ニュースリリース - 2013年5月8日

設計収束にかかる期間をさらに短縮するシノプシスのIC Compiler最新バージョン

ECO収束、高性能デザイン、最先端プロセス・ノードに対応した革新的機能を搭載

概要

  • フィジカル設計へのECOの影響を最小化、変更部分に限定したインデザイン・フィジカル検証などの革新的な新機能により、あらゆる世代のプロセス・ノードでの設計収束を短期化
  • クロック最適化とデータ最適化を並列実行することにより、高性能デザインに対しても設計収束が短期化
  • 最先端プロセス・ノード向けにカラーリング完全対応の配置配線機能とテープアウト実績豊富なFinFETサポート機能を提供


2013年5月6日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - 
半導体やエレクトロニクス・システムのイノベーションを加速させる開発用ソフトウェア、IP、技術サービスの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、シノプシスのGalaxyデザイン・プラットフォームの中核ツールであるIC Compilerの最新バージョンの提供開始を発表した。IC Compilerが業界をリードする既存の設計収束テクノロジに加えて、今回の最新バージョンでは、設計をさらに効率化する革新的なテクノロジと最先端プロセス・ノード対応を実現している。高性能なデザインを実現し、設計最終段階でのECOを効率化し、近年急速に実用化が進むFinFETシリコン向けにテープアウト実績豊富なカラーリング完全対応機能を提供する。

Mellanox Technologies社 バックエンド・エンジニアリング担当副社長 Evelyn Landman氏は次のように語っている。「当社は、データセンター内のサーバーとストレージ群を接続するための先進のインターコネクト半導体を設計・構築・製造していますが、そのためには業界最高レベルの設計ツールが不可欠となります。シノプシス社のIC Compilerは、当社の開発目標達成に大きく貢献してくれており、設計プロセスをさらに進化させてくれる新しい設計機能の活用に非常に期待しております」

IC Compiler 2013.03には、設計収束までにかかる期間をさらに短縮するための強力な新機能が搭載されている。重要な新機能の一つに、設計収束のために行われる最終段階でのECO機能がある。IC Compilerは、シノプシスのタイミング・サインオフ・ソリューション PrimeTimeと連係動作して、二つの基本原則に基づく非常に効率的なECOソリューションを提供する。一つは、レイアウト最適化工程の後に発生するECOを最小化すること。もう一つは、フィジカル設計に与える影響を最小限に抑えたECOを実行することである。この設計フローでは、新たに開発されたフィジカル・インパクト最小化機能を用いてPrimeTimeがサインオフ品質を満たす高精度なECOガイダンスを生成する。それに基づいて既存配線の再利用や配置済みコンポーネントの再配置の最小化を進めることによりレイアウト済みデザインへの影響を最小限に抑えるのである。IC Compilerは、完全に自動化されたインクリメンタル・インデザイン・フィジカル検証機能を使用して、ECO収束にかかる時間を大幅に削減する。

最先端チップの開発で引き続き重要な問題となるのはクロック設計である。チップの高性能化に伴い、クロック・ネットワークがチップ全体の消費電力に及ぼす影響は非常に大きくなる。クロック・ネットワークで消費する電力を最小限に抑えるには、これまで同様にクロック・ゲーティングが非常に有効な解決策ではあるが、クロック・ゲートのタイミング目標を満たすのは非常に困難な作業となる。また、高速なクロック・スピードが要求される場合には、データパス最適化とクロック・サイクル調整を両立できる革新的な新ソリューションが必要となる。IC Compiler 2013.03が配置プロセス実行中に行うクロック・エスティメーションにより高速クロック・デザインが可能となり、クロックとデータがコンカレントに最適化されたフィジカル&タイミング考慮のクロック・ゲーティングが実現できる。その結果、目標とした動作性能を上回る成果を達成できるのである。

IC Compiler 2013.03では、こうした機能向上に加えて新しいシリコン・テクノロジに対するサポートも強化されている。IC Compilerは、その誕生以来、最先端のプロセス・ノードへの対応で業界をリードし続けてきた。前回のバージョンでは、ダブルパターニングなどの新しい設計課題を喚起する20nmノードへの対応を実現した。今回は、近年急速に実用化が進むFinFETデザイン向けにテープアウト実績豊富なカラーリング完全対応ソリューションを提供するためにファウンダリ各社や早期適用企業と緊密に協業し、最新のプロセス・ノードのメリット活用を現実のものとし続けてきたIC Compilerの輝かしい実績をさらに強固なものとした。

シノプシス インプリメンテーション・グループ 上級副社長兼ジェネラルマネージャー Antun Domicは次のように述べている。「当社は、お客様各社の差し迫ったニーズに対応できるテクノロジ・イノベーションを提供し続けてまいりました。厳しい短期開発目標の下で最先端の設計開発を行っていらっしゃるMellanox Technologies様のような企業は、我々が今回リリースした早期ECO収束ならびに高性能デザイン実現のための設計テクノロジによってメリットを享受されるでしょう。これらの最先端機能は、我々が注力する最先端プロセス・ノード対応とあいまって、SoC開発業界が選ぶ最適なインプリメンテーション・ツールとしてIC Compilerが確立しているポジションをさらに強固なものとしました」

シノプシスについて
Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、グローバル・エレクトロニクス・マーケットでテクノロジ・イノベーションを展開している。そのソフトウェア製品、IP、技術サービスは、エンジニアが直面する設計/検証/システム開発/製造の課題の解決を支援しており、シノプシスは電子設計自動化(EDA)ならびに設計資産(IP)のリーディング・カンパニーとなっている。1986年の創業以来、世界中のエンジニアがシノプシスのテクノロジを使用して、何十億もの半導体やシステム機器を設計開発している。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jpより入手可能。

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