ニュースリリース - 2007年11月7日

東芝、設計の精度と生産性向上に向け、同社65nmデザインにCCSテクノロジを標準適用

Composite Current Sourceモデリング・テクノロジにより
モデリング精度が2倍に向上、キャラクタライゼーションにかかる工数を80%削減

2007年11月6日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - 半導体設計・製造ツールならびにIPの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は、本日、株式会社東芝(以下、東芝)が、同社の量産向けCMOS5プロセスTC320Cスタンダードセル・ライブラリで、シノプシスがオープンソースで提供しているLiberty Composite Current Source(CCS)モデリング・テクノロジを標準技術として採用したと発表した。シノプシスのGalaxyデザイン・プラットフォームが提供するこの高精度なCCSライブラリを用いることにより、東芝はデザインのインプリメンテーションとそのサインオフ検証を通じて施す設計マージンを最小化できるため、より高度なSoCデザインが可能になる。CCSは、電圧や温度の変動に応じたスケーラブルなモデリングという強力なテクノロジを提供しており、これにより設計者は、低消費電力設計フローを簡素化し設計生産性を向上させることができる。

株式会社東芝 セミコンダクター社 設計技術技師長 吉森崇氏は次のように語っている。「当社では、65nm設計フローを整備する初期段階から、Current sourceモデルを採用する必要があると判断していました。シノプシス社のCCSと他社のCurrent sourceモデリング技術を様々な角度から評価した結果、厳格な精度とスケーラビリティの実現という当社の判定基準に合致したのはCCSでした。CCSを用いることによりモデリング精度は2倍以上も向上し、回路シミュレータ HSPICE比で5%の誤差という精度から2%という精度になりました。さらにCCSは、電圧や温度の変動に応じてスケーラブルにモデリングできる非常に柔軟性の高いテクノロジであり、設計フロー、とりわけ多電源デザイン向けのフローを簡素化できます。このソリューションによって当社の設計者は、設計生産性を向上し、ライブラリの数やキャラクタライゼーションにかかる工数を削減できます。」

CCSモデリング・テクノロジは、オープンソースで提供しているライブラリ・モデリング標準であるLibertyの一部であり、モデリング精度が非常に高いだけでなく、タイミング、シグナル・インテグリティ、パワーといったナノメータ・デザインで顕著になる設計要素を包括的にモデリングできる。電圧変動に応じたモデリングができるため、ダイナミックな電圧変動や周波数変動、multi-Vt、multi-Vddなどに対応した最先端の低消費電力設計フローを簡素化できる。CCSモデリング・テクノロジは、Galaxyデザイン・プラットフォーム全体を通じて適用できる。またCCSモデリング・テクノロジを用いたライブラリは、ファウンダリ、IPベンダ、IDMなどの主要企業各社から提供されており、エレクトロニクス業界で急速に普及しつつあるテクノロジとなっている。

シノプシス インプリメンテーション・グループ 上級副社長兼ジェネラル・マネージャのAntun Domicは、次のように述べている。「65nm以降の製品開発で半導体業界が必要としているモデリングの要求を満たすためには、単体で複数の要素をモデリングできるCurrent sourceモデルが必須です。Liberty CCSベースのIPのリリースや、東芝様のような業界を代表するIDM企業各社によるCCS採用が相次いでおり、当社はLibertyが今後も業界のライブラリ・モデリング標準であり続けることに自信を深めています」

シノプシスについて
Synopsys, Inc. は、電子設計自動化(EDA)ソリューションの世界的リーダーであり、半導体の設計ならびに製造に用いられる各種のツール、設計資産(IP)、サービスを全世界のエレクトロニクス関連企業に提供している。システムレベルHW/SW設計検証、IP 、HWインプリメント、HW検証、HW製造、FPGA設計の各ソリューションで構成されるシノプシスの包括的な統合環境により、顧客企業が設計や製造段階で直面している重要な課題、すなわち消費電力や歩留まりの管理、システム設計段階からシリコン製造段階までを網羅する総合検証、開発期間の短縮といった課題を克服することが可能になる。各種テクノロジを駆使したこれらのソリューションを活用することにより、顧客企業は、開発コストや開発リスクを削減しつつ最高の製品を迅速に市場投入することが可能となり、競争力を高めることができる。カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置き、事業所は北米、ヨーロッパ、日本、アジア、インドなど70ヶ所。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jpより入手可能。

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SynopsysおよびHSPICEは、Synopsys, Inc.の登録商標です。 LibertyおよびGalaxyは、Synopsys, Inc.の商標です。
その他の商標や登録商標は、それぞれの所有者の知的財産です。

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日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充
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