ニュースリリース - 2013年2月13日

シノプシス、ARMv8プロセッサ向けソフトウェアの早期開発を支援するためARM社と複数年の協業契約を締結

概要

  • シノプシスとARM社が、ARMv8プロセッサのARM® Fast Modelの提供に向けこれまでの協業契約を拡張
  • ARMv8プロセッサ向けのVDKにより、これらのプロセッサを搭載した製品のOS、ファームウェア、ドライバの開発開始時期を開発ボード完成の最大一年前に前倒し
  • マルチコア/マルチクラスター向けソフトウェアの解析機能により、製品の性能と消費電力の最適化が可能に
  • 半導体開発企業は、開発対象のSoCのVDKを自社ならびに顧客企業/パートナー企業のソフトウェア開発者に提供可能に


2013年2月11日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - 
半導体やエレクトロニクス・システムのイノベーションを加速させる開発用ソフトウェア、IP、技術サービスの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、ARMプロセッサ・ベース・システムのソフトウェア開発ツール群を拡張、ARMv8プロセッサのVDKの提供を開始すると発表した。シノプシスのVDK(Virtualizer Development Kit)は、組込みシステムの仮想プロトタイプによるソフトウェア開発環境である。ARMv8プロセッサのVDKを使用することにより、ソフトウェア開発者はARMv8プロセッサ・ベースSoC向けのソフトウェア開発を開発ボード完成の最大12ヶ月前に開始できるようになり、OSやファームウェア、デバイスドライバ、ミドルウェアの開発を早めることが可能になる。シノプシスは昨年より提供を開始したARMv7プロセッサ向けVDKの成功を受け、今回の新しいVDKの提供を決めた。

ARMv8プロセッサは、従来の32ビット命令セットに加えて、次世代のモバイル機器やコンシューマ機器、ネットワーク機器、企業向け大規模システムに対応すべく64ビットの命令セットと実行モードをもつAArch64アーキテクチャを提供している。シノプシスのVDKは、このAArch64をサポートしており、ARMv8アーキテクチャ準拠のプロセッサ上で稼動するソフトウェアの開発とデバッグを効率化するための視覚化機能と制御機能を提供する。これにより、ソフトウェア開発者は、製品の性能を高めつつ消費電力を最小化した製品の開発に向け、ソフトウェアを最適化することができるようになる。ARMv8プロセッサのVDKには、CortexTM-A57、Cortex-A53といったARMv8プロセッサのモデルや、big.LITTLETM処理サポート、DesignWare Interface IPのモデルで構築したリファレンス・バーチャル・プロトタイプがあらかじめ組み込まれている。また、このVDKは、実際の製品ソフトウェア開発のスターティング・ポイントとしてLinuxソフトウェア・スタックもサポートしている。

ARM社 システム設計部門担当 上級副社長 John Cornish氏は次のように語っている。「ARMv8アーキテクチャをベースにしたCortex-A57、Cortex-A53プロセッサをご使用になるお客様は、64ビット・ソフトウェアや開発ツールの強力な環境を手にすることができます。シノプシス社のARMv8プロセッサ向けVDKにはARM Fast Modelテクノロジが用いられており、ソフトウェア開発者の皆様は、早期コーディングとデバッグを可能にする効率的な環境を活用できるようになります」

シノプシスのVDKファミリーは、最も一般的なソフトウェア・デバッガをプラグ・アンド・プレイで使用できる統合環境を提供しており、半導体開発企業内のソフトウェア開発者だけでなく、その顧客企業やパートナー各社のソフトウェア開発者といった幅広いニーズにも対応するため様々なソフトウェア開発環境をサポートしている。今回のVDKには、マルチコア向けソフトウェアのデバッグ/解析ツール、リファレンス・ソフトウェア・スタック、ARMv8プロセッサ・ベースのリファレンス・デザインも組み込まれているため、ソフトウェア開発者にとってはすぐに使える開発環境となっている。シノプシスのVirtualizerを用いて、このリファレンス・デザインをカスタマイズし、自社独自のARMv8ベースSoCの 仮想環境を構築することもできる。VDKファミリーを使用することにより、ソフトウェア開発者は、DesignWare Interface IP向けのデバイス・ドライバをポーティングするなどにより、個別IPをサポートするためのソフトウェア開発を効率化 でき、SoC全体をサポートするソフトウェアの完成時期を早めることができる。

シノプシス IP & システム・グループ 上級副社長兼ジェネラルマネージャー Joachim Kunkelは次のように述べている。「当社とARM社は、製品開発企業がARM社の最新プロセッサのメリットを最大限活用できるよう、また ソフトウェア開発工数の激増がもたらしている開発期間長期化を回避できるよう、協業を続けてまいりました。ARMv8プロセッサ向けVDKにより、ソフトウェア開発者の皆様は次世代デバイス向けの開発を早期に開始し、開発中のソフトウェア・コードが最善の性能と消費電力を実現できることを確認しながら早期に完成できるようになります」

提供開始時期と参考情報
ARMv8プロセッサ向けVDKは、2013年4月の開発開始を予定している。

シノプシスについて
Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、グローバル・エレクトロニクス・マーケットでテクノロジ・イノベーションを展開している。そのソフトウェア製品、IP、技術サービスは、エンジニアが直面する設計/検証/システム開発/製造の課題の解決を支援しており、シノプシスは電子設計自動化(EDA)ならびに設計資産(IP)のリーディング・カンパニーとなっている。1986年の創業以来、世界中のエンジニアがシノプシスのテクノロジを使用して、何十億もの半導体やシステム機器を設計開発している。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jpより入手可能。

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