ニュースリリース - 2011年5月12日

シノプシス、Dynamic Resolution Adaptionオーディオ標準規格に対応した初めてのソリューション -- DesignWare ARC Sound IPソリューションを開発

Chinese National HDオーディオ標準規格に対応したDesignWare ARC Sound DRAデコーダ機能により
さらに進化した高品質なオーディオ体験が実現

2011年5月11日 カリフォルニア州マウンテンビュー発
 - 半導体設計・製造ツールならびにIPの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、広く用いられているDesignWare ARC Sound AS211SFXオーディオ・プロセッサならびにAS221BDオーディオ・プロセッサ上でDRA(Dynamic Resolution Adaption)デコーダ機能を実現するために最適化されたソフトウェアの提供開始を発表した。このDesignWare ARC Sound DRAデコーダは、Blu-ray DiscTM仕様の一部であるChinese National HD(High-Definition)オーディオ標準規格に対応しており、包括的な商用オーディオIPソリューションを実現するためソフトウェア実装として提供される業界初のソリューションである。DesignWare ARC Sound AS211SFXオーディオ・プロセッサと AS221BDオーディオ・プロセッサは処理効率が非常に高いため、中国デジタル放送(2.1チャネル)向けにはクロック周波数18MHz、ブルーレイ・ディスク(7.1チャネル)向けには134MHzで最適なDRAデコーダ機能を実現できる。DesignWare ARC Sound DRAコーデック機能とDesignWare ARC Soundオーディオ・プロセッサを活用することにより、OEM企業やSoC開発企業は、中国デジタル放送機器や、デジタル・ホームシアター、インターネット・ストリーミング、パーソナル・メディア・プレーヤーなどの多彩な機器で、さらに進化した高品質・高詳細なオーディオ機能を提供できるようになる。

Hirschmann Car Communication社 プロジェクト・マネージャーのChristian Schwarz氏は次のように語っている。「当社は、自動車向けの高詳細マルチメディア機器のリーディング・プロバイダです。急成長するマーケットのニーズに対応するためにIPを手間をかけずに我々の設計に統合していくことは、当社にとって必要不可欠な作業です。シノプシスが提供してくれるDesignWare ARC Soundオーディオ・プロセッサとDRAデコーダを当社の最新の高品位車載TV受信機に組み込むことにより、当社製品のオーディオ機能を拡張し、中国国内のモバイル放送規格CMMB(Chinese Multimedia Mobile Broadcasting)に対応できるようになりました」

Digital Wave社 技術開発担当ディレクターのNan Deng氏は次のように語っている。「当社は、DRAオーディオ標準規格準拠性の公式認定を行っていますが、シノプシス社はこの非常にユニークなオーディオ仕様に対し非常に深い知識を持っておられます。DesignWare ARC Sound AS211SFXオーディオ・プロセッサとAS221BDオーディオ・プロセッサ上でDRAコーデック機能を実現するために最適化されたソフトウェアがシノプシス社から提供されることにより、OEM企業やSoC開発企業は、中国のコンシューマ・エレクトロニクス製品向けに高品位なオーディオ・ソリューションを提供できるようになります」

プロセッサ設計者とオーディオ・エンジニアリングのプロフェッショナルが共同開発するシノプシスのDesignWare ARC Sound IPソリューションは、紛れもなく高品質なオーディオ性能を提供する。

シングルコアのDesignWare ARC Sound AS211SFXオーディオ・プロセッサには、あらゆるオーディオ用途に対応するために必要な帯域と消費電力性能を実現するオーディオ・プロセッシング向けに最適化された強力なデュアルMAC DSPが組み込まれている。デュアルコアのDesignWare ARC Sound AS221BDオーディオ・プロセッサは、ブルーレイ・ディスクや高詳細・マルチチャネルのデジタル・オーディオ機器向けSoCへの組込みに向けて最適化されている。これらのオーディオ・プロセッサは、コンフィギュラビリティが非常に高いため、各SoCに合わせて容易に組み込むことができ、また最適化することができる。またDesignWare ARC Sound IPソリューションは、DesignWareで提供する幅広いARC Sound オーディオ・コーデック機能に共通のソフトウェア・インターフェイスを提供し、オーディオ・ポスト・プロセッシング機能も実現するメディア・ソフトウェア・フレームワークを有している。さらにDesignWare ARC Sound IPソリューションは、シノプシスが持つSonic Focusポスト・プロセッシング・テクノロジによりスタジオ品質のオーディオ特性を実現しており、Energy Proアクティブ・パワー・マネージメント・テクノロジにより長時間再生にも対応している。

シノプシス IP&システム マーケティング担当副社長 John Koeterは次のように述べている。「成長を続ける中国のオーディオ市場と、モバイル・マルチメディア放送向けのDRAやBlu-ray Discなどの関連規格は、様々な機器で高品質なオーディオ体験を可能にしています。シノプシスは、32ビット・プロセッサIPコアのリーディング・プロバイダであり、それを組み込んだ製品は年間7億台以上出荷されていますが、我々は今後も設計者が高品位デジタル・オーディオ機器に代表される成長市場に実証済みのテクノロジを投入していくためのお手伝いをしてまいります。当社のDesignWare ARC Sound IPソリューションは、実チップで実証済みのオーディオ・プロセッサ、デコーダ、関連ソフトウェアで構成されており、オーディオ関連のあらゆる規格に対応した包括的なソリューションを設計者にご提供しています」

DRAは、マルチチャネル・デジタル・オーディオ・コーデック仕様の実装に用いられるオーディオ符号化/復号化テクノロジであり、中国のエレクトロニクス業界の標準技術(SJ/T 11368-2006)として、そして中国国内のオーディオ標準技術(GB/T 22726-2008)として承認されている。DRAは、ブルーレイ・ディスクのBD-ROM仕様にも含まれている技術であり、CMMB向けのフォーマットして選ばれている。DesignWare ARC Soundオーディオ・プロセッサとDRAデコーダは、この標準規格に対応した製品を設計するための初めての商用IPソリューションであり、マルチチャネルに対応すると同時に、全てのチャネルで24 bitの高品位解像度を実現し、ステレオ、5.1/6.1/7.1サラウンドもサポートしている。また、8kHzから192kHzまでの様々なサンプルレートにも対応している。DesignWare ARC Sound IPソリューションによって、OEM企業やSoC開発企業は、高品位なオーディオ機能を組み込むことができるようになり、機能的にも中国マーケットの独自の仕様に対応した分野まで拡張できるようになる。

提供可能時期
AS211SFXオーディオ・プロセッサとAS221BDオーディオ・プロセッサ用に最適化されたDesignWare ARC Sound DRAデコーダは、現在、早期適用顧客向けに提供しており、2011年11月に一般提供を予定している。AS211SFXオーディオ・プロセッサIPとAS221BDオーディオ・プロセッサIPは、既に一般提供を行っている。詳細な情報はhttp://www.synopsys.com/jp2/IP/ProcessorIP/ARCAudio/Pages/default.aspxより入手可能。

DesignWare IPについて
シノプシスは、システムオンチップ向けの高品質かつシリコン実証済みIPのリーディング・プロバイダである。シノプシスの多岐にわたるDesignWare IP群は、デジタル・コントローラIP/PHY/検証用IPからなる完全なインターフェイス(業界標準プロトコル)IP、アナログIP、組込みメモリー、ロジック・ライブラリ、組込みテスト/修正IP、オーディオ・ポストプロセッシング・ソフトウェア、コンフィギュアブル・プロセッサ・コアで構成されている。さらにシノプシスは、シリコン完成前の段階でソフトウェア開発を開始するために必要となるバーチャル・プラットフォームを作成するためのSystemCTMベースのトランザクション・レベル・モデル群も提供している。DesignWare IPは、信頼性の高い開発手法、IPリユース・ツール、品質確保のための巨額の投資の所産であるだけでなく、包括的な技術サポートとともに提供されているため、設計者は、IPのSoCへの統合リスクを最小化し、最終製品の市場投入までにかかる期間を短縮することができる。

詳細情報はhttp://www.synopsys.com/designwareより入手可能。DesignWare IPコミュニティーへのご参加はこちらから。 http://twitter.com/designware_ip

シノプシスについて
Synopsys, Inc. は、電子設計自動化(EDA)ソリューションの世界的リーダーであり、半導体の設計ならびに製造に用いられる各種のツール、設計資産(IP)、サービスを全世界のエレクトロニクス関連企業に提供している。システムレベルHW/SW設計検証、IP 、HWインプリメント、HW検証、HW製造、FPGA設計の各ソリューションで構成されるシノプシスの包括的な統合環境により、顧客企業が設計や製造段階で直面している重要な課題、すなわち消費電力や歩留まりの管理、システム設計段階からシリコン製造段階までを網羅する総合検証、開発期間の短縮といった課題を克服することが可能になる。各種テクノロジを駆使したこれらのソリューションを活用することにより、顧客企業は、開発コストや開発リスクを削減しつつ最高の製品を迅速に市場投入することが可能となり、競争力を高めることができる。カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置き、事業所は北米、ヨーロッパ、日本、アジア、インドなど70ヶ所。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jpより入手可能。

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Synopsys、ARC、DesignWare、Sonic Focusは、Synopsys, Inc.の登録商標または商標です。
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<お問い合わせ先> 

日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充
TEL: 03-6746-3940   FAX: 03-6746-3941