ニュースリリース - 2007年6月20日

シノプシス、NECエレクトロニクスの協力により最先端SoCデザインのサインオフ解析精度を向上

最先端のオンチップ・バリエーション解析テクノロジによりPrimeTimeソリューションを機能拡張し
スタティスティカル・タイミング解析への中間ステップを提供

2007年6月19日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - 半導体設計ツールの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、NECエレクトロニクス株式会社(東証一部上場コード:6723 以下、NECエレクトロニクス) が、同社の先進のSoCデザインにシノプシスのPrimeTimeの 最先端オンチップ・バリエーション解析テクノロジを採用していることを発表した。このPrimeTimeの最新の技術革新は、NECエレクトロニクスをは じめとする半導体業界の大手企業との緊密な協業の成果である。PrimeTimeの最先端オンチップ・バリエーション解析テクノロジを用いることで、設計 者はデザイン工程での過剰な設計マージンを削減できるようになる。これにより設計者は、タイミング目標達成のために繰り返される設計のやり直しを削減でき るだけでなく、チップ性能も向上できる。この最先端オンチップ・バリエーション解析テクノロジは、従来の解析テクノロジと比較して90nmそして65nm のプロセス・ノードで増加するタイミングのばらつきをより高精度にモデリングできる革新的な設計手法である。また、ばらつきを考慮したスタティスティカ ル・タイミング解析を完全に実行するための中間ステップにもなる。

NECエレクトロニクス株式会社 設計技術開発部 部長 佐久間洋 氏は次のように述べている。「サインオフ時のタイミング解析でオンチップ・ばらつきを迅速かつ高精度にモデリングすることは、当社の設計フローの重要なポ イントとなります。当社は、スタティックタイミング解析においてオンチップ・ばらつきを考慮した設計マージンを最適なものにするため、数年にわたってシノ プシス社と緊密な協力関係を構築してきました。そして当社は、ランダムあるいはシステマティックに発生するプロセスばらつきを正確にモデリングできる PrimeTimeの最先端オンチップ・バリエーション解析テクノロジという最新技術を採用することに決めました。これによって、ばらつき解析精度が遥か に向上したため、設計者は、過剰な設計マージンを設定しなくて済むようになります。そして、チップ性能の向上および、タイミング目標達成までに必要な設計 のやり直し回数の削減も実現します」

SoC開発に携わる設計者は、特定のばらつき係数をデザインの全領域にわたって適用することにより、オンチップ・バリエーション対策の設計マージン を設定してきた。この手法は、130nm~90nmデザインにあたって必要となる解析情報を提供してきたものの、デザインに対して過剰ないしは不必要なま でのマージン確保を強いることが多かった。そのため、設計は行き過ぎたものとなり、チップ性能の低下をもたらし、設計期間は長期化しがちであった。 PrimeTimeの最先端オンチップ・バリエーション解析テクノロジは、セルのロケーションやパスのロジック段数に応じて、個別のセルやパスに固有のば らつき係数を計算できるため、チップ全体にわたってランダムあるいはシステマティックに発生するばらつきをより高い精度でモデリングできる。これにより、 過剰な設計マージンを回避しサインオフ解析精度を大幅に向上させることができる。この画期的な最先端解析テクノロジによるオンチップ・バリエーションのモ デリングは、PrimeTime VXでランダムあるいはシステマティックなばらつきのスタティスティカルな解析を完全に実行するための中間ステップとなる。スタティスティカル解析を完全 に実施することは、65nmプロセス・ノードのデバイスや内部配線で発生する様々なバリエーションに対処するために必須となるものである。

シノプシス インプリメンテーション・グループ R&D担当副社長のAhsan Bootehsazは次のように述べている。「当社が誇る業界標準のサインオフ・ソリューションもそうですが、PrimeTimeの最先端オンチップ・バ リエーション解析テクノロジは、設計生産性向上に向けたシノプシスの技術革新とリーダーシップを象徴するものです。スタティスティカル解析を完全に実施可 能にする当社のソリューションをまだ採用されてらっしゃらないお客様にとっては、このテクノロジはそのための中間ステップとして、またオンチップ・バリ エーションのモデリング精度向上の効果的な手段として有効です。当社とNECエレクトロニクス様との緊密な協業により、こういったお客様もこのテクノロジ を用いて過剰な設計マージンを回避し、設計生産性を向上させることが可能になりました。当社は、最先端のプロセス・ノードでの設計者の生産性を向上させる ために更なる協業を続けていけることに期待しています」

シノプシスについて
Synopsys, Inc. は、電子設計自動化(EDA)ソリューションの世界的リーダーであり、半導体の設計ならびに製造に用いられる各種のツール、設計資産(IP)、サービスを全世界のエレクトロニクス関連企業に提供している。システムレベルHW/SW設計検証、IP 、HWインプリメント、HW検証、HW製造、FPGA設計の各ソリューションで構成されるシノプシスの包括的な統合環境により、顧客企業が設計や製造段階で直面している重要な課題、すなわち消費電力や歩留まりの管理、システム設計段階からシリコン製造段階までを網羅する総合検証、開発期間の短縮といった課題を克服することが可能になる。各種テクノロジを駆使したこれらのソリューションを活用することにより、顧客企業は、開発コストや開発リスクを削減しつつ最高の製品を迅速に市場投入することが可能となり、競争力を高めることができる。カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置き、事業所は北米、ヨーロッパ、日本、アジア、インドなど70ヶ所。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jpより入手可能。

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