ニュースリリース - 2007年5月31日

シノプシスと図研、プリント基板の強固な設計/検証を実現する統合ソリューションを提供

シノプシスのシミュレーター Saberと図研のCR-5000 System Designerにより、
システムレベルの設計/シミュレーション/検証環境を提供

2007年5月30日 カリフォルニア州マウンテンビュー、ドイツ ミュンヘン発 - シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)と、エンジニアリング・コンサルティング企業の株式会社図研は本日、プリント基板(PCB:Printed Circuit Board)の強固な設計/検証を実現する統合ソリューションの共同開発を開始すると発表した。このソリューションは、相互補完的な製品であるシノプシスのシミュレーター Saberと図研のCR-5000 System Designerの組み合わせで構築され、システムレベルの電子設計/シミュレーション/検証環境を提供する。また図研とシノプシスは、協力してパートナーシップを促進し共同開発を進めるため、In-Sync契約(シノプシスが提供するEDAベンダとの協力プログラム)も締結した。これは、両社共通のお客様の要求に沿ったものである。

両社は、ボードレベルでのアナログ・ミックスドシグナル設計のために、図研のCR-5000 System Designerとシノプシスのシミュレーター Saberを緊密に統合するインターフェイスを開発する。両社の開発チームは、Saberと他社のソリューションとを統合し、補完関係にある異なるツール間の相互インターフェイスを確立してきた実績のあるシノプシスのFramewayテクノロジを活用する。設計者は、CR-5000 System Designerを用いてデザインを作成し、同じCR-5000環境上でSaberを起動して、作成したデザインのシミュレーションを実行できるようになる。これによって、インプリメント/シミュレーション/結果解析を共通インターフェイスを通じて相互参照する場合に発生しうるエラーを排除できる。結果は、シノプシスの波形解析ビューワCosmosScopeで解析できる。

Bosch社 モジュール・エンジニアリング事業部 電子制御部門 ガソリンシステム担当ディレクター Joachim Fetzer工学博士は、次のように語っている。「当社は、シノプシス社と図研社がPCB設計/検証環境の向上を目指して協業することを強く支持します。この強化された統合環境により、設計生産性と設計信頼性は間違いなく向上するでしょう。設計期間を大幅に短縮でき、結果的に、より高品質な製品を市場投入することが可能になります」

図研アメリカ CEO兼 ヨーロッパ担当ジェネラル・マネージャーのGerhard Lipskiは、次のように述べている。「両社が取り組んでいる自動車や航空宇宙関連分野は、非常に高精度で信頼性の高いフィジカル検証が求められる分野です。Saberは、この自動車や航空宇宙関連分野で最も信頼性があり高い評価を受けているアナログ・ミックスドシグナル・シミュレータです。シノプシス社と協業して、それぞれの設計環境とシミュレーション環境を統合することにより、製品開発の品質と信頼性を向上させることができます。今回の協業により、図研のソリューションは、最も包括的なPCB設計環境の一つになるでしょう。」

シノプシス Saberプロダクトライン担当ジェネラルマネージャー兼副社長のMick O’Brienは、次のように述べている。「PCBの設計と検証の間にあるギャップを埋める架け橋となるプラットフォームを提供する当社と図研社の戦略的パートナーシップにより、お客様が大きな恩恵を受けることは明らかです。図研社のCR-5000設計環境は、PCB設計とレイアウトの分野をリードするソリューションです。SaberをCR-5000 System Designerと統合することによって、ボードレベル設計分野に強固な設計メソドロジを提供することができます」

シノプシスのSaberは、電気/磁気/メカニズム/熱/水などの特性の異なる複数のフィジカル設計ドメイン間のシステム動作をシミュレートし、解析し、検証するために用いられている強力なモデリング/シミュレーション環境である。Saberの提供する、先進のタイム・ドメイン/周波数ドメイン解析、豊富なモデル・ライブラリ、多言語対応のモデリング・ツール、強力な波形解析ビューワにより、設計者は強固な設計テクニックを活用してデザイン性能、信頼性、開発コストを最適化することができる。Saberには、様々な業界で実際に製品化された何千にも上る設計の実績があり、開発コストを最小化し、設計のやり直しを削減し、信頼性を向上させる優れたソリューションとして、世界中の設計チームに用いられている。

CR-5000は、規模の大小を問わず先進の企業向けに開発されたソリューションであり、拡張性の高い強固なPCB開発環境と最先端のレイアウト機能を提供している。CR-5000は、独自の先端テクノロジをDesign for Manufacturabilityメソドロジに組み込んでいるため、設計工程の早期段階で用いられた設計ルールを製造に至るまでの工程で正しく維持することができる。これによって、初回の設計で正しく動作し、初回の製造で実装できる製品開発が可能になる。System Designerは、最先端のエレクトロニクス製品を開発する様々な企業向けのソリューションであるCR-5000環境の中で、デザイン作成工程を担うツールである。System Designerによって、デザインのキャプチャリングと解析をグラフィカルな環境で実行できる。グラフィック・ベースのデザイン入力からテキスト・ベースのデザイン入力まで幅広い入力方法をサポートしており、システムレベル設計とボードレベル設計の両方で、デジタル回路設計、アナログ回路設計、ミックスドシグナル回路設計を実行できる。System Designerは、論理合成、シミュレーション、タイミング解析、検証、デバッグといった設計の各工程とタイトに連携して動作する。System Designerの提供する独自のデザイン入力メソドロジは、設計期間を短縮し、製品コストや製品サイズを最小化し、製品品質を向上させるために開発されている。

提供時期
この統合インターフェイスは、2007年後半に提供を予定している。

図研について 
(株)図研は1976年に設立し、日本はもとより、世界中のエレクトロニクス系製造業に、設計から製造までの自動化・効率化のソリューションを提供している企業です。特にEDA分野においては、PCB/MCM/HIC設計ソフトウエアで常に世界トップクラスのシェアを持ち事実上の標準となっています。さらに、加速するグローバリゼーションへの対応など、製品のライフサイクル全体を通じて事業収益拡大に貢献するソリューションとして、図研のPLMプラットホームは、国内外の先端的エレクトロニクス企業への導入が加速しています。早くから海外展開を図り、現在、グループ全体で全世界10カ国に販売サポート拠点があります。

詳細は、http://www.zuken.co.jpをご覧下さい。

シノプシスについて
Synopsys, Inc. は、電子設計自動化(EDA)ソリューションの世界的リーダーであり、半導体の設計ならびに製造に用いられる各種のツール、設計資産(IP)、サービスを全世界のエレクトロニクス関連企業に提供している。システムレベルHW/SW設計検証、IP 、HWインプリメント、HW検証、HW製造、FPGA設計の各ソリューションで構成されるシノプシスの包括的な統合環境により、顧客企業が設計や製造段階で直面している重要な課題、すなわち消費電力や歩留まりの管理、システム設計段階からシリコン製造段階までを網羅する総合検証、開発期間の短縮といった課題を克服することが可能になる。各種テクノロジを駆使したこれらのソリューションを活用することにより、顧客企業は、開発コストや開発リスクを削減しつつ最高の製品を迅速に市場投入することが可能となり、競争力を高めることができる。カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置き、事業所は北米、ヨーロッパ、日本、アジア、インドなど70ヶ所。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jpより入手可能。

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Synopsysは、Synopsys, Inc.の登録商標です。
Saberは、Sabermark Limited PartnershipがSynopsys, Inc.に使用許諾している登録商標です。
CR-5000およびSystem Designerは株式会社図研の商標です。
その他の商標や登録商標は、それぞれの所有者の知的財産です。

<お問い合わせ先> 

日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充
TEL: 03-5746-1780   FAX: 03-5746-1781