ニュースリリース - 2012年2月16日

シノプシスとアルテリス、マルチコアSoCアーキテクチャを -- 設計段階の早期により短期間で最適化する手段を提供

両社の協業により、Platform Architect上で利用できるFlexNoCインターコネクトのトランザクション・モデル を提供。 
現実的なマルチコア・システムの検証を実現

2012年2月15日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 
- 半導体設計・製造ツールならびにIPの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)と、ネットワーク・オン・チップ(NoC)インターコネクトIPソリューションの発明企業であり、リーディング・サプライヤであるアルテリス(Arteris Inc.)は本日、両社が協業して、シノプシスのPlatform Architect環境で使用できるアルテリスのFlexNoC®インターコネクトIPのモデルの提供を開始したことを発表した。これにより、システム設計者は、最終製品のアーキテクチャのシステム全体の性能を現実的なユースケースを想定してシミュレーションできるようになる。アルテリスのFlexNoCコンフィギュレーション・ツールが生成するSystemCトランザクションレベル・モデル(TLM)が、シノプシスのアーキテクチャ・デザイン・モデル群やトラフィック・ジェネレータと一緒にかつ容易に使用できるようになったことにより、システム・ソフトウェアやRTLデザインが完成する数ヶ月前の段階から、最終アプリケーションの早期性能解析やマルチコア・システム・アーキテクチャの非常に効率的な最適化が可能となった。

VDCリサーチ社 組込みSW/HW担当副社長のChris Rommel氏は次のように語っている。「当社の調査によると、開発プロジェクトの遅れの原因の約半分は、システム・アーキテクチャと仕様の食い違いにあることが判明しています。こうしたアーキテクチャの問題の多くは、マルチコアの搭載に伴うSoCの急速な複雑化に起因しています。設計フローの早期段階でのマルチコアSoCアーキテクチャの効率的な解析を可能にするためにシノプシス社とアルテリス社が開発したソリューションは、プロジェクト・スケジュールと結果性能を改善する方法を模索している開発チームにとって、非常に価値あるものとなるに違いありません」

アルテリスのFlexNoCインターコネクト・モデル向けに新しい機能が追加されたトランザクタや解析モニタを搭載したシノプシスのPlatform Architect MCO(Multicore Optimization Technology)は、複雑化を極めるデザインに対する早期性能解析と最適化の実行にとって3つの重要なアドバンテージを提供する。

1) ソフトウェアやRTLが完成する前段階で、完全な解析能力を備えたモデル環境を構築できる。
2) マルチコア・デザインのダイナミック動作や性能ボトルネックを正確に測定し可視化する手段が得られる。
3) 紙に書かれた仕様書とRTLデザインの間で、数週間あるいは数ヶ月かかってアーキテクチャ検討を行っていた従来手法に対して、数日間で数百ものアーキテクチャを検討できる設計自動化機能を活用できる。


FlexNoCインターコネクトIPを使用するアーキテクチャ開発者は、これらのメリットを活用して様々なマルチコア・アーキテクチャをより完全に網羅して検討し、最適なものを選択し、オーバースペックあるいはアンダースペックなSoCに起因する開発コストの増加を回避できるようになった。

アルテリス 社長 兼 CEO K. Charles Janacは次のように述べている。「当社のFlexNoCがシノプシス社のPlatform Architect MCO環境に統合されたことにより、当社のお客様各社は、より優れたSoCをより短期間で開発できるようなりました。両社のテクノロジの融合により、SoC設計者は、現在FlexNoCで実行しているシミュレーションと同等の高速環境で、より現実に即したシミュレーションと、より早期段階でのアプリケーション動作の解析を実行できるという大きなメリットを手にすることができるのです」

シリコン実証済みのネットワーク・オンチップ・インターコネクトIPであるFlexNoCを使用すれば、これまでのマルチコアSoCデザインで必要とされてきた内部接続ワイヤー数と論理ゲート数を削減できる。これによって、設計フロー後段の配置配線の工程で発生する配線密集やタイミング収束の困難化の問題を最小化できるため、開発期間を短縮でき、より高性能、省面積、低消費電力のSoC開発を実現できるようになる。

シノプシス IP&システム マーケティング担当副社長 John Koeterは次のように述べている。「我々のゴールは、システム設計者やアーキテクトの皆様が、開発フローの遅い段階になってシステム性能の問題に直面することにならないようなソリューションをご提供することです。それは開発スケジュールやコストの面で非常に大きな打撃となるからです。アルテリス社のFlexNoCインターコネクト・モデルとPlatform Architect MCO環境を活用してトランザクションレベルでアーキテクチャの解析と最適化を開始することにより、SoCアーキテクチャ開発者の皆様は、マルチコア・システムと、その上で動作する様々なアプリケーションのユースケースの最もクリティカルな部分に至るまでを迅速にシミュレーションすることができるようになります。そのため、開発工程の中で最も改善効果が高い段階で、性能、消費電力、コストの最良のバランスを検討できるようになります」

提供可能時期
アルテリス FlexNoC バージョン2.6以降とシノプシスPlatform Architect MCO 2011.06-SP2バージョン以降を使用中の顧客向けの統合環境は既に提供を開始している。アルテリス FlexNoCインターコネクトIPについてのより詳細な情報は、www.arteris.com/flexnocより入手可能。シノプシス Platform Architect MCOについてのより詳細な情報は、http://www.synopsys.com/platformarchitectより入手可能。

シノプシスについて
Synopsys, Inc. (Nasdaq上場コード:SNPS) は、グローバル・エレクトロニクス・マーケットでテクノロジ・イノベーションを展開している。そのソフトウェア製品、IP、技術サービスは、エンジニアが直面する設計/検証/システム開発/製造の課題の解決を支援しており、シノプシスは電子設計自動化 (EDA) ならびに設計資産 (IP) のリーディング・カンパニーとなっている。1986年の創業以来、世界中のエンジニアがシノプシスのテクノロジを使用して、何十億もの半導体やシステム機器を設計開発している。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jpより入手可能。

アルテリスについて
Arteris Inc.は、広い範囲のアプリケーションのシステム・ オン・ チップ(SoC)のアセンブリを加速するネットワーク ・ オン ・ チップ インターコネクトIPおよびツールを提供している。Arterisの製品ラインを使用することによって より低消費電力、高性能、効率的な設計資産再利用を行いつつ、 IC、SoC、FPGAの開発期間を短縮できる。 Arterisは、ネットワーク技術の専門家によって設立されたグローバル・カンパニーであり、米国カリフォルニア州サニーベールに本社を置き、フランス パリにエンジニアリングセンターを展開している。Arterisは、ARM Holdings、Crescendo Ventures、DoCoMo Capital、Qualcomm Incorporated、 Synopsys、TVM Capital、Ventechを含む国際投資家によってバックアップされている非上場企業である。詳細な情報は、www.arteris.comより入手可能。

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Synopsys、Platform Architectは、Synopsys, Inc. の登録商標または商標です。
Arteris、FlexNoC、Arterisのロゴは、Arteris Inc. の商標です。
その他の商標や登録商標は、それぞれの所有者の知的財産です。

<お問い合わせ先>

日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充
TEL: 03-6746-3940   FAX: 03-6746-3941