ニュースリリース - 2015年3月6日

シノプシス、フリースケール社のADAS向けS32V200 MCUファミリーのVDKを提供開始

短期間でのソフトウェアの開発/統合/テストを可能にするVirtualizer Development Kit

概要

  • 早期段階でのソフトウェア開発/統合/テストを可能にするVirtualizer Development Kit により、開発効率と製品信頼性が向上し、開発コストを削減
  • S32V234 MCU のバーチャル・プロトタイプ、ソフトウェア開発ツール、バーチャルHIL 環境でのシステム統合とテストを実行する車載システム設計ツールを統合した新しいVDK
  • フリースケール社とシノプシスの協業プログラム Center of Excellence の成果の一つであるS32V234 バーチャル・プロトタイプにより、フリースケール社の顧客企業各社に最短期間でVDKを提供


2015年3月5日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 – 
シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、フリースケール社S32V200 マイクロコントローラ(MCU)ファミリーのVirtualizer Development Kit(VDK)の提供を開始したと発表した。S32V234 のバーチャル・プロトタイプを組み込んだこのVDK により、先進運転支援システム(ADAS:Advanced Driver Assistance Systems)向けのソフトウェア開発をより早い段階で開始してより効率的に実行し、システム統合とテストを行うことができるようになる。このVDK は、フリースケール社とシノプシスの協業プログラム Center of Excellence の成果である。両社のエンジニアは、協力してフリースケール社の車載機器向け半導体製品に最適化したバーチャル・プロトタイプならびにVDK の開発とテストを行った。

フリースケール社 車載機器向けマイクロコントローラ事業部 オートモーティブ・エンジニアリング担当副社長 Ray Cornyn 氏は次のように語っている。「ADASを開発しているS32V シリーズのお客様各社では、システム・ソフトウェアの統合・テストを短期間で完了できるソフトウェア開発ソリューションを求めておられます。当社とシノプシス社がCenter of Excellence を通じて開発したS32V200 ファミリー向けVDK をご活用いただくことにより、車載システムの開発期間を短縮し、高品質なソフトウェアを迅速に市場投入できるようになります」

ADAS によって、車間距離自動制御、車線キープ・アシスト、自動ブレーキ制御、パーキング・アシストなどの機能が実現しており、そして将来的には自動運転も可能になる。こうした先進機能を可能にするためには、センサーで感知したあらゆる情報を解釈した上で熟練ドライバーの運転操作で対処するために必要なアルゴリズムとソフトウェアの開発/システム統合/テストが必要となる。S32V200 VDK は、車載ソフトウェア開発フロー、バーチャルHIL(Hardware-in-the-Loop)環境でのシステム統合、ISO26262 準拠性を確認するための故障テストをサポートするよう、ソフトウェア開発ツール群も併せて提供しており、サードパーティー・ツールとの統合もできる。また、多数に上る電子制御ユニット(ECU)との連係動作をシミュレートするため、シノプシスが提供している他のVDK との併用も可能である。こうした完全な仮想開発環境は、リグレッション・テスト環境でも用いることができるため、ソフトウェア品質を高め、製品品質を改善し、開発コストを削減することができる。

ARM社 開発ソリューション・グループ ジェネラル・マネージャ Hobson Bullman 氏は次のように語っている。「シノプシス社のS32V200 ファミリー向けVDK にはARM CortexTM-A53 デュアルコア・デュアルクラスター・プロセッサのARM® Fast Models が組み込まれており、当社のDS-5 Development Studio ツールにプラグインできます。ARM コアを用いて車載システムを開発していらっしゃるお客様は、このVDK を活用することによって、ハードウェア・コンポーネントが完成する遥か前の段階でソフトウェア開発に着手でき、開発スケジュールを数ヶ月単位で短縮することができるようになります」

CogniVue 社 CEO Simon Morris 氏は次のように語っている。「CogniVue APEX Image Cognition Processing(ICP)は、フリースケール社のS32V200 シリーズを用いたADAS のアルゴリズムやソフトウェアの開発の鍵を握るテクノロジです。当社とシノプシス社の協業により、S32V200 ファミリー向けVDKのユーザーは、APEX サブシステム・モデルにシームレスにアクセス可能となり、車載組込みビジョン・アプリケーションのソフトウェア開発期間を短縮することができるようになります」

シノプシス IP&システム・マーケティング担当副社長 John Koeter は次のように述べている。「ADAS の実現に必要なソフトウェア量の増加とテストの複雑化に対処するためには、車載システム開発チームはプロジェクトを早期に開始しなければなりません。シノプシスは、フリースケール社やIP プロバイダ各社との協業を通じて、車載ソフトウェア開発エンジニアの皆様に、様々なVDK の“ワン・ストップ・ショッピング”を可能にし、それによって最先端の車載システムの開発/統合/テストの期間短縮を実現します」

提供可能時期
フリースケールS32V200 ファミリー向けVDK は、シノプシスより既に提供を開始している。詳細な情報は、www.synopsys.com/freescalevdks32v200 より入手可能。

シノプシスについて
Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発している先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、ソフトウェア品質/セキュリティ・テストの分野でもCoverity ソリューションで業界をリードしており、世界第15 位のソフトウェア・カンパニーとなっている。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、最高レベルの品質とセキュリティが要求されるアプリケーション・ソフトウェアの開発者に、高品質で信頼性の高い革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。詳細な情報は、 http://www.synopsys.com/japan より入手可能。