シノプシス、スタンダードセル、複雑なマクロならびにメモリ向けの新しいキャラクタライゼーション・ソリューションを発表
非常に高精度かつコンパクトなライブラリ開発を可能にする包括的なソリューション
2010年6月14日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - 半導体設計・製造ツールならびにIPの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は、本日、複雑化を極めるSoCの設計に必要となる高精度かつコンパクトなモデルを生成する包括的なツール・スイート Galaxyキャラクタライゼーション・ソリューションを発表した。今日のSoCでは、求められる全ての性能基準を満たすために、数百ギガバイトにものぼるタイミング/パワー/ノイズ/バラツキ・データを持ったライブラリが必要になる。Galaxyキャラクタライゼーション・ソリューションは、ライブラリ・サイズを平均1/4に削減できる唯一のソリューションであり、スタンダードセル/マクロ/メモリの高精度なタイミング/パワー/ノイズ・モデルをコンパクトなCCS(composite current source)モデルで提供する。
Galaxyキャラクタライゼーション・ソリューションは、シノプシスの高精度回路シミュレータ HSPICE、RC抽出ソリューション StarRC、トランジスタレベル・スタティックタイミング解析ソリューション NanoTime、ライブラリ・モデリング・ソリューション Liberty NCXのテクノロジを元に構築されている。このソリューションで生成されたCCSモデルは、フィジカル・インプリメンテーション・ソリューション IC Compilerやスタティックタイミング・サインオフ・ソリューション PrimeTimeでそのまま使用され、短期間でのタイミング収束と設計生産性向上を実現する。
プロセス・ジオメトリが28nm以降へ微細化しクロック周波数が上昇すると、実シリコンで所望の性能を達成するには、シグナルインテグリティとバラツキの問題に対処できるタイミング/ノイズ・モデルが不可欠となる。そのため、モデル・ライブラリのサイズは、数十ギガバイトのレベルから数百ギガバイトのレベルに簡単に急上昇する。設計者にとっては、高精度なライブラリは必要だが、かといって巨大なライブラリ・サイズや実行時間の長期化は受け入れられないというジレンマとなる。Liberty NCXは、精度を犠牲にすることなくライブラリ・サイズを平均1/4に削減できるCCSモデルを生成することによって、この問題を解決する。さらに、ノイズ・モデルを従来の7倍の速さで生成できる。PrimeTimeやIC Compilerでは、このCCSモデルをそのまま使用し、各ツールの実行時間やディスク使用量を削減し、最終的な設計コストを抑制する。
シノプシス 上級副社長兼インプリメンテーション・グループ・ジェネラルマネージャー Antun Domicは、次のように述べている。「他社にはないテクノロジと革新的メソドロジの組み合わせにより、Galaxyキャラクタライゼーション・ソリューションは、設計者のあらゆるニーズに対応した完全なキャラクタライゼーション能力をご提供できるようになりました。高精度なタイミング/パワー/ノイズ・モデルをコンパクトなCCS(composite current source)モデルで生成し、さらにPrimeTimeやIC Compilerでシームレスに使用することにより、設計者の皆様には、大きな自信を持ってSoCデザインをインプリメントしていただけるようになります」
Galaxyキャラクタライゼーション・ソリューションは、スタンダードセル向けのタイミング/パワー/ノイズ・モデルを既にサポートしている。NanoTimeの解析エンジンを用いた、複雑なマクロと組込みメモリ向けのモデリング・サポートは、今後リリース予定である。