は、ASIPをハードウェア・プロトタイプ上でSoC に統合し、実世界のI/Oと接続して、ハードウェア/ソフトウェア統合のバリデーションを実行することができる。

nMLソースコードで提供される高度な差別化が施されたASIPデザイン例の活用により、設計者は、開発対象のアプリケーションに合わせたASIP の開発に、すぐに着手できる。

シノプシス IP&プロトタイピング マーケティング担当副社長 John Koeter は次のように述べている。「信号処理プロセスを多用するアプリケーションでは、一般的なDSPや固定ハードウェアよりもASIPの方が明らかに優位性があります。数百ものデザインに活用されてきた実績豊富なASIP 設計ツールのテクノロジをベースに開発したASIP Designer により、設計者の皆様は、開発対象のアプリケーション向けにチューンナップされたカスタム・プロセッサやプログラマブル・アクセラレータの開発スピードを大きく向上させることができます。したがって、消費電力、性能、面積の最適なバランスを実現するため、様々なアーキテクチャを検討/最適化することができます。このことは、高度な差別化の実現に直結する大きなアドバンテージとなります」

提供可能時期
ASIP Designer は、既に提供を開始している。詳細は、http://www.synopsys.com/ASIP より入手可能。

シノプシスについて
Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発している先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、ソフトウェア品質/セキュリティ・テストの分野でもCoverityソリューションで業界をリードしており、世界第15位のソフトウェア・カンパニーとなっている。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、最高レベルの品質とセキュリティが要求されるアプリケーション・ソフトウェアの開発者に、高品質で信頼性の高い革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。詳細な情報は、 http://www.synopsys.com/japan より入手可能。

# # #

Synopsysは、Synopsys, Inc.の登録商標です。 
その他の商標や登録商標は、それぞれの所有者の知的財産です。

<お問い合わせ先>

日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充 
TEL: 03-6746-3940  FAX: 03-6746-3941