ニュースリリース - 2012年1月26日

ヤマハ、シノプシスのProcessor Designerを社内標準ツールに認定。DSPの開発期間を半減

Processor Designerの活用により、同社のサウンド・ジェネレータ・デバイス XMP-1の開発コストを削減しつつ、搭載機能を倍増


2012年1月25日 カリフォルニア州マウンテンビュー発
 -半導体設計・製造ツールならびにIPの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は、ヤマハ株式会社(以下、ヤマハ)が、同社のカスタム・メイドDSPデバイスの開発にシノプシスのProcessor Designerを採用したと発表した。ヤマハは、Processor Designerを活用して同社のDSPデバイス XMP-1の設計とインプリメンテーションを自動化することにより、この高精度サウンド・ジェネレーション・デバイスに従来比2倍もの音声処理チャネルを搭載し、かつ従来と比べて半分の設計期間となる6ヶ月でテープアウトに成功した。同社の開発部門は、Processor Designerを選んだ差別化ポイントとして、アセンブラ、リンカ、Cコンパイラ、命令セット・シミュレータ(ISS)といったソフトウェア開発ツール群の自動生成機能、使い易いプロセッサ記述言語、最適化されたRTLの自動生成機能などの完全な開発フローを挙げている。

ヤマハ株式会社 半導体事業部商品開発部 デバイス開発第1グループ 技師 森島守人氏は、次のように語っている。「XMP-1は、アミューズメント機器やデジタル・コンシューマ機器に、32チャネルのクリアなフェイズサウンド生成機能、独自の高音質・高機能なオーディオ処理を実現するAudioEngineTM、音声と同期したLED直接制御機能を提供します。これは固定化されたハードウェア回路だけで構成するデバイスでは実現できない新しい次元の機能です。Processor Designerによって、このDSPデバイスの開発が容易になり品質も向上しました。Processor Designerを活用して、我々は、この高精度サウンド・ジェネレーションDSPに従来比2倍の機能を搭載し、開発コストは削減しつつ、必要となるソフトウェア開発ツール群の生成まで含めてちょうど1年ですべての開発を終了しました。」

Processor Designerで使用するプロセッサ記述言語 LISAは非常に使い易いため、ヤマハの開発チームではプロセッサ開発期間を従来比で50%以上短縮することができた。また、XMP-1に搭載する音声処理チャネルを従来比2倍にできた一方で、デバイスのシリコン面積を20%削減することができた。さらにソフトウェア処理の柔軟性も高まったため、ハードウェア設計が完成した後でも、品質面で妥協したり、開発期間を延長することなく、必要な音声処理アルゴリズムを追加することができるようになった。Processor DesignerのCコンパイラ自動生成機能も、ヤマハにとって非常に大きなメリットとなった。開発プロジェクトの人員にも開発スケジュールにも制限があったため、手作業でCコンパイラを作成するのは不可能に近い課題だったからである。

シノプシス IP & システム・マーケティング担当副社長 John Koeterは、次のように述べている。「ヤマハ様に見られるように、近年多くの企業では、開発する製品に最適な機能と性能を搭載し、低消費電力動作を実現するための柔軟性を確保するには、固定化されたハードウェア回路だけで構成するデバイスでは無理だと実感されてます。Processor Designerを使用すれば、ソフトウェアのプログラム制御ならではの柔軟性をチップ上で実現できるだけでなく、RTL自動生成やソフトウェア開発ツール群の自動生成といった非常に高度な開発自動化フローを活用できるようになります。ヤマハ様が今回達成された成果は、Processor Designerを使えば、開発リスクや開発期間を削減しつつ最適な設計を検討して実現できるという好例です」

Processor Designerは、単一の高位抽象度記述からアセンブラ、リンカ、デバッガ、Cコンパイラといったソフトウェア開発ツール、RTL、命令セット・シミュレータを全て自動生成できるため、特定用途向けプロセッサ(ASIP)やプログラマブル・アクセラレータの開発を大幅に効率化できる。ASIPやプログラマブル・アクセラレータなら、固定化されたハードウェア回路デバイスと異なり、SoC上に組み込まれる様々な機能や標準規格を1つのデバイスでプロセッサ処理することができる。したがって、ビデオ、オーディオ、セキュリティ、ネットワーク、ベースバンド、制御ユニット、工業オートメーションといった多種多様な機器に対応できる理想的なデバイス・ソリューションなのである。

Synopsys, Inc. は、電子設計自動化(EDA)ソリューションの世界的リーダーであり、半導体の設計ならびに製造に用いられる各種のツール、設計資産(IP)、サービスを全世界のエレクトロニクス関連企業に提供している。システムレベルHW/SW設計検証、IP 、HWインプリメント、HW検証、HW製造、FPGA設計の各ソリューションで構成されるシノプシスの包括的な統合環境により、顧客企業が設計や製造段階で直面している重要な課題、すなわち消費電力や歩留まりの管理、システム設計段階からシリコン製造段階までを網羅する総合検証、開発期間の短縮といった課題を克服することが可能になる。各種テクノロジを駆使したこれらのソリューションを活用することにより、顧客企業は、開発コストや開発リスクを削減しつつ最高の製品を迅速に市場投入することが可能となり、競争力を高めることができる。カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置き、事業所は北米、ヨーロッパ、日本、アジア、インドなど70ヶ所。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jpより入手可能。

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