ニュースリリース - 2011年2月8日

シノプシス、最適なマルチコア・システム開発のための新しいテクノロジを発表

Platform Architectが提供する新機能により、ソフトウェアが入手可能になる数ヶ月前に
マルチコア・システムのアーキテクチャ最適化、ハードウェア/ソフトウェア分割、性能解析が可能に

要旨

  • シノプシスのPlatform Architectの新機能Multicore Optimization Technologyにより、負荷が動的に変化するマルチコア向けアプリケーションを表現可能なパフォーマンス・モデルをSystemC環境下で非常に迅速に作成し活用できるようになる。
  • システム全体のアーキテクチャを設計する早期コンセプト段階で、このパフォーマンス・モデルを活用することにより、システム・アーキテクトは、実際のソフトウェアが完成する数ヶ月前からハードウェアとソフトウェアで構成するシステム・アーキテクチャを評価し解析し最適化することができるようになる。
  • コンシューマー機器やワイヤレス機器、車載機器などのデザインがオーバースペックやアンダースペックになるリスクを回避でき、コストを抑えた製品開発が可能になる。


2011年2月7日 カリフォルニア州マウンテンビュー発
 - 半導体設計・製造ツールならびにIPの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、Platform Architectの新機能Multicore Optimization Technologyを発表した。Multicore Optimization Technologyは、SystemC環境下でマルチコア・ベースのシステム・アーキテクチャを早期に定義し性能解析を行うためのソリューションである。この新機能により、SoCやチップセット、システムなどの設計者は、ハードウェアとソフトウェアで構成するマルチコア・システム・アーキテクチャの性能モデルを早期コンセプト段階で活用し、実際のソフトウェアが完成する数ヶ月前からシステムの性能測定とトレードオフ解析を確実に実行することができるようになる。

NXP社 カーエンターテイメント・ソリューション システム・アーキテクトのRené van den Berg氏は次のように語っている。「SoCの開発コストは急上昇しており、システム・アーキテクトにとって、あらゆる場面を想定した最適なシステム・アーキテクチャを低コストで開発するのは非常に困難な作業となっています。シノプシス社のPlatform Architectに組み込まれたMulticore Optimization Technologyによって、アーキテクトは、開発プロジェクトの早期段階で、アプリケーションと必要な機能を明確に把握できるようになります。Multicore Optimization Technologyを使えば、システムのパフォーマンスを解析し、システム実現のためにハードウェアとソフトウェアを適切に割り当て、ソフトウェア実行手順のシナリオを決め、アーキテクチャを決定できるため、開発期間全体を大幅に削減することができるようになります」

今回の新機能により、Platform Architectユーザーは、最終製品のタスク・ベース負荷モデル(タスク・グラフ)を作成し、ハードウェア/ソフトウェア分割とシステム性能の解析/最適化を実行することができる。ハードウェア/ソフトウェア分割の終了後は、そのタスク・グラフとタスク・ベースのトラフィック負荷を再利用して、内部接続やメモリー・サブシステムの性能最適化、SoC全体のアーキテクチャ探求とIP選択を実行することができる。マルチコア・システムの性能最適化、システム評価にかかる期間や開発期間の短縮と言ったメリットも享受できる。

シノプシス システムレベル・ソリューション プロダクト・マーケティング・ディレクター Frank Schirrmeisterは次のように述べている。「マルチコア・ベースのSoCやチップセット、システムなどの開発者の大きな関心事は、デザインがオーバースペックやアンダースペックになるリスクです。製品の市場競争力を低下させたり、コスト増加要因となるリスピンを引き起こすことになるからです。マルチコア・アーキテクチャの解析をもっと確実に行わなければならない、しかももっと早い段階で開始しなければならない、というのが開発者の共通認識です。Multicore Optimization Technologyによって、Platform Architectユーザーの皆様は、アーキテクチャの修正がまだ可能な段階でマルチコア・システムの性能の問題を特定し解決することができるようになります。これによって、システムをハードウェアとソフトウェアに実装していく段階で設計のやり直しに遭遇するのを回避することができ、開発コストの増加を防止できます」

製品サプライチェーンの中で、ハードウェア部品やソフトウェア部品、マルチコアSoC、チップセットなどのサプライヤー、そして最終システム・メーカーの間のやり取りは非常に複雑な工程になっている。Platform Architect のMulticore Optimization Technologyによって、マルチコア・システム・アーキテクチャの仕様に関するやり取りを、これまでのように口頭やテキストで行うのではなく、実行可能な性能モデルを使って行えるようになるため、製品サプライチェーンの各パートナー間のコラボレーションの効率と精度を大幅に高めることができる。ハードウェアやソフトウェアが最終的どうなるかといったことに依存せず、こうした情報共有を簡単に行うことができるようになるのである。

提供可能時期
Multicore Optimization Technologyは、Platform Architect のオプション機能として既に提供を開始している。詳細な情報はhttp://www.synopsys.com/platformarchitectより入手可能。

シノプシスについて
Synopsys, Inc. は、電子設計自動化(EDA)ソリューションの世界的リーダーであり、半導体の設計ならびに製造に用いられる各種のツール、設計資産(IP)、サービスを全世界のエレクトロニクス関連企業に提供している。システムレベルHW/SW設計検証、IP 、HWインプリメント、HW検証、HW製造、FPGA設計の各ソリューションで構成されるシノプシスの包括的な統合環境により、顧客企業が設計や製造段階で直面している重要な課題、すなわち消費電力や歩留まりの管理、システム設計段階からシリコン製造段階までを網羅する総合検証、開発期間の短縮といった課題を克服することが可能になる。各種テクノロジを駆使したこれらのソリューションを活用することにより、顧客企業は、開発コストや開発リスクを削減しつつ最高の製品を迅速に市場投入することが可能となり、競争力を高めることができる。カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置き、事業所は北米、ヨーロッパ、日本、アジア、インドなど70ヶ所。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jpより入手可能。

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日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充
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